【貯蓄型は不幸になる仕組みを解説】【DIE WITH ZERO】ゼロで死ね [著]ビル・バーキンス【本要約】
なかなか衝撃的なタイトルですよね。
読めば分かりますが、決してタイトル負けはしていません笑。
何故こんなに働いているのか?
必死で働き、お金を稼いだ先に何が待っているのか?
そんな疑問に答えてくれる一冊です。
人生が豊かになりすぎる究極のルール
突然ですが、あなたはなぜお金を貯めているのでしょうか?
”将来のため”という返答が大多数だと思います。
将来何が起こるか分からないから出来るだけ多くの貯金をしておこう。
その為に今、節約生活をしているんだ。
・・・と。
特にそれが悪いとは思いませんし、むしろ自然な行動原理だと思います。
ですが、その考え方で貯金をしていったとしても、残念ながら一番金持ちになった時が死ぬ時でしょう。
資産を増やすのを目的として頑張って節約をして生活していったとしても、使うことなく死んでしまっては本末転倒。
人生という制限時間内にお金は出来る限り使いきってしまいましょう。
今しかできないことにお金を使う
金額が高くて諦めてしまっている事は誰にでもあると思います。
年齢が若い頃に得た経験は、何十年も記憶に残り、その知識と経験がその後の人生に大きな変化をもたらす事になるからです。
将来の為に節約をして、同じことを繰り返すだけの変化に乏しい生活を若い内からしているだけでは、新しい発想やチャレンジ意欲も湧かなくなっていく事が多いからです。
「お金が貯まってからでもやりたい事は出来るじゃないか」
と思われる人も多いと思いますが、10年後20年後に今と同じ事をしたいと思っているとは限らないし、体力が落ちてやる気も起きなくなっているかもしれない。
もしかしたら、やりたかったそのもの自体が消滅しているかもしれないのです。
だから、先送りにせず、やりたいと思い立ったその時にやるからこそ価値があると言えるでしょう。
お金の価値は加齢とともに低下する
若い年齢の100万円と60代の100万円では、お金の価値が変わります。
自分の話になりますが、10代~20代の頃は色んな事に興味津々で、好奇心も旺盛だった事もあり、稼いだお金は全てCD、ゲーム、パソコン、車、マンガ、小説、服、交際費etc・・・湯水のごとく使い切っていました。
30代になり、稼ぐ金額は増えたものの、使い道はどんどんなくなっていきました。
性格によるかもしれませんが、多少高額でも長く使えるものを購入するようになり、生活に不必要な余計なモノも購入しなくなっていきました。
これは経験上、実際にそうだったのですが、若い頃にしたいと思っていた事が、年齢を重ねるにつれてしたいと思わくなった事も結構あります。
忘れているだけかもしれませんが、忘れているという事はその程度の事だったという事でしょう。
今思い返せば、やりたいと思っていた時に、やれたのであればやっておけば良かったと、後悔が無いと言えば噓になりますね。
お金を余らせても仕方がないと、今更ながらに思い知らされたので・・・
人生とは経験の合計である
自分が何者であるかというのは、毎日、毎週、毎月、毎年、経験したものの合計によって決まるようです。
死の間際、自分の人生を振り返った時、今までの合計の経験の豊かさがどれだけ充実した人生だったかを測る物差しになるんだとか。
衰弱して死を迎える時、人生の最後に残るのは「お金」ではなく「思い出」であると。
実際に、この本の著者の父親は、晩年肉体的に衰弱し、旅行にも行けない状態になってしまっており、思い出の映像が詰まったiPadを父親に渡し、新たな経験をする事が困難となった父の喜びは、過去に経験をした思い出に浸る事だったといいます。
若い頃の経験は、その瞬間だけでなく、その先の人生が長い程、何度もその経験を思い出す事が出来る記憶になります。
逆に言うと、経験が浅ければ、ただ歳をとっただけの人になってしまうということです。
・・・チッ、つまんねぇ人生だったぜ・・・
私たちは死ぬまでお金を貯め続ける
経験の価値を信じずに仕事だけをしてお金を貯め続ける人は、お金を使う事を極端に嫌う傾向にあります。
お金をせっせと稼ぐ事だけに費やした年月は二度と戻ってきません。
特に、大事にコツコツと貯めたお金というのは、生きている間に使い切る事は難しいようです。
アメリカの統計では、70歳の時に貯金額が一番大きくなることが分かっているそうです。
お金を貯め続けたまま亡くなる率は非常に高いんだとか。
そうは言っても、大多数の人々は、貯金する考え方を今すぐ変えるのは難しいので、「どこかのタイミングで意識的にお金を減らしていけ」と、著者は言っています。
そうでもしなければ、お金を貯め続ける呪縛からは逃れられません。
とはいえ、なんでもかんでも経験にお金を使いまくれと言っているわけではありません。
「みんなあまりにも今の喜びを先送りにして、お金を貯める事に夢中になり過ぎているから、どうせお金を死ぬまでに使い切れないのであれば、人生を豊かにする上で、思い出になるような経験に少しづつお金を使っていこう」
と著者は推奨しています。
もちろん、仕事が生き甲斐の人もいるでしょうが、どんな人でも仕事をしていない時間はあるので、その時間を有効に使ってお金を消費するべきと言っています。
寿命を予測する
死ぬまでにお金を使い切った方がよいということは理解できたと思いますが、いつ寿命が尽きるのかは個人差があり、お金をピッタリ使い切ってご臨終なんてことは不可能に近いですよね。
ざっくりと最大まで生きると仮定して計算しながらお金を減らしていけばよいと言っています。
日本人なら90歳くらいか、分かりやすく100歳でもよいでしょう。
その年齢を前提として1年あたりの使う金額を計算しておけば、万が一の時にすっからかんということはなくなるハズです。
貯金がある程度貯まっていることが前提の話になりますが、そうすれば将来の不安もなくなる事でしょう。
日常的に喫煙や飲酒をするかしないかでも寿命は変わってくるかと思いますが、自分があとどれくらい生きるのかと真面目に考える事は非常に重要で価値があると思います。
自分の寿命をある程度知っておくことで、物事を先送りにするようなことにも気づき、やりたい事ややるべき事をどんどん消化していくことが出来るでしょう。
また、お金をケチってやらないでいることが馬鹿らしくも感じることに気付けることでしょう。
健康は金より重い
「健康」と「お金」どちらが大切かと言えば、間違いなく前者でしょう。
体が衰弱し、自力では何も出来ないずにベッドで寝たきり状態になってしまっては、お金がいくらあっても残された人生でお金を使って出来る事なんて何もないでしょう。
日常の生活の中で感じる事は少ないが、間違いなく人間の体は衰えていっている。
普段の生活で衰えていっている実感がないから「健康」より「お金」の方が大切だと思い込んでしまい、残業代を稼ごうと無理して体を酷使してしまい、健康を失って初めて後悔することになります。
お金が少なくとも、健康であれば、様々な経験をする事が可能です。
恋愛も出来るし、バックパッカーとして旅も出来る。
そのため、若い頃から健康管理は徹底すべきであると推奨しています。
「人生を最大限楽しく生きるためにいい経験を積む」
これが著者の一番伝えたい事であり、それを成し遂げる為には健康が必要不可欠であるということです。
特に太りすぎには注意が必要であり、重たい体重を支えている膝は、時間の経過とともに軟骨がすり減り、痛みと共に長時間歩く事が出来なくなる。
その結果、運動不足になり、さらに体重も増え続け、病気も増えていく事になる。
そうなると病気の治療や延命のためにお金を使う事になってしまう。
そうならない為にも、若い頃から健康に投資はしておくべきです。
食生活に気を付け、最低限の筋肉を付けておけば、より多くの経験を愉しむことが出来るでしょう。
人生最大の後悔
介護スタッフとして数多くの患者を看取ってきた人物の話によると、余命数週間の患者達に人生で後悔していることについて聞いていたという。
その中で最も多く耳にしたのが、「勇気を出してもっと自分に忠実に生きればよかった」というものだった。
他人へのためではなく、また、人目を気にせず、自分のやりたい事をやればよかったということです。
世間一般では、周囲の目や意見に流されて自分に忠実に生きられない事が多いのです。
やらないで後悔するより、やりたい事があるのであれば、多少お金がかかろうが、他人にとやかく言われようが、やるべきなのです。
たとえば、よくあるのが、転職や独立しようと会社を辞めようか同僚に相談した時、「どうせうまくいかないだろう」「失敗したらどうするんだ」「せっかくの安定を捨てるなんてバカのする事だ」・・・
本当にやりたい事があるのであれば無視するべきなのです。
そして、次に多かったのが、「働き過ぎなければよかった」です。
働き過ぎたことを後悔する人は多いようです。
逆に、子育てをして後悔する人はいなかったそうです。
つまり、働き過ぎて仕事に時間を費やした結果、子供やパートナーと一緒に居られる時間を削ってしまったことを後悔しているという事です。
・・・たくさん働いたからといって、特に何も残らないみたいですね。
子供が小さい頃にできるだけ一緒に過ごすのはその時にしかできない貴重な経験という事になりますね。
45歳くらいから資産を取り崩し始める
それでは、まとめに入っていきます。
若いうちは、多少無理してでも今しか出来ない経験にお金を投資し、そこで得た知識や貴重な経験がその後の人生で長く役立つことになるでしょう。
経験するなら若い年齢の時ほど有利であるということです。
働きながら残りの寿命や人生にかかる費用を計算し、人生でやりたい事をピックアップしておく。
働きながら残りの人生分のお金が貯蓄できた段階で、稼いでる以上のお金を使い始めなければ資産が減っていかない。
この著者によれば、45歳~60歳の間で積極的に資産を使っていくべきだと言っています。
60歳を過ぎてから貯蓄しておいたお金を使い始めても、ほとんどの場合はお金を使い切ることが出来なかったといいます。
お金を貯めておかないと老後が不安なのは分かりますが、老後は、お金を使う機会は激減していきます。
実際、日本でも高齢者はお金を使わないので社会問題にもなっている。
考え方も多様化しており、病気を患って延命するくらいなら安楽死を願う層も増えてきていると聞きます。
だから、老後のためにたくさん貯蓄するのではなく、健康管理をしっかりしつつ、お金をもっと早い段階から使い始めるべきであると。
そして、人生やりきったと思えた瞬間、お金を使い果たしているのが理想であり、お金はその為に存在しているのであると。
最後に
初版は2020年9月で、自分が読んだのはちょうど1年前くらいだったと記憶しています。
ぶっちゃけ、既にセミリタイアしている時だったのもあって、個人的には
「今更読んでもねぇ・・・」っていう感想しかなかったのですが、ベストセラーになっていて良書なので要約してみました。
正直、10代の頃に読んでおきたい本ではあったけど、この本に書かれているように、若い世代でやりたい事はほぼほぼやり尽くしている感もあり、本当に歳を重ねるごとにお金の使い道ややりたい事がなくなる実感を強く抱いています。
1日かけてこの記事を書いて、何か意味があったのか、この経験が何に繋がるのかは神のみぞ知るところですが、たまたまこの記事を読んだ人がいたら、何かのキッカケになればこれ幸いかと。
これだけ書いて約5,000文字・・・本の引用とはいえ、記事書くのシンドイですわ。
自分からはこの言葉をお届けします。
お金は墓場に持っていけない。
では、さいなら。
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