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にんげん力と三現主義-5/5


三現主義と思い遣りの三要素【目配り】

思い遣りの三要素と三現主義

1.三現主義と目配り

前にも書きましたが日本国内の三現主義
の実践は、一流企業と言われるホンダ、
トヨタ自動車、花王、P&G、7イレブンが、
三現主義の原理原則に基づきモノづくりを
行っていることは知られております。
また、
それに関連する本も多く出版されています。

この三現主義は、
“現場”“現物”“現実”この三つの“現”を重んじ、
思考上の論理や机上での空議・空論ではなく、
実際に現場となる現地(店舗・職場・得意先)
に赴きその“現場”で“現物”を自らの目(人眼力)
を以って観察し、“現実”である現状や現況を
認識した上で、今後のビジョン構築や施作、
問題の解決、改革改善を図り、行わうと言う
考え方のことであると解します。

現地、現場、現実を見ずして、
机に向かいただ思考しているだけでは、
現場での様々な問題点や改革・改善点
は何も見えてきません。

従って三現主義により現状を直視しその先に
繋げると言う考え方であるとも解します。

こう言ったことを
ソリューション、イノベーションと言う
手法で表現していると考えます。

また、
現在成長し続けている中小企業や物販店、
飲食店など様々な業態でこの三現主義は
取入れられ常にこの意識を持ち取組んで
運営・経営をしています。

さて、思い遣りの三要素の第一番の要素
「目配り」は、人の五感のひとつ視覚だけ
を指すのではなく、眼(心眼)配りであす。

この目配り(≒眼配り)こそが様々な思い遣り
のスタートであり、原点であると考えます。

また、
目配り(≒眼配り)は、観察力⇒察知力⇒
推察力⇒洞察力⇒創造力=実行力

と言う人間的なの能力を必要とし、
夫々の能力を高めると共に育みます。

其の結果、気配り(身配り・手配り)
~心配り~気遣い~心遣い~気働き
言った心の創造や活動を生み出します。

同時に目配り(≒眼配り)は、次のような
立場転換の意識で物事や相手のことを考え、
行動することにも繋がります。

イ)相手やお客様の目で置かれた環境を視る
 (顧客視点・顧客ファースト意識で見る)

ロ)若しも、自分がお客様や相手の立場なら
 どう受け止めどの様に感じるかを思慮する
 言動、好感を与えられる態度を表します。
 (思い遣りの表現・伝達)

ハ)相手やお客様の気持ちになり会話したり、
 話を聞いたりする(傾聴力)

ニ)相手やお客様の気持ち(心)を汲む
 心配りをする

ホ)お客様や相手の身になり物理的な居心地
 を現況から推察し、適切な行動をする
 (嗅覚・清潔・衛生・様々な不の解消
 =不安・不行届き・不潔・不備・不公平・不手際)

👀具体的な目配り(≒眼配り)の活動

1. 外見(身なりや持物、風貌)などを
 見て、様々な推測、洞察をする
2. 外見全体から、生活状態を推し量る
3. 身に着けている物、お化粧、身嗜み
 などの見た目からその人のセンスや
 トレンド意識を知る

4. 表情や仕草(所作)を観察し、
 心理状態や体調を察知する
5. 目の表情から、物や人への関心度や
 期待度、意識を推測し、観察する
6. 姿勢や歩行速度から、心の位置や
 状況の診断をする

7. 行動や動作の順序から状況判断材料にする
8. 仕草や動作から精神状態、欲求度を
 観察・察知する
9. 言葉(語句)や言葉使いから、
 相手の人と成りを推測する

10. 商品や物の取り扱いの仕草や動作から、
 商品や物への意識と人柄を察知する
11. 着席時の座り方や位置、態度から
   いち早く状況判断をする
12. 飲食のスピード、量、残し方などから
      嗜好や欲求度、満足度、不満度を察知する

13. 飲食の仕草から来店目的や価値観を推測
14. 飲食の仕草から、精神状態を推測、察知
15. 会話時や会食時のマナーから人柄、
     人とものへの意識と捉え方を推測する

16. 言葉遣いからものや相手に対する関心度、
      興味度、好き嫌いを見抜く
17. 言葉遣いや商品の選択方法から、
     その時点の経済状態を察知する
18. 周囲の人々の会話や態度から、
     夫々の立場を憶測する

にんげん力の一つである人原力には、
思い遣りの心を創出する人眼力の目配り
(≒眼配り)を磨き育む必要があります。

にんげん力の一つである人現力の中の
視覚とも言える人眼力、即ち目配り
(≒眼配り)を以って心である人原力を育み、
その人と成りを人現力として表現する。

2.三現主義と気配り

三現主義“現場”“現物”“現実”この三つを
直視することで様々な心や現状を観て
気付きが得られることもあります。

さて、三現主義を実行するために
必要な二番目の要素である気配りは、
目配りと人元力に含まれる数多くの
実体験や知識の下に培われた感性と
言うべき第六感、相手に対し思い遣る心、
おもてなしの「しつらえ」と言われる心
から創り出されると考えます。

辞書によると、
[気配りは、あれこれ気を遣うこと。
 手抜かりがないように注意すること。
 心遣い。配慮。]とあります。

私見ですが、気配りは、先を読み全体(総て)
を見渡すということを意味しその場その時の
状況・状態(場面・環境)に応じて自らが判断し、
その状況に応じて適切且つ臨機応変に応対対処
処置することであると考えます。

「気」の文字は元気、活気、覇気、生気などの
生命力や勢いを意味し、気付き、気になる、
気が散る、気に障ると言った精神に関する
気分や意思を表す場合や場の状況や状態(雰囲気)
の意味を表わす際に用いられると解します。

また、気配りの出来る人は、
周囲の人に好かれ人間関係(コミュニケーション)
構築がとても上手です。

気配りに大切なのは、
気配りをしたいと言う意思や意欲、
相手の置かれている環境を冷静に
見る心の余裕(ゆとり)他者をリスペクトし
思い遣る心、積極的に行動する気持ち
(勇気・お世話の心)を持つことであり、
それを実行するにんげん力を育むことです。

(参考)
気配り』と多少なり似たような意味が
 ある言葉として「気遣い」があります。

三現主義と思い遣りの三要素【心配り】

接客やおもてなし、人との触合いに
於いて特に大切にされる言葉に、
「目配り・気配り・心配り・心遣い
 気遣い・気働き」があります。

この言葉は全て、
触合う相手を思い遣る心が原点(源)です。

そして、上の記事中に記載した目配り、
即ち、お客様や相手を観察する人眼力
から始まります。

心配りは、触合う人あれこれと気を遣うこと。
同意語として、心遣い・配慮があります。

活用例としては「温かい心配り」
「心配りに感謝する」などがあります。

この「心配り」に類似した言葉として
「心配」がありますが、「心配り」と
「心配」は多少なり異なる意味を持ちます。

即ち「心配り」は、
触合う相手(他者)に対して心に生まれる
意識であり一方の「心配」は夫々の心の中
に生まれることであると考えます。

先年の東日本大震災に見舞われた後、
人々の心が大きく様変わりしました。

それは、信頼していたり愛していたり、
頼ったりしていた人の地震直後の行動
に因り、その人の自分への心の持ち方
(心のポジション)が明確に判るむことで、
人によっては信望を深め、また、ある人
は信頼していた人、愛していた人に不信
の心が生じたたり失望したりしました。

その結果
別離に至ってしまった場合があったことです。

この様に大切な人、愛情を抱いていた人の
震災後の行動によって人生の大きな転機を
迎えた人も少なくなかったと聞いています。

前記の事例に於いて、
人に対する意識が明らかにされる大切な
キーワードが「心配」です。

言い換えれば、自らの大切な人、愛する人
などに対し自らの心に生まれる感情、信頼
と思い遣りの心です。

人は、災害や苦難・苦境に会った時に本性
が現れると言うことを多く見聞きし体験し、
特に災害時は、自らの「心配」を如何に
早く相手に伝えるかが重要なことです。

また、この「心配」をすることは、常日頃の
「感謝の表現」であると言っても良いでしょう。

口先で如何に「心配している」と言っていても、
実際の行動が成されないために、折角作った
友人関係や信頼を無にしたこともありました。

以上のことをまとめると、
心配り」とは、心配していることを
相手に対する意識として自心に保有し、
それを様々な形や心身の活動に表して
相手に届ける活動と言えます。

また心配りは、
心遣い」と言う表現が出来ると思います。


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