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「僕が作ったもので世界がどれだけ変わるか試したい」、高校生エンジニア x Progate 加藤が語る将来のビジョン

みなさんこんにちは!
Progate 広報担当のおおつぶらいです🍜

今日は2023年6月にProgate 累計ユーザー数300万人突破記念として実施した、「#コードで描きたい私の夢」キャンペーン当選者さまへの取材企画をお送りいたします🌟

第一弾となるのは、福岡県在住の高校生エンジニア 秋穂さん。
Progateのコアユーザーという彼が、憧れのProgate 加藤と対談し今後の夢を語り合いました。💭

ぜひご一読ください!



秋穂 正斗(あきほ まさと)さん

福岡県在住の高校3年生。
小学校5年生の頃からスクラッチを学び始め、中学校3年生の頃よりProgateなどで本格的なプログラミングを学ぶ。
現在は教育関係のプロダクトを個人で開発しており、自身が手がけたプロダクトである「視覚的に効率よくAIの仕組みを中学生からでも学習できるWebアプリ」は、「福岡未踏的人材発掘・育成コンソーシアム」第1期のProコースに採択された。

加藤 將倫(かとう まさのり)

株式会社Progate CEO
1993年愛知県生まれ。東京大学工学部中退。小学校と中学校をオーストラリアのパースで過ごす。
2014年7月、大学在学中にオンラインプログラミング学習サービスのProgateを創業。『Forbes 30 Under 30 ASIA 2018 (Forbesが選ぶアジアを代表する30才未満の30人)』に選出。

「基礎はProgateで固めた」、Progateと出会って開いた知識の扉

ー 秋穂さんは現在すでにエンジニアとして活躍されていますが、プログラミングはいつ頃から始めたんですか?

秋穂:
小学校5年生くらいでビジュアルプログラミング言語のスクラッチを始めました。
実は小中学生の頃に一度Pythonにも興味を持って学んでみようと思ったことがあったのですが、print関数や環境構築の時点でつまづき諦めてしまって…。中学3年生まではスクラッチ1本でプログラミングをしていました。

ただ、高校1年生になった時にスクラッチ1本ではエンジニアとして仕事に繋げていくことはなかなか難しいなと思って、技術的にもう一歩先に進みたいと思ったんです。その時に、以前Corder Dojo久留米に参加した時に紹介してもらったProgateのことを思い出しました。

それからProgateで勉強を始めたのですが、もう衝撃的でしたね。めちゃくちゃ分かりやすいんです。
あまりにもハマってしまって、当時は毎日10時間とか20時間とか1日中ずっとProgateをやっていました。デイリーランキングの1位を取ったこともあるんですよ!笑

その後、高校2年生くらいからは自分で個人開発を始めて、先日福岡未踏に採択された「視覚的に効率よくAIの仕組みを中学生からでも学習できるWebアプリ」などを一人で作っています。

加藤:
1日10〜20時間!!??
そんなにやりこんでもらえるのは、作り手としてすごく嬉しいです。

でも、Progateから現在行っているような個人開発にたどり着くまでには、技術的にも知識的にも少しギャップがあるように思います。これはProgateの課題でもあるのですが、そのあたりのギャップは感じませんでしたか?

秋穂:
僕はまずProgateでとにかく基礎を固めた後、それまで読めなかったネットの記事や書籍などの内容も理解できるようになったことに気づいたんです。

そこから、ネットで興味のある情報を取りに行ったり書籍を読んだりと、得られる知識や手段もどんどん増えていきました。Progateで基礎を固めたからこそ、あとは都度必要なことをインプットしていくだけ、みたいな感じでした。

加藤:
すごくいい話!
何かを学習する時に、「7割分かっているけど3割は分かっていない状態」で学ぶのがちょうどいいという話があって、まさにそのような状態だったのかなと思います。全く何も分からない状態で何かを学ぼうとしても、何も理解できないんですよね。

現在もProgateを受講していた頃のように、自分のプロダクト開発に没頭しているんですか?

秋穂:
はい!本当に楽しく開発させてもらっています!
福岡未踏に採択されたことで開発資金もいただけているので、サーバーなど開発に必要なものを用意したり、知識をインプットするための教材に使用したり…。
開発しながら色々なことを学べていて、すごく楽しいです。

自分がこんなにプログラミングに没頭できるということに気づかせてくれたのも、Progateがあったからこそだと思っています!

加藤:
めっちゃ嬉しいです!
こんなにファンでいてくれる人と出会えることは、サービスの作り手として一番の醍醐味ですね。

僕としても、「よりたくさんの人にProgateを使ってもらいたい」という思いと、「すごくコアに使っている人を生み出したい」という2つの想いがあるのですが、秋穂さんはまさに後者のコアユーザーなんだなと思います。

目指すはAI界のProgate、自身の学習体験とProgateがプロダクト開発のきっかけに

ー 秋穂さんが現在開発しているプロダクト「視覚的に効率よくAIの仕組みを中学生からでも学習できるWebアプリ」はProgateからも影響を受けているそうですね!

秋穂:
そうなんです。
プロダクトとしては、名前の通りAIの仕組みを学習するためのアプリケーションです。

AIを作るためには機械学習の前提として難しい数学的な技術や知識が使われているので、高校数学や大学数学などを理解できていない人からすると、その仕組みを学びたいと思ってもすごく敷居が高い分野なんですよね。

実際に僕もAIに興味を持ってから現在まで学習してくる中で、すごく苦労しています…。笑

そこで、自分と同じように小学生、中学生でAIに興味を持ったけれど数学的な前提知識がない子たちが、簡単にAIの仕組みや前提知識・周辺知識を学ぶことができるプロダクトを作ろうと思ったんです。

そのために僕のプロダクトでは、AIに関する数学的な知識をProgateのようにポップにビジュアライズ化して学習できる環境を作ろうとしています。例えば、ベクトルの概念を理解しようとした時に、教科書など紙面上で考えるよりも、三次元上にあるリアルタイムレンダリングのエリアでドラッグアンドドロップしてベクトルの向きを自由に変えてみるような学習体験の方が理解しやすいと思うんです。

このビジュアライズして学ぶ、という点はまさにProgateに影響を受けています。

プロダクトとしては「AI界のProgate」、個人的には「AI界の加藤さん」を目指しています!

加藤:
自分が苦労した学習を、もっとたくさんの人により分かりやすく学んで欲しいというところもProgateとのシンパシーを感じます。

秋穂:
学習には本当に苦労しました…。笑

僕はN高等学校という通信制の高校に通っていて、自分で授業を選択しない限り最低限の数学の授業しか出てこなかったんです。中学生の頃からずっとAIに興味はあったものの、「いつか数学を習ったらAIについてしっかり勉強しよう」と環境のせいにして長らく先延ばしにしていました。

でも、高校1年生の終わり頃に学習指導要領を見ていたら、行列とか偏微分とか全部高校では習わない範囲だったんです。それで、もう自分で勉強するしかないなと思って、Youtubeなどを活用しながらがむしゃらに勉強を始めたのですが、学習を進める中で誤差逆伝播法という一つの概念を理解するのに半年以上つまづいてしまったこともあって…。

僕一人が学ぶために半年以上かかったことを他の人が学ぼうとした時にまた半年やそれ以上の期間がかかってしまったら、車輪の再発明よりもよくないことだと感じています。

なので、僕が学んだ知識をウェブサイトやプロダクトに投影することで、これから学ぶ人たちがすぐに知識を得ることができる環境を作りたい。そして、数学に興味のない人や世界中の人にも使ってもらえるような、AI学習のスタンダードを作りたいと思っています。最終的には学校などの教育研究機関でも使ってもらえるような、より専門的なものや開発者向けのプロダクトも提供できたらいいな、とも考えています。

加藤:
秋穂さんのプロダクト、僕も使ってみたいです。
リリースしたらぜひ触らせてください!

起業に必要なものってなんだろう?進路とプロダクト開発、葛藤の選択肢

ー すでにエンジニアとして活躍している秋穂さんは現在高校3年生。今後はどのような進路を考えているのでしょうか?

秋穂:
現在は高専への進学を目指しています。4年次編入ではなく、また1から1年生としての入学です。

理由は大きく2つあって、1つは数学を本格的に学びたいというところです。
僕は高校2年生から本格的に数学を学び始めたのですが、これまでに学んできた知識はどれもAIに特化した数学です。現状は知識に偏りがあるので、基礎をしっかり固めて視野を広げていきたいと思っています。

2つ目はレベルの高い仲間がたくさんいるということです。

高専に入学する人ってすごく優秀な方が多いので、自分にとってすごく刺激の多い環境だと思っています。高校3年間がほとんどオンライン学習で人との関わりが少なかったので、これまでに作ることができなかった友人関係や人脈なども作っていきたいです。

加藤:
すごくいいと思います。けど、起業しようとかは考えなかったんですか?

秋穂:
起業したいな、という気持ちもあるのですが今のところは最終目標です。

起業はしたいけど仕事もしないといけないという気持ちもあるので、本業の仕事はしつつ副業的に自分のプロダクト開発を継続して、たくさんの人に使ってもらえるようになったら自分のプロダクト1本を仕事にする、っていうのはできるのかなと思っています。

ただ、やっぱり自分が作りたいものを作ることに没頭したい、という気持ちは強いです。

加藤:
ここまで話を聞いていて、もう近いうちに起業するのかな?というくらいのアイデアと勢いだったので、個人的には「起業してみたらいいじゃん!」と思ってしまいました。笑

秋穂:
実際に起業している方からの「起業してみたらいいじゃん!」はちょっと重みが違いますね…。笑

起業ってすごく優秀な人とか、お金の動きに精通した人じゃないと無理なことだと思っていました。今の一言は自分の中にあった壁を一瞬で壊されたような気持ちです…!

加藤:
優秀な人しか起業できない、ということは全くないと思います。

僕が起業した時も21歳の頃で、なにかのスペシャリストでもないただの大学生でした。

起業ができるようになるための準備を100%の状態にしてから起業しよう、と考えていても、準備が完璧に整うことってまずないし、いつか整うとしてもすごく遠くなってしまうんですよ。だったらもうやってみた上で、起業したらしたでその後はなんとか成功できるようにがむしゃらに頑張っていくしかないのかなと。

しかも、起業に必要な知識や考え方を身につけるには、実際に起業してみることが一番手っ取り早いと思っています。

その反面、今になってからもっとインプットのために時間を使いたい、使っていたらよかったな、と思うこともあるので難しいですけどね。笑

秋穂:
これまで起業家の方と話したことがなかったので、目から鱗の感覚です。

加藤:
僕も早いうちに起業したり自分のプロダクトを作ったりしていたおかげで、色々な面白い人たちに会う機会をいただく機会が増えて、日々視野や世界が広がっていきました。

「東大のいち学生です」というステータスの時と、「起業してこういうプロダクトを作っています」というステータスの時を比べると、立場や周囲からの見られ方が全く異なるんです。

Progateを作って起業してからは、有名な起業家さんや投資家さん、ビジネスパーソンなど、ただの大学生の時には考えられなかったような色々な面白い方との繋がりも努力次第で構築することができました。

秋穂さんもせっかくいいプロダクトを開発しているので、これからどんどん外に出て色々な人と会って色々な世界を見て、自分の視野や選択肢を広げて欲しいなと思います!

「自分のプロダクトで世界が変わるかもしれない」、2人のエンジニアが語る将来のビジョン

ー 今日はProgate創業者 加藤とProgateに大きな影響を受けてきた高校生エンジニアの秋穂さんの対談ということで色々お話をしてきました。2人とも技術分野の教育プロダクトを作っている立場ですが、今後の夢や展望などはありますか?

加藤:
秋穂さんにはぜひProgateでコンテンツやプロダクトを作って欲しいなと思うくらい、すごくいいプロダクトを作っていると感じました!

Progateの中でなくてもよいので、もし将来起業することがあれば協業したりProgateから投資したり…。そういった展望は近い将来、あり得る話だと思っています。

会社のビジョンでもあるのですが、Progateを通じた僕の夢として「ひとりでも多くの創れる人を生み出す」ということを描いています。秋穂さんは「Progateで創れる人になった」というまさに僕のビジョンのど真ん中を進んでくれているユーザーさんです。

将来的な大きな夢の話をすると、秋穂さんのようにコアにProgateを使ってくれている人がProgateを卒業した後に起業した時に、今度はProgateが投資などで支援をしたいなと考えています。すると、その人たちがまた新たな価値を生み出すサポートに繋がると思うんです。そういった価値を生み出すサイクルを作っていきたいと考えています。

将来、Progateの卒業生たちに「Progateに支援して欲しい!」と思ってもらう、そして自信を持って支援するためにも、Progate自身も常に成長していかないといけないですね。

秋穂:
今加藤さんが話していたことにも通ずるところがあると思うのですが、「価値がどれだけ提供されたかの差分」というところは僕も考えているところだったので、すごく共感しました。

例えば、ChatGPTも学習させるためには莫大なコストがかかります。

でも、もし僕が作った学習ツールでAIについて効率よく理解を深めてくれた人が新しいアルゴリズムを発明したら、その分AI開発にかかる時間が減ってよりよい学習方法の提案や技術の進歩などがたくさん世の中に出てくるかもしれない。そういった差分を生み出したいんです。

僕がやったことで世界がどれだけ変わるのか、僕が作ったもので技術や世界がこんなに先に進んだよね、といえるようなことを生み出していきたいです。

それこそ、僕にとってのProgateはまさに世界を変えてくれたものです。Progateがなければ、きっと僕は今のプロダクトを作っていなかったと思うし、未踏福岡のプログラムに採択されることもなかったと思います。

加藤:
すごく嬉しいです。

僕も生成AI系の話題は気になりつつもあまりキャッチアップしてこれなかったので、秋穂さんのプロダクトが完成したらぜひ学ばせてほしいなと思います。お互いに価値を与え合っていけたら、もっといいものができるかもしれないですね!

秋穂:
僕がProgateでたくさん学ばせてもらった分を、自分が作ったプロダクトで加藤さんにお返しする、と考えるとすごく夢とロマンのある話ですね!

僕が作っているAI学習のプロダクトでは、コアとなるエンジンが分離可能なプログラムとなっています。将来的にそのエンジンをProgateの解説部分や、にんじゃわんこのアニメーションなどにも応用できたら、Progateをより強いプロダクトにするお手伝いができるかもしれないなと考えています。プログラムしたものが実際に動いたり、にんじゃわんこがぴょんぴょん動いたり!

加藤:
そのアイデア、すごくおもしろいですね!

今日話をしていて、記事には収まりきらないほどの熱量を感じました。
今後もプロダクト開発の進捗など、ぜひ教えてください。たくさん可能性があると思うので、ぜひこれから一緒におもしろいものを作っていきましょう!


今回は、高校生エンジニア 秋穂さんとProgate代表 加藤の対談をお送りいたしました。

Progateはこれからも、プログラミングを通じてより多くの人の可能性を広げられるよう、邁進していきます🌟

次回の取材企画もぜひお楽しみに!😉


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