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追加曲目のお知らせ&アーティストコラム

<アウフタクトコンサート曲目追加のお知らせ>
10月4日開催のアウフタクトコンサートにて、第一部に歌曲を一曲追加いたします。詳しくは下記をご覧ください。ますます充実したプログラムになります!追加の理由も含め、当日の公演ブックレットを編纂しております。
https://www.projectnaka.com/auftakt-concert

<アーティストコラム>
今回のコラム、音楽家以外のアーティストが初めての担当です。コント芸人・俳優として、舞台で活動する南川太郎さんがお届けします。南川さんは当プロジェクト第一回公演Vol.3に朗読での参加です。歌曲との共同パフォーマンスをお楽しみに…
(詳細は https://www.projectnaka.com/line-up-2021  )

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はじめましての方は以後、お見知り置きを。そうでない方は活字でお会いするのはお久しぶりですね。南川太郎です。

普段は「惑星ボルヘス」というユニットでコントやりながら、他の団体さんのお芝居に顔を出しています。

色んな畑から参加しているプロジェクトですが、異色極まれりといったところですね。

コント良いものですよ。コントユニットの由来でもあるアルゼンチンの詩人、小説家のH.L.ボルヘスも長編よりも短編に物語の神髄があると言って2ページ以内の短編集を出してます。

さて、なんでもヨーロッパ人はマルコ・ポーロの影響で、東の果ての島国に幻想を抱いているそうで、スウィフトの「ガリヴァー旅行記」でも、巨人の国、小人の国、天空にあるラピュータとともに東の果ての島国を訪れています。日本だけが唯一幻想と地続きに存在する国なんだそうです。

同じように西にも島国がありますが、さる昔、東の島国で江戸時代の初代将軍が成人したころに1人の男が生まれます。

男は自分が空っぽであると感じながら、他人にそれをひた隠しに生きていました。色んな職を転々とし、ロンドンに進出したころ彼は人生の転職に出会ったそうです。役者であり作家。空虚な自身を埋めるために他人になりすます。その時代の栄誉をすべて手に入れながらも全てを投げだし晩年は孤独に暮らしたそうな。

その死の前であったか、後であったか、彼は神の前に立っていることを知り独白する「私はこれまで虚しく多くの人間を演じてきましたが、今や、ただ1人の人間、私自身でありたいと思っております」するとつむじ巻く風の中から神の御声があったという「シェイクスピアよ、お前がその作品を夢みたように私も世界を夢みた。わたしの夢みるさまざまな形象の中にたしかにお前もいる。お前はわたしと同様、多くの人間でありながら何者でもないのだ」
― H.L.ボルヘス「全と無」より―

この文章を書いている私も私であって私ではないでしょう。そしてまた、皆様のまえにお目にかかる私でありながら、どれでもない。あらためてはじめてお目にかかれる日を待ち遠しく思っています。

では最後に、太宰治の名言でしばしの別れといたしましょう。されば読者諸君。命あらばまた他日。元気で行こう、絶望するな、では、失敬。
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Project NAKAは、クラウドファンディングにて開催資金を募っております。皆様のご協力お待ちしています!
https://a-port.asahi.com/projects/projectnaka2021/


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