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未経験者がプログラミングを学んでモックアップを作成するPdMに成長。日本の大企業の社員が集まるテクノロジーブートキャンプ「Tech0」。

ここ数年でITスキルの需要が高まっており、非エンジニアであってもプログラミングやテクノロジーを学ぼうとする動きが増えています。

事実、エンジニアじゃなくてもプログラミングの知識、スキルを活かせるシーンは多くあります。Progateで学んだマーケターがLPの修正やデータ分析で活躍していたり、営業職がエンジニアと共通言語で会話ができるようになった事例など、様々な職種でプログラミングスキルが活かされています。

今後、ますますIT・デジタルが浸透していく中で、日本の企業や社会はどのように変わっていくのでしょうか。

様々な日本の大手企業に務める会社員がテクノロジーを学ぶために集結するコミュニティでProgateを活用してくれていると聞きつけ、主宰されている濱田さんにお話を聞いてきました。

Tech0https://tech0-jp.com/
「テクノロジーを学びたいすべての人に、挫折なく学べる環境を提供したい」という思いのもと生まれた、所属組織を超えてテクノロジーを学ぶ実践型コミュニティ。テクノロジーについて学びながら、実際に自らの手でサービスを創り出すことで、ビジネスの現場で応用可能なテクノロジースキルを習得できる。

濵田 隼斗 氏
スリーエムジャパン株式会社で営業職としてキャリアをスタートさせ、その後Arizona State UniversityでMBAを取得。シリコンバレーのAI関連スタートアップ企業に参画し、買収による解散後は日本マイクロソフト株式会社のグローバル組織である、AIを専門としたエンジニアチームに従事。2022年8月、株式会社Tech0を創業し、代表取締役CEOを務める。

様々な業種の会社員が集まりイノベーションが生み出されるテクノロジー勉強会「Tech0」。


ーーTech0について教えてください。

元々は、2019年7月に開設されたコワーキングスペース「point 0 marunouchi」から生まれたコミュニティです。シリコンバレーには現地にいる日系企業の社員が集まるワークスペースがあったのですが、企業の垣根を越えて意見を交換できました。そういった環境でイノベーションが生み出されることを目の当たりにしており、日本にもそういう環境があれば良いのにな、と思っていました。その後、point 0がまさしくそういった場所だと知り、マイクロソフトとして予算を取ってもらって参画しました。

point 0では2週間に一度、参加している企業で定例の進捗共有会があります。参加している企業はハードウェア・製造業の企業が多く、コトよりモノの考え方が主流でした。

このままじゃイノベーションは起きないと思って、定例会ではなるべくテクノロジーの話をするようにしていたんです。そこで、PdMは事業と開発のどちらの話も分からなくてはいけない、開発についても学習すべきだと話したんですね。願わくば、モックをPdMが作れたらいい。

実際に作ってみたいという人がいたので、学んでみますか?と声をかけたら、50人くらい集まりました。まさかこんなに集まるとは思っていなくて、驚きましたね(笑)。

チーム分けをして班長制度を用いて、3ヶ月かけて学習を実施しました。AR、MaaS、モビリティと各チームで様々な取り組みを行っていましたね。例えばTOTOの方がいるチームだと、トイレの予約をとるシステムを作っていたり。全員、非エンジニアです。ほとんどがプログラミング未経験でした。

この学習内容を実際の業務に活用した事例もあります。そこでは厚労省が出しているデータをエクセルに手入力していたのですが、即時入力でもないし、誤入力も多かったそうです。プログラミングを学んだことで、Pythonでスクレイピングし、自動入力して保存するフローに変更できました。

適切な方向性に向かって、適切に学べば、みんな作れるようになるんです。ただ、会社の中に学習できる環境もなければ、制度もないんですよね。

Tech0を通じて作成されたプロダクト。point 0会員のおすすめの書籍やランキングを閲覧することができる。将来的には書籍の購入も可能になるそうだ。

この勉強会は16時〜18時でやっていたのですが、業務時間内にやることを是としない企業があったこと、point 0に参画していない企業でやりたい人がいると相談も増えてきたことから、Tech0の創業に至りました。

Tech0で学習してきた人はトータルで140名くらい。スケールはあえてさせないでおこうと思っています。Tech0には熱量の高い人しかいないので、熱量が低くて、モチベーションを下げてしまうような人には入って欲しくないんです。

非エンジニアがプログラミングを基礎から学び、チーム開発で実装まで行う。


ーーTech0にはどんな人が、どんな目的で集まっているんでしょうか?

point 0でやっていた時は若手から中堅の方で、企業の中で新規事業などをやりたい方が多かったのですが、Tech0を独立させてからは自分のスキルアップ、キャリアアップのためにITスキルを付けたい人が多いですね。スキルを身につけてDXに関する仕事をやりたい人もいるし、漠然と不安を感じていて「なんだかよくわからないけど、なんとなくやばいぞ」と始める人もいます。IT関連業務は外部の方に委託しているけど、中身の内容が理解できないから口出しできない、という悩みを持っている人も多いですね。

参加しているのは日系大手企業の人が9割以上で、7割くらいが非IT企業。非常に熱量の高い人が多いです。Tech0で学んだ内容をもとに、会社としてプロダクトをローンチするケースもありますし、新規事業として社内起業することが決まっている人もいます。

それぞれが様々な目的を持っていますが、志を持った人同士がお互いを高めあう場所になっています。

ーー具体的な学習の流れについて教えてください。

Tech0の資料より、スケジュールの一例。

学習はSTEP1、2、3と分けています。STEP1ではテクノロジー、プログラミングの基礎を学び、スキルを身につけます。STEP2ではグループを組み、自分の手で開発することを経験してもらいます。STEP3では実践力を磨くために、スクラム、アジャイルなどのチーム開発を伴うプロジェクトの経験をしてもらい、ビジネス的な観点も含めたノウハウを身につけてもらいます。STEP3が終わるころには自身で新規事業のモックアップを作成できるようになっています。

STEP1のプログラミング基礎でProgateを活用しています。最初の1ヶ月でPython、SQL、HTML&CSSを学習してもらい、大体1週間で自分の環境でVS Codeを使ってLPを作ってもらいます。Slackで質問できる環境と、oViceを活用してエンジニアにすぐ声をかけられる環境を用意しているので、みんな苦労しながらも作り上げることができていますね。

今後はモックアップを作りたい新規事業担当者と受講生を繋ぎ、新規事業のモックアップ作成のような実践が経験できるような+αの場も提供していきたいと考えています。

DXは手を動かさない企業は失敗する。成功するには、知識を得て手を動かして前進することが重要。


ーープログラミングなどのITスキルを身につけるリスキリング 、DXが盛り上がりを見せています。DX推進において、成功の秘訣と失敗する進め方について教えてください。

成功する企業は、強力なリーダーシップで進んでいます。概要を掴んでどんどん進めている企業は成功している印象です。逆に、手を動かさない企業は失敗しますね。ほとんどDXを理解していない人が「DXってデジタル活用でしょ、よろしくね」と同じく理解していない人に仕事をふる現場をよく見かけます。

たとえば、車の運転。アクセルを踏めば前進する、ブレーキを踏めば止まる、そういう知識はみんなが持っていますが、実際には運転しないとわからないことのほうが多いですよね。車の知識を持っていても運転できない。そんなことは皆わかっているのに、なぜかDXは浅い知識で本質を理解しないまま、手を動かしたこともない人が進めてしまっているんです。

デジタルで始まってデジタルで終わらせる、それがDXだと思うんですが、企業文化や企業体質まで落とし込めている企業は多くありません。木を見て森を見ない状況が生まれて、そのままとくに成果が得られず終わっています。成功するには、知識を得て手を動かして前進することが重要です。

ーー非エンジニアや、非IT企業がプログラミング学習を取り入れるメリットについて教えてください。

デジタル思考を身につけられて、デジタルファーストで進められるようになることは大きいですよね。手触り感のある人が掲げるビジョンや事業は、何も理解できていない人が進めるものとは全く異なってきます。

企業に関しては、なんでプログラミング学習を取り入れないんだろう?と思うくらいです。今の業態のままやっていけると思うならいいんですけど、変わらなくてはいけないと思うなら、学ぶべきだと思っています。DXを実現するためには、モノ思考からコト思考に変革して、さらにプロダクト思考を身につけていく必要がありますが、そのためにプログラミングや開発の知識を習得するべきだと思っています。

ーー非エンジニアの人たちにおける、ローコード開発も含めた市民開発が話題になってきていますが、どう思われますか?

個人的には、市民開発はどんどんやったほうがいいと思います。ここ数年でデジタルファーストが叫ばれていますが、ビジネスサイドで実際に手を動かしたことがある人は少ない。市民開発などを通して、エンジニアと共通言語を持ち合わせて、適切に技術を扱えるようになると良いなと思っています。

ローコードに関しては、コーディングができる人や理解している人が業務を効率化させるための手段だと思っています。コーディングという世界があって、その上にローコードというツールがあるだけなんです。ローコードを始めてからプログラミングを勉強してもいいけど、ローコードだけでなんとかなるとは思わずに、基本的なプログラミングスキルは絶対に身につけて欲しいですね。

出る杭が打たれずに出尽くせる環境を作る。Tech0の挑戦。


ーー今後のTech0の展望を教えてください。

大企業を中から変えたいと思っている熱意のある人や、テックリテラシーを身につけて活躍したいのにチャンスがなくて埋もれている人がたくさんいます。でも、古い慣習に囚われて、新しい提案や学習意欲にNoを突きつける企業が多い。その人たちを救えるような、挑戦できる道を作っていきたいですね。

テックリテラシーを身につけた人たちがビジネスを変革していく流れを作ることで、旧体質のビジネスから脱却をして、日本の大企業が再び競争力を持てるようにしていきたいと思っています。

僕個人として一番強く思っているのは、日本の経済を良くしていきたいということ。やはり日本の経済は日本の大企業が作っているんですよね。その大企業の姿勢を変えていって、少しでも上向きにしていきたいと思っています。

僕は出る杭として打たれた経験もあるし、引っ張ってもらった経験もあります。出る杭が打たれる現状を変えて、出る杭が出尽くせるように適切な場所を提供したい。Tech0はそんな人が挑戦と学習ができる場にしていきたいですね。

Tech0(https://tech0-jp.com/


濱田さん、ありがとうございました!

非エンジニアの会社員の皆さんがプロダクト開発を行なっている様子や成果を拝見して、今後ますますプログラミングスキルの重要性が上がっていくことを実感しました。

Progateはプログラミングで人生の可能性を広げられることを信じ、プログラミングを学ぶ全ての人を応援しています。




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