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大学生のための勉強方法②―レポートの書き方

 この記事では大学生のための勉強方法を説明します。初夏となり、レポートの季節になりました。今日は、レポートの書き方を教えます。

コツ① 主題(テーマ)を設定する。

 レポートでは、〇〇について論じなさい(自分の意見を述べなさい)という指示が出ることが多いです。そして、主題も自分で設定しなさいということがあると思います。
 たとえば、「学校教育の課題について自分なりに論じなさい」というレポート課題だったとします。そのまま「学校教育の課題」というテーマにする方法もありますが、「不登校に見る学校教育の課題」とか「不登校に見る学校教育の課題と解決策―統計的推移と適応指導教室の検討を通して―」のように、フォーカスを置く方が良いと思います(自分でテーマを工夫できる場合)。

コツ② 冒頭では、目的または問いをはっきりさせる

 論文(レポート)は、「序論(目的、問い)」「本論」「結論」から成り立っています。これは、英語では、introduction, body, conclusionと表現されています。序論では、目的や問いを明示しましょう。例えば、「本レポートでは、不登校問題が統計的にどのように推移し、どのような対応策が立てられているのかを明らかにし、今後の展望を考察することを目的とする」のようにしましょう。または、「どのように不登校の問題が推移し、どのように解決が図られようとしてきたのか」のように疑問形の問い(how, why…等の問い)を立てる方法もあります。このやり方は、リサーチクエスチョン(research question)を設定する方法になります。

コツ③ 「本論」では、キーセンテンスとサポーティブセンテンスに留意する

 本論では、「背景」「事実(史実の場合もある)」「データ」「実践例」「実態」を入れ込みながら、自分の論を展開しましょう。例えば、「不登校の人数は横ばいで推移してきたが、近年上昇している。具体的には、文部科学省(20XX)のデータによると…」のように書きましょう。キーセンテンスは、「不登校の人数の推移」、サポーティブセンテンス(実際にはセンテンシズー複数形なので)はデータの記述です。データの部分は適宜図表を入れてもよいと思います。
 データではなく、実践例を書くこともあり得ます。例えば、「適応指導教室では、不登校児童生徒への実践がなされてきた(キーセンテンス)。△△市教育委員会(20XX)の文献によると実践例は次の通りである。第一に、〇〇〇という実践があった。これは…という成果をあげた。第二に…(サポーティブセンテンス)。」と書きましょう。必要に応じて、まとめの文章として「このように、一定の成果をあげてきたが、〇〇のような課題も残されている。」のような内容を書き加えてもかまいません。

コツ④ 結論

 結論では、冒頭に述べた目的や問いへの結論(応答)を述べてください。心配な人は、「本レポートでは…を考察することを目的とした。この目的に対する結論は次の通りである…」と書きましょう。
 これは、論文(レポート)は、エッセイとは異なり、冒頭で述べた問い(リサーチクエスチョン)への応答を結語で行うルールになっているからです。

コツ⑤ 参考文献、引用

 レポートの最後には、参考文献を掲載してください。使用した順ではなく、五十音順またはabc順に記載しましょう。
 また、本文中で、引用した場合は、「    」(文部科学省20XX, p.〇〇)のように出典を記載する必要があります。参照の場合は、・・・・・・・(〇〇県教育委員会20XX)。でよいと思います。このように、本文中で、(カッコ)内で記載した出典は、巻末の参考文献に列記されることになります。

おわりに

 いかがでしたか。レポートは大変だと思いますが、一つ一つに力を入れることによって確実に力が付く仕組みになっています。がんばってください。なお、細かい点の指示は、担当教員によって異なりますので、この記事だけに依拠せず、授業中の指示に必ず従いましょう。
 「文章力を身につけたいがどうすればよいかわからない」という声をよくききます。文章力を高めるためには、「①優れた文章(論文)をよく読むこと、②その良い部分を自分なりに取り入れてみること(学ぶこと)」が必要です。②は文章のアウトプットになります。レポートはアウトプットの良い機会です。さらに、「③よく推敲(リライト)すること」が必要です。自分で書いた文章を自分で検討(添削)することが上達への近道です。
 次は卒業論文の書き方について説明したいと思います。


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