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唯一無二日本の文化-おもてなしの特質

おもてなしの特質

日本のブランド「おもてなし」

コロナ禍後インバウンド観光客増加
も含め対面でのリアルな「おもてなし」
をする機会が多くなります。

何事も原義原則を弁えてすることは、
応用出来る心や形を創り出します。

そこで、日本独自の唯一無二の文化
である「おもてなし」を紐解いてみます。

「おもてなし」の語源は、
もてなし」に、美化語「」を付け
「おもてなし」と言い表されます。

この「もてなし」は、
漢字で『持て成す(為す)』或は
『以て成す(為す)』と書きます。

その語彙は「コト」と表現するもてなす人
の持つ個々人や組織のバーチャルな『』、
「モノ」と言い表されるリアルで目に映る
リアルで形ある『』の意があります。

このようなことから「モノ」と「コト」
表裏一体の「表無し」と解し「裏表なし
とも言い現されています。

この表裏とは、
お客様をもてなす際の前記した
「モノ」と「コト」を指します。

表は、目に見える様々な形や言動の「モノ」
裏はお客人に接する主人や応対むスタッフ
の目に映らないバーチャルな「コト」を指す、
その表裏一体の心と言える「思い遣る心」で
接することを大切すると言うことです。

この「コト」は舞台で喩えると、
「黒子の役割を果たす心構え」を言い、
客人(お客様)に応対する際のお世話や配慮
をさり気なく影の様に行い接するです。

この表に見えない裏の心は、
日本の「おもてなし」だけの特質と言えます。

また、
おもてなし」は人の顔と同様に千差万別で
そのもてなす人の独自の心(個性)が現れ、
どれ一つとして同じもてなしはありません。

一期一会と主客一体(対等)、一座建立の心で、
相対する人に心から敬意を払い謙虚な心で、
もてなす人に触合うための様々な設えをし
お客様(客人)をお迎えする行動とその心構え
を表しています。

日本の文化「おもてなし」の素晴らしさは、
ただ単に「サービスの品質」の高さでなく、
季節感や伝統文化を織り交ぜた細やかな
気配り(配慮)がありその場その時の事物や
人に真摯に正対するバーチャルな心です。

さり気なさ、何気なさと言った、
自然さに重きを置き一期一会と
諸行無常の心の元、作法や手順に
拘り「物事を極める」姿勢が独自の
美を味わう概念を育んできました。

その相手に対する真摯な態度、
誠心誠意の心と人を思い遣る心が
触合う相手の共感を呼び類のない
感動を与え余韻を創り出すのです。

日本の「おもてなし」は、
茶道が発祥とされる和の国日本
ならではの唯一無二の文化です。

そしてそれは、不完全さ不規則さ
を良しとし、曖昧であることに対し
「美しさ」を感じ取る心=感性を持ちます。

客人をリスペクトし心温かに応対する心は
ホスピタリティの「おもてなし」と同様ですが、
その違いは、何気なさ去りげなさと言う
自然さを重んじる「行動様式」あります。
※ホスピタリティの原義は、
 「旅人へのお世話・保護。」

日本のおもてなしは「主客一体」を元とし、
その「心」を場所や庭、家具、食器、
インテリア、お料理、客人に接する人の
自然な立ち振る舞い、音楽、踊りなど、
全てに表現されています。

客人を迎える処に何気なく飾られている
季節のお花、花瓶・花器、書画の掛け軸、
お香にいたるまで、日本の伝統文化
(茶道、華道、香道、礼法、侘び寂び
風流、書院造りの建造物等々)の粋である
主人のもてなす心が込められております。

これは、日本人独特の持つきめ細やかな
配慮、思い遣り心と伝統文化が融合して
長い時を経過しながら創り出されました。

この日本の「おもてなしの心」は、
「もののあはれ」、自然界の風情を感じ
相手や物を慈しむ心であると言えます。

例えば名もなき花と言わずに、
名も知らぬ花」と日本人は表現します。
それは日本人の持合わせている粋な心、
常に相対する人への優しさであると共に
ものに寄せる思いやりの心です。

日本のおもてなしの「5つの特質」

1.おもてなしには個性があります 

おもてなしを受ける客人は千差万別で、
お客様が千人なら千通りの種類があります。

2.おもてなしは形がありません。
  瞬時に消えますし目に見えません。

目に見えなく形が無いおもてなし、
即ち裏表の無い自然体のおもてなし
が求められそれは時と同じ其の場限り、
瞬時に消失してしまいます。

また、物や形はいつの日か壊れたり、
無くなったりしてしまいますが、
相手への思いやる心溢れる真の
おもてなしは、感動や余韻として
心にいつまでも残ります。

3.おもてなしは人間依存から成立します

人的要素(感情・感性)の下に行われます。
即ちもてなす人の人間性や技術力の
優劣に依り様々な形を創り出します。

4.おもてなしは即時性、即効性を持ちます

おもてなしはリアルタイムに大切な人、
お客様の間でリハーサル無しで行わます。

これは
お茶席の一期一会の精神とも相通じ、
生で行う一発勝負という特質を持ちます。

5.おもてなしは同質でなく基準もありません

おもてなしは、
生産するプロセスで客人(=相手)も加わります。
ですから、同質ではありません。

即ち、
おもてなしには客人=お客様自身がおもてなし
の生産過程に関わり、これと言う基準も無く、
その結果や心の余韻はおもてなしを受ける側、
夫々の方によって当然異なります。

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