恋の不時着(仮)①
初めて出会ってから、もう15年の月日が経過している。
彼女と僕は出会った頃から考えも環境は違った。そんな彼女とは会うたびに心臓の鼓動が早くなるのだ。毎回が初デートのような感覚。
本当に会ってはいけないような気がしてならない。今のどうしよもない僕と当時掲げていた目標を何一つ達成出来ていないし、昔の僕を知っている彼女を失望させてしまいそうで心配だった。
彼女が何をしているかは10年前で止まっていて、大手の銀行員を勤めているらしい。
予備校時代の頃に付き合ってた頃から背が高くて美しくて知的な要素を持ち合わせていた。
初めて出会ったのは、映画みたいで皆に信じて貰えないが、時間と彼女が座っている席まで今でも覚えている。
高校の時に部活しかやっていなかった僕は、入れる大学は偏差値が50を切っている大学しかなかった。
高校を卒業しても特に僕はやりたい事もなかったので、親に泣く泣く予備校に行かせてくれと頼んだ。
高校は北海道の田舎の高校だったので、北海道で1番都会の札幌の予備校に通う事になった。
勉強は好きじゃなかったけど、1年あれば何とかなると思っていた。
親父が一人暮らしでは遊ぶとの事で、寮に入れられた。
僕の高校からは一人しか同じ予備校に行かないために、行っては初めましての人が多く。友達が出来るか不安だったが、そんな不安よりも勉強について行ける不安が多かった。
目標としてはMARCH(明治、青山、立教、中央、法政)らへんの大学に入る事が目標だったが、昨年の試験では合格の点数にはほど遠かった。
実際、模擬で判定という物が出るが判定はDだった。判定はA~Eであるが下から二番目なので、ほとんど合格する見込みなどある訳もなく、落ちたのだ。
学校の成績は学校では280中、30番くらいだった。
高校の偏差値が50ちょいなので、大学進学する人もほとんどいなかった。
専門学校や就職が多く、その次に大学進学だった。
高校の時はバスケ部だった。
北海道大会は行ったが全国大会には程遠かった。僕自身もスタメンだったがバスケで飯を食える程でもないし、推薦も来なかった。当然の事だ。
高校の時に2年の時から付き合っていた彼女が居たが、土日に映画とか飯に行ったりするだけで、まあ普通のデートをしてセックスなど高校生がする事を終わらせて、卒業と同時に別れた。
そして、予備校に入りテキストが配られ、テキストの内容を確かめる為に予備校にあった自習室に入った。
自習室は一つ一つしきりが区切られていて、シャープペンシルの音がコツコツと音を立て、テキスト等がめくる音以外は聞こえなかった。
そして、座る席は自習室を使う際に、予備校のカードを見せてから係の人に番号を貰ってから座るのだ。
初めての経験に戸惑いながら、席を探すと窓側には黒髪の長い綺麗な女性が座っていた。
緊張しながら、僕は椅子の引く音がしないように静かに腰を下ろした。
介護を本気で変えたいので、色々な人や施設にインタビューをしていきたいので宜しくお願いします。