ACAO OPEN RESIDENCE #7開催しました!
熱海の魅力をアートで再発見することを目指したアートプロジェクト「PROJECT ATAMI」では、2022/7/9(土)〜7/10(日)の「ACAO OPEN RESIDENCE #7 」を開催しました。雨天のため、ニューアカオ館の元フロントでおこなった∈Y∋、マヒトゥ・ザ・ピーポー、NTsKiによる、オープンレジデンス中のはじめてのライブも、街の風景や、音、光、すべてがあいまって、とても特別なものになりました。
(写真は、マヒトゥ・ザ・ピーポーのライブの様子 / 撮影は菊池良助)
オープンレジデンスも、さまざまなハードルがありましたが、それぞれが、ACAOだからできることを追求して、発表してくださりました。GROUPはニューアカオ館のある一室の家具や畳などを、そのままの縮尺でダイニングルームに移動。場所の移動による意味の変化や、それぞれの空間の意味を考えました。
森山泰地もまた、周辺のビーチで拾ってきた枝や石を再構成して、元ダンスホールの空間を、全体がインスタレーションになるように、展示しました。360度海がみえる、このサロン・ド・KINRINという空間を生かし、まるでかつて踊った人たちの気配が感じられるような、静かな中にも一つ一つの景色が感じられる空間になっていました。
〈Unison_Circle〉と題された冨安由真の作品は、もう使われていない古い大浴場にサウンドとオブジェクトを設置したインスタレーションでした。使われていない場所(工事中)なので、人は入れなかったのですが、入れないことを逆手にとって、サウンドとVRを用いた、新作インスタレーションを制作してくださりました。
このインスタレーションがみられるのは、VRのゴーグルを通してのみ。塩でつくられたこのサークルは「弔いと祈りをテーマに制作された」もの。肉声とホテル内の環境音を多層化させた音声が大空間の中で反響して、音を通しても空間の広がりを感じさせるものになりました。(みえないからこそ、想像が広がるものでした)
〈Unison_Circle_Reverse〉と題されたこちらの作品は、「Unison_Circle」の裏面として制作され、インペリアル・ルームで体験できるようになっていました。「Unison_Circle」の内部を写したVR映像を観客は一人ずつヘッドセットで操作しながら、まるで内部を歩き回るかのように360度鑑賞できるようになっていて、ARCHI HATCHのご協力で実現しました。
また、普段は入れない場所に注目した一人、写真家でもある竹久直樹は、かつてニューアカオ館で提供されてきた食べ物にスポットをあて、インターネットから拾った、かつてのバイキングの写真などを、手をたたくリズムとあわせて展示。もともと、手をたたくという行為は、シェフが料理ができたことを知らせるために使われていたそうなのですが、連想ゲームのように移り変わる食べ物の写真と、言葉、おもわぬ取り合わせで、不思議なリズム(音と写真)が生まれていました。
そして、ニューアカオ館以外の場所に注目したのは、細野晃太郎。彼は、普段拠点にしている、西荻窪のHAITSUから、なんと熱海まで、歩いて移動。東海道53次も参考にしながら、実際に歩くという感覚を、アーティストのARIKA、BIENとともに、2泊3日しながら、ともに味わいました。一番印象に残ったのが、HOTEL ACAOの入口にある、トンネル。ここについたときのこのトンネルの音で、ホッとするとともに、音がありありと、生きていることを感じたそうで、今回このトンネルでサウンドインスタレーションを行いました。ZINEの形にもその日々が残っているので、今度ぜひみてみてください。
今回は、とても開催日程が短く2日間の開催でしたが、やはりアーティストそれぞれの視点はおもしろく、初夏のにおいとともに、何か脳裏に残る日になりました。
(事務局:伊藤)
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