主観と客観の解説
個々人それぞれの当たり前
普段の社会生活や会社・組織・店舗で、
自分の持つ当たり前を無理に押し付け、
或いは、パワハラ的に強制したりして、
それが出来ていない、しないから、
と言って自分勝手に怒っている人に
出会ったことがありませんか?
私も、現場に立ち共に汗を流して活動
していた頃の自分の言動に思い当たる
体験や見聞きしたことが多々あります。
個々人それぞれの備え持つ
「当たり前」と言われることは、
「人として必要とされる当たり前」、
社会生活で一般常識とされる
「客観的要素が含まれた当たり前」、
経験やスキルにより異なる各々の
「主観を基に思考する当たり前」、
会社組織内、立場地位、格差など
「環境によって異なる当たり前」、
男女の性別や子供と大人と言った
「身体的要素による当たり前」
愛を育み、人間関係を構築するための
「対人関係上・会話での当たり前」
などと言った様々な当たり前があり、
それはその人の心の備っている
主観(判断基準)や想像力に拠る
ところが大きいと思われます。
夫々が当たり前の基準の対象となる
人や物への思考(意識)・主観によって
正誤・善悪の区別け、好き嫌いや
喜怒哀楽と言った感情が生まれます。
その感情は、時に人と繋がりを生み、
心に愛を育み、時に御縁や繋がりが
切れる原因になる場合もあります。
また時には、
いじめやD.V、引籠り、自殺、うつ病
などを引き起こす要因・起因・誘因
になることも少なくありません。
個々人それぞれの「当たり前」の意識は、
自ら人生経験、生活環境、社会的立場
などと年齢や時代環境により大きな差が
生じると言うことを自覚して置くことです。
人と和し、繋がり作るためには、
自分の当たり前で他人の心や言行を
判断しないと言う、正しく揺るぎない
意識や心の軸を備え持つことです。
上に立つ人の中には、パワーハラスメントと
なることを気付かず平気でする人もいます。
自他の「当たり前」=常識には、
コンプライアンス、道徳、倫理、モラル、
マナー、エチケット、常識(躾) などが
当て嵌まりますが、同時にその意識は
子供から大人までの差が大きくあり、
コンプライアンスは地位や立場や
置かれている環境によって幅があります。
この違いを理解した上で、
実際に日々の生活や仕事に生かして
行くことが何よりも大事だと思います。
主観と客観と主客一体
アナタが会話する相手から人や物、
事象について何等かの答を求められたら、
「自分の考えを柱に感じ取り
主観的に答えますか?」
それとも
「自分の意見を入れず見たことを
有りの侭に客観的に答えますか?」
改めて昔の自分を省みると、
思い遣りの大切さを知り学ぶ以前は、
「主観・客観」をゴチャ混ぜの状態(意識)で
相手ことを何も気にせず無意識に答えていました。
主観は、相対的な事実を現したものです。
例えば、正しいと言う人や事象の見方、
捉え方や判断・決断、意思決定の場合、
自分だけの判断でする主観的な見方のみでは、
その場やその人への感情に左右され誤り易く、
時には触れ合う相手や仲間から誤解を生み易く、
他人と衝突や摩擦を起し兼ねませんし、
不本意な結果を生むこともあります。
一方「人として何が正しいのか否か?」
と言う客観的な見方なら私心が少なく
公平に、間違いや誤りに気付かせてくれ、
適時、適切・適正な答えが導き出せます。
💟八正道(仏教)
主観について別な例を挙げてみますと
主観を交えた文言、
「参考にします。」
「そうかもしれない?」
と言ったことも、その例として挙げられます。
この場合、
人との交わりの上手な人は主観を
重んじつつ相手の発する言葉や知識を
客観的に捉え、自分に必要なこととして
新たに受入れることを表す、
「学びにします。」
「そうですね。」≒そだねぇー
「新たに知りました。」
などの言葉で意思表示(主観)の巧みに
言葉を使いながら相手をリスペクトし
上手にコミュニケーションをしています。
以上をまとめると、
人の持つ主観と客観は、
別々の対立関係あるのではなく、
主観と客観が一人の人の中に
存在するということです。
言い換えるなら主観と客観が一緒
「主客一体」とも言えます。
故に、主観は悪で、客観が善
と言う対立関係は成立しません。
また、
日本の「おもてなし」で用いられる
主客同等の心を表す「主客一体」
のみでなく、
主観(的)と客観(的)「表裏一体」
と言う別の意味を持ちそれを
あらわしているとも考えられます。
自分の人間力向上のためにも、
この「主客一体」の心(語彙)を
確りと自覚認識しておきましょう。
・・・・・以下辞書検索・・・・・
【主観】(大辞林より)
対象について認識・行為・評価などを行う意識のはたらき。
また、そのはたらきをなすもの。
個別的な心理学的自我と同一視されるが、
カントの認識論では個別的内容を超えた
超個人的な形式としての主観(超越論的主観)を考え、
これが客観的認識を可能にするとする。
【主観】(旺文社小学国語新辞典より)
自分中心の考えや感じ。自分だけの意見。
【主観的】(旺文社小学国語新辞典より)
自分を中心に考えたり,感じたりするようす。
【客観】(大辞林より)
(その1)主観の認識・行為の対象となるもの。
主観に現れるもの。世界。かっかん。
(その2)特定の認識作用や関心を超えた一般的ないし普遍的なもの。
主観から独立して存在するもの。
【客観】(旺文社小学国語新辞典より)
自分の考えや心に対して,その外にあるもの。
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