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第55回 違和感&自分自身を大切に!本当に『やさしい人』を見抜く力が必要な時代…

「あなたは自分のことが好きですか?」

ちなみに私、今は自分のことが好きです(笑)。う~ん、好きと言うより、愛おしく思っていると言った方がいいかも知れません。でもこれは、元々自分のことが大嫌いだった私が、時を経て少しずつ変わることができた結果です。子どもの頃の自分にきいてみたいですけどね。

私は人から悩みを打ち明けられたり、アドバイスを求められたりしたとき、相手の人が私の言うことをシンプルに受け取ることができず、否定ばかりする場合にこの質問をします。

悩める人の心に寄り添うためには、その人が自分自身をどう捉え、どう向き合い、どう扱っているかを知ることが必要だと考えています。抱えている問題における登場人物のことを知るのは後でもいい。ご主人のこと、子どもさんのこと、会社の上司や同僚のこと、友達のことは、その人本人のことがある程度理解できると、自ずとその人目線の風景が浮かぶものです。

心理学でいう「自動思考」ですね。これは、その人がこれまでの人生経験で得た知識と情報で構成される「スキーマ」が大きく影響します。「スキーマ」とは、物心がついたときからの経験や体験の中で形成された深い思い、信念、自分や世界、他者についてのイメージ、価値観などのことで、この「スキーマ」によって、その人の自動的・習慣的な思考や行動が生みだされます。まさに「スキーマ」が人格を形成していると言っても過言ではないわけです。

私が人の悩みを聴く場合は、その人の「スキーマ」を発見するべく、地図でもないはっきりした画像でもない、少しぼんやりとしたヴィジュアル的なものを頭の中に描いていきます。私は人の話を聴くとき、ほとんど記録を取ることはなく、その人の目を見ていることが常ですが、大切なことはほぼ忘れることなく記憶しています。

友人知人、クライエントに言われるのは、
「よく覚えてますね~」という言葉。私にとってその人の情報として必要なことが、その人の顔を見ると出てくる仕組みの脳になっているようです。

さてさてカウンセリングというのは、カウンセラーが持つ知識や、分析からの見解を、その悩みの内容から誰彼問わず投げかけるものではありません。同じような悩みを持つクライエントでも、クライエント自身のパーソナリティーや環境・状況によって、捉え方、解決方法は違います。

そして大切とされている三つの姿勢『受容』『傾聴』『共感』、これができない人は、悩んでいる人の潜在能力を見出すことはできないのではないでしょうか?

答えはその人の心の中にあります。だからまずはその人を知ることが、その人に寄り添うことになり、励ますことになり、支えることになると私は考えています。

あなたの過去と現在から非を見つけて叱り、反省させ、自責の念を持たせ傷つける。そしてその後、やさしい態度や言葉で励まし、這い上がって来いと言わんばかりに感情を煽る。そんなコーチ、メンター、カウンセラーは何かで学んだマニュアルのもと、そのお仕事をしているように思えます。もちろん、その人の人間性も関係しているでしょうね。

どうかどうか、あなたを傷つける人に助けを求めることはしないでください。本当にやさしい人は、厳しいことを言うときでもやさしい言葉で分かりやすい表現を使います。あなたの持った違和感を信じてください。そしてきちんと、あなたにやさしいコーチ、メンター、カウンセラーを選んでくださいね。

今回は知人の体験から、私の思いを書かせていただきました。