「相談に行く前って何か準備が必要なの?」カウンセラーが教える最終結論
利用者の方から、サービス利用にあたって何か事前に準備することはあるのかという質問を受けました。そこで、今回は、Ami弁(弁護士)がカウンセリングを受けた時にどのような準備をしたのか、受けた後にどのような準備をすれば良かったのか、といった感想を踏まえて、今回サービス体験を実際に担当する臨床心理士・公認心理師(以下「カウンセラー」といいます。)の方から、事前にどんな準備をするのがよいかというお話をいたします!
時間がない方は「3.カウンセリングに準備は必要?」だけでもお読みください!
1. カウンセリングを受ける前に準備したこと
Ami弁がカウンセリングを受ける前にどんな準備をしたでしょうか。実は、大した準備はしていません(笑)。というのも、Ami弁は、何を準備すればいいのか分かりませんでした。とはいえ、何も準備しないと話せないかもしれない。。。と思い、念のために自分がカウンセラーさんに相談する悩み・目的を簡単にまとめました。
もちろんカウンセリングで何を聞かれるのか、どのような方向で進めていくのかは全くわからなかったので、何を話せばいいのかを自分なりに考え、以下のポイントに絞ってまとめてみました。
① 自分の悩みが職場の人間関係であること
② コミュニケーションがうまくいっていないことが原因かもしれないこと
③ 自分なりにコミュニケーションを工夫してもうまくいかないこと
また、目的については以下のポイントを考えていました。
① カウンセラーさんから人間関係の構築のヒントを得たいこと
要するに、自分の悩み事について議論するにあたって、最低限必要かなと思う部分を非常に簡潔にまとめていたというだけです。ちなみに、別に紙に書いたりしてわけでもなく、事前にカウンセラーさんにお伝えする必要があったわけでもありません。
2.カウンセリング後から見て準備は必要だったか?
結論として、必要ではないけど、Ami弁としては準備した方が話しやすいと思いました。
基本的に、カウンセラーさんの質問に回答していく形で、話が進んでいくので、事前に悩みを整理したり、カウンセリングの目的を自分で考えなくても、カウンセリングは進みます。そのため、何も準備せずにカウンセラーさん任せでカウンセリングに臨むことで問題は何もありませんでした。
ただ、事前に悩みを整理することや目的を決めておくことで、カウンセリングの効果が高くなったんじゃないかなと思いました。悩みを整理していたことで、悩みの大枠をスムーズにお伝えでき、カウンセラーさんがアドバイスや悩みの整理をするにあたって必要な情報を聞く時間を節約することができたと思います。そのため、一回一回のカウンセリングの時間を有効活用できましたし、必要な情報が多く集まることでアドバイスなどが具体的でAmi弁個人にあった形になっていたように思います。
また、目的を整理したことで、「自分の悩みはどうすれば解決できるのか」という意識を持ってカウンセリングに望むことができました。そのため、 カウンセラーさんにとっては「どのようなアドバイスが欲しいのか」、「今後どうすればいいのか」という希望や要望を伝えやすくなるので、自分の悩みの解決が早くなってくるんじゃないかなと思いました。
以上がカウンセリング前後においての準備についての親方の考えです。
以下では、Amiの心理職(以下「Ami心」)から、カウンセリングのための準備について説明します。
3.カウンセリングに準備は必要?
ここからはAmi心がバトンを受け取ります。
カウンセリングの前に準備をした方がいいことについて、ですが、ぶっちゃけ特に準備は必要ありません(笑)。
って、それだけでは、不親切ですよね。
まず、カウンセラーは、話を聴くプロフェッショナルなので、特にまとまっていない中で来談されても、あなたが話しやすいように質問をしながら聴いてくれる人が多いのではないかと思います。
そして、どんな話をしようかまとまらない中で、お越しになる方も決して少なくありませんので、まとまらない中での来談でも問題はありません。
先日の記事でも触れていましたが、カウンセラーからは「お好きなところからお話ください」と言われることもあるかもしれませんので、そう言われた場合に、なんて応えるかを考えておくのは一つかもしれません。
カウンセラーは、「今日はどんなご相談ですか?」などと、水をむけてくれることが多いと思うので、以下のようなことを考えてから来談されると、ご自身が話漏れがないと思えるかもしれませんね。
・今、悩んでいること
・その悩みはいつ頃から続いているのか
・その悩みの心当たりはあるか
・その悩みについて、今までどんな風に対処してきたのか
・その悩みについて、今回カウンセリングを受けてみようと思った理由
・その悩みがどうなっていったらいいと考えているか
・その悩みを、誰かに話を聞いて欲しい・吐き出したい気持ちが強いのか、それとも、具体的な解決やアドバイスが欲しいのか
・その悩みについて、カウンセラーに聞きたいこと
※お話されたいことは、自分自身の「悩み」に限りません。自己理解や自分自身の成長のためのヒント、周囲の人のメンタルヘルスについてなど、幅広くご相談いただくことが可能です。
もちろん、これを考えてもわからないから困っているんだという方もいると思うので、すべてを明確に答えられるようにしておく必要はありません。
また、自分の中でこの辺りを考えすぎてしまうと、かえって自分の中でその考えが強固になってしまうこともあるかもしれませんので、この辺りの話を当日一緒に考えてみるのも一つだと思います。
中には、こうした悩みを紙に書き出して持参してお話をされる方もいます。話漏れてしまった後に、「あー、これも話しておきたかった……」と後悔することありますものね。私もよく研修の時にカンペを用意したりします。
なので、自分が話したいことはなんだろうなと考えながら、こうしたメモをご用意されるのも有効かもしれません。
ちなみに、中にはこうやってメモをまとめていたら、自分の中で整理がされて活路が見えたことで、相談をキャンセルされた方もいらっしゃいます。
いずれにしても、こうやって振り返る作業自体が結構エネルギーを必要とするものなので、あまり疲れすぎない程度に可能な範囲で取り組んでみると良いと思います。
あとは、余談ですが、心療内科や精神科に通院されている方は、主治医にカウンセリングを受けても問題ないかということをご相談しておいていただけると助かります。診断されている状態によっては、カウンセリングが負担になってしまったり、状態を悪化させてしまうこともあるので、主治医がいる場合は確認していただければと思います。
特に、公認心理師の場合は、相談内容に関連した主治医がいる場合には、その指示を受けることが義務となっておりますので、ご協力をいただけるとありがたいです。診断書や情報提供書などがある場合は、参考にさせていただきます。
また、薬を処方されている場合は、処方されている薬が分かるものをご持参いただくと助かります。
4.Ami弁の準備は良いの?悪いの?
さて、Ami心からAmi弁さんの感想にコメントをつけてみたいと思います(ドキドキ)。
まずですね、前回までの記事を見ていても思うことですが、Ami弁さんはカウンセリング初心者のように書いていますけど、これだけ自分が受けた経験を記録(客観化してアウトプットする)できているのってすごいことですよ。
この記事を読んでくださっている方、同じようにやれるのが普通みたいに思いすぎないでくださいね。
Ami弁さんは、自分自身のことを振り返って、言語化していく力が結構あると思うんですよね。
自分の経験をまず自分のこととして受け止めつつ、記事にできるように言語化できていることで、内省する力が高い人だと感じます。
要するに、自分の悩み事について議論するにあたって、最低限必要かなと思う部分を非常に簡潔にまとめていたというだけです。ちなみに、別に紙に書いたりしたわけでもなく、事前にカウンセラーさんにお伝えする必要があったわけでもありません(Ami弁)
このくらいの準備でも、もちろん大丈夫です。
ただ、ご自身の性格が心配しがちだったり、事前に準備をしておくことが安心感に繋がりそうな方は、多くてもA4一枚程度にまとめて持参してみるのも良いかと思います。A4で一枚としたのは、こういうのはたくさん書こうとと思えば書けてしまいます。際限なく書き表そうとすると、かえって、想いが溢れ出てきてしまって、だんだん書いている中で辛くなってしまう人もいるので、ある程度区切ってまとめてみようとするのはありかなと思います。
まとまらなかったら、それはそれで問題ありませんし、まとめられなかったことをぜひカウンセラーに話してみてください。そのまとまらなさがあなたのしんどさに関係しているかもしれませんし、そういう経験を話し合うこともカウンセリングの醍醐味かなと思います。
基本的に、カウンセラーさんの質問に回答していく形で、話が進んでいくので、事前に悩みを整理したり、カウンセリングの目的を自分で考えなくても、カウンセリングは進みます。そのため、何も準備せずにカウンセラーさん任せでカウンセリングに臨むことで問題は何もありませんでした(Ami弁)
まさにこのスピリッツですね。
目的を整理したことで、相談者から自分の悩みはどうすれば解決できるのかという意識を持ってカウンセリングに望むことができるので、 カウンセラーさんにどのようなアドバイスが欲しいのか、今後どうすればいいのか、という希望や要望を伝えやすくなるので、自分の悩みの解決が早くなってくるんじゃないかなと思いました(Ami弁)
さらっと書いていますけど、予め整理をすることができないからこそ、しんどい状況の方もいらっしゃいます。なので、整理ができなかったとしたら、その「整理されなかったこと」をぜひ相談にあげてみてください。そのことを一緒にカウンセラーと読み解いてみるのも大事な作業かなと思います。
結論としては、以下としてまとめてみます。
・準備がなくても当日カウンセラーに会えれば、相談は開始できる
・できる範囲で話したいことを整理しておけると、有効に時間を活用できる可能性が高くなるかも
・自分が相談したいことを、整理するのは結構大変であること、だからこそ、カウンセラーが一緒に話を聞く中で、壁打ちしているような感じで、自分の中の考えの整理が加速する場合もある
5.おわりに
カウンセリングを受けるための準備について、カウンセリングを受けた人とカウンセラーの2つの観点から説明してみましたが、いかがだったでしょうか?
本記事を読んで、皆さんのカウンセリングへのハードルが少しでも下がると嬉しいです!
Amiでは、弁護士の皆様のストレスケア・メンタルケアのサービスを提供しています。今回の記事のテーマであるストレスコーピングやアンガーマネジメントのスキルを習得するプログラムも用意しております。弁護士が運営し、経験豊かな臨床心理士・公認心理師とがサービスを提供いたしますので、ストレスやメンタルでお困りの先生方がもしいらっしゃいましたら、当社のサービスを是非ご体験ください!