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心の設え-「おもてなしの熟語」解説

おもてなしの「熟語」解説

おもてなしの熟語

日本独自の「おもてなし」の発祥とされる
「茶の湯の心」の理解認識と修得は必須です。
※以下はその代表的な項目。

※1.一期一会

一生に一度だけの機会、
自分の与えられた生涯に一度限り。
生涯にただ一度しかないと考え
その場その時の心尽くしに専念する。

※2.和敬清寂

 (お互いの心を和らげ敬い、
 清らかで落ち着いた心)
 先ず客人の心と資質の総て
 (立場・実体・趣味・嗜好・目的)
 に合わせ、「和」お互いに心を
 開いて仲良くすることです。
 この先には平和があります。

」お互いに敬いあうという意味です。
 目上の人や家族、友逹みんな夫々を
 尊重し合う(リスペクトする)ことで、
 人間関係を大切にすることが出来ます。
 
」目に見えるものだけでなく、
 心もにごりがない清らかな状態のことです。
 曇りのない目で人や事と相対することで、
 本当の姿や物事の本質が見えてきます。
 「寂」どんなときにも動じない心です。
 どんな時も平常心を持ち余裕を持ち、
 相対出来ることを表しています。

※3.主客一体

亭主と客とが一体となって
創り上げるもの(時・場・雰囲気)
を言い、主客ともこの関係を目指す。

※4.一座建立(イチザコンリュウ)

招いた主人と客人が一体となって
その場を創る様々なあり方の活動をする
日本の独自の文化おもてなしを表す。

ホスピタリティのおもてなしは
語源からも旅人や客人の「お世話」
の活動であり、もてなし、
お世話する側の心と様々な
サービススキルを主に活動する。

※5.森羅万象

天地間に存在する、数限りない
総てのもの(万物)や事象。

森羅」は樹木が限りなく
茂り並ぶ意で、沢山連なること。
万象」は総ての形あるもの、
有形のものの意。

地球、そして宇宙の中に存在する
ありとあらゆる物と、そこで起こる
全てのことを指す言葉です。

一つの事柄に対していうのではなく、
森羅万象と言う一語がこの世の総て
という意で用いられます。

※6.諸行無常

「諸行」とは、総ての物を指し、
「無常」とは常がないと言うことで、
一瞬たりとも同じ状態を留める
ことは出来ないと言うことです。

お釈迦様は、
今、一瞬一瞬が変わり続けているのです、
 一瞬たりとも同じ状態を留めることは
 出来ないのですよ、諸行は無常なり

と教えられています。

私たちは、物事がいつか、
変わり、色褪せ、移ろいで行くことは
判っていますし知っています。

人間はいつかは死んで行かねば
ならないと思っているが、
今日、今死ぬとは思えない。

物も壊れるのは、ずっと先で、
今は大丈夫と頑なに信じ込み
「しばらくは大丈夫だろう」
と自分で思っているのは
私達の勝手な思い込みです。

真実は、常に移変わり
変化する諸行無常
です。

※7.侘び寂び

侘びとは「慎み深く奢らぬこと」、
侘を「正直につつしみおごらぬ様」
とも解するひともおります。
寂びとは、人がいなくなって
静かな状態を表すように
なったことを言い表します。

禅の師、清巌和尚は、
寂びについてこう言っています。
茶の湯をする人は
 大名なら大名らしく、
 金持ちは金持ちらしく、
 世捨て人は世捨て人らしく、
 夫々に応じてするのが一番だ

詰り、侘び、寂びとは、
その存在感を失わず、
且つ謙虚さを大事にする。
「侘び」は、不完全な物、
不足しているものから
感じられる美しさのこと。

「寂び」は、
動詞「さぶ」の名詞形です。
この「さぶ」には、
「生気、活気が失われる」
「時を経てもとの姿が劣化する、衰える」
という意味があります。
「寂び」は、
「人のいない静かでさびれた空間」
静かさの中に唯一人の身を置き
始めて成り立つとされている。

※8.不完全美

一様でない造形と微細な変化を
美しいと感じる不完全で不均衡、
左右対称の形ではない変化に
富んだ物には心に温もりを
生みとても親近感があります。

それは、
「対比」即ち陰と陽という捉え方は、
見た目の変化によってメリハリが
出るだけではなく、実用性
即ち用の美にもつながります。

「侘び」の感じられる柔和な形には
機械で作った冷たさはなく、
人が作った温かみを讃えています。

それは、
日本の伝統工芸品や自然の景色にも
言える親しみと美しさに繋がります。
私たち日本人は人の手で完璧に
作り上げられたものよりも、
ありのままそこにあるもの、
不完全でも自然の中で作られた
美しいもののほうが好ましい
と感じるこころを備えています。

※9.守破離

日本の武道≒文化で修行の過程を、
修得状況に応じて「守・破・離」
の三段階に分けています。

「守」は、
基礎である物事を型通り
(形の習得)にすることであり、
そのことが一通り出来ようになると、
型通りにしていては対応出来なり、
型(形)を突破する「破」の段階
に入るということです。

「破」は、文字通り
「破る・打破・突破」
することであり、
即ち型に嵌ったこと
を破る為に努力精進し、
破ることであると考えます。
型(形)を破ることは、
そう簡単には出来ません。

「守」の段階をきちんと踏んで
来ない人に対する考え方で
あるとも思われ、
「守」を会得した人だけが
「破」ことが出来ると言ったことを
指していると考えられます。

「破」の段階を会得出来ると、
最後に「離」の段階に入ります。
「離」とは、先ず「守」ことを習得、
会得し、次に「破」から離れること
を指して言い表します。
即ち、
型通りにする時には型(形)通りに行い、
必要に応じて型(=形)を打ち破り、
そして型から離れることです。

※10.主観と客観

(主観的客観)
主観だけに偏るとコミュニケーション
活動の相手への想像力が不足します。
主観的な見方は誤りやすく、
しばしば、人と衝突しがちです。

客観的な見方なら公平に、
誤りに気づかせてくれます。

主観と客観は、
別々にあるのではありません。
主観と客観は分かち難く、
ただの対立関係でなく、
主観と対象との関係を超える
ことで客観に至ることが出来る
主観的客観意識が備わるのです。

人の物事・事象の見方は、
その時々の意識の位置に関わります。
意識の有り様を、
正しく確かめることで
客観的な見方を意識的に
できるようになります。

片や客観だけに偏ると、
自分がどうしたいのか、
何を求めているのか、
軸がブレたり相手のペースに
合わせ過ぎてしまいがちになります。

以上、代表的な項目の解説、ここまで。
日本の「おもてなし」の場合は、
もてなす側(主人・亭主)にあたる側が
事前に、先ずもてなす相手(客=個人~団体)
について出来る限りの情報と知識を
知得理解し、もてなす側としての心とモノ
しつらえ=設え」を確りして置きます。

自作-四文字熟語の解説

1.和顔和心

  自然で和やかな顔(表情)、和やかで優しい笑顔。

和顔和心

2. 親和温顔

  親しみのある和やか表情と温かな眼差し。

3.心言一致

  心=その人独自(個性)と発する言葉が一致する。

4.心行一致

  心と行い(業=ワザ)が一致する。
  この場合の行(業)は、行為、所業、仕業、
  職業、仕事、こと、有り様、趣。
  人間の身・口・意によって行われる善悪の行為を指す。

5.現業一致

  現実と業が一致する。
  この場合の業は、苦労して成し遂げる事柄、
  生活のために行う仕事を指す。

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