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心理士さんから弁護士は何を学べるのか聞いてみたー依頼者対応・ボス弁との付き合い方ー

今回は「会議をそのまま記事にしてみました!!」企画の第2回です。
あえて会話内容をそのままにしているので、どんなメンバーがいて、どんな話をしているのかをなんとなく感じ取ったりしてもらえると嬉しいです。
今回の参加者は
親方(弁護士)、夜山(心理士)、Sho1(公務員)、糸楊枝(民間企業社員)、社畜(弁護士)、コウノ(心理士)、しおから(編集者) です。

〜以下より会議が始まります〜

親方:今回は、弁護士向けのメンタルヘルスのサービスとして何を提供していくのかを議論したいと思っています。
弁護士はいろいろストレスを抱えやすい状況にあります。これに対する対策はいくつも考えられて、私たちアミが何をすればいいのかといったところが一番の悩みです。

親方:そこで、弁護士に対して心理士の皆さんがどのような対応が出来るのかについて今日は伺いたいなと思っています。


1.依頼者対応は教えてもらえる?

親方:まず、弁護士の依頼者への対応方法を教えていただくということはできるんでしょうか?

夜山:依頼者への対応と言うと、具体的にはどのような場面を考えていますか?

親方:例えば、お持ちいただいた書類について説明して頂いて今後の方針を決めるといった形など、実際に依頼人と弁護士が打ち合わせをするといった場面を想定しています。この場面において、依頼人が書類の説明ではなくて、依頼している事件当時のイライラや怒りと言った感情的な話をいっぱいして、本当に聞きたい書類の話を聞くことができない時があります。この時どうすればいいのかというのを教えてもらったりすることはできますか?

コウノ:出来ると思います。面接時における一般的な対応の仕方やコミュニケーションについてのノウハウを情報提供という形でお伝えすることもできると思いますし、 話をしている中での話のそらし方やアジェンダに集中してもらう方法を一緒に考えたりするとか、そういったことは考えられるかなと思います。

親方:なるほど。それでは、話のそらし方やアジェンダに集中してもらう方法などをトレーニングするということもできるんでしょうか。

コウノ:多分できると思います。

コウノ:ところで、弁護士は依頼者対応について現場に出る前にどこかでちゃんと勉強するといった機会ってあるんですか?

親方:どうだろう?ロースクールでは選択授業で取れたかもしれないというぐらいで、あんまり機会がないかなという印象ですけど、社畜弁護士さんどうですかね?

社畜:やっぱり修習ですかね。僕の場合だと、修習先の弁護士が仕事をする時にずっと付いて回って、依頼人の対応を見たりして勉強したと思います。

社畜:あと、実務に出ても同じで、パートナーという上司みたいな人と一緒に仕事をする中で、依頼人の対応を勉強するかなという感じです。とはいっても、パートナーによって仕事の進め方が全然違います。ちなみに、僕がパートナーと仕事をする時には、パートナーごとに仕事のやり方をカスタマイズすると思います。

親方:そうですよね。確かに修習や実務で、 OJTで学ぶことが一般的ですね。なので、依頼者対応を体系的に学ぶ機会っていうのが多分全くないと思うんですよね。

社畜:ちょっと話がずれちゃうのと、分野として訴訟に限定されると思うんですけど、アメリカだと訴訟をやる弁護士は説得力のある話し方とか声の通る話し方とか、そういったコミュニケーションのトレーニングをするんですよね。でも日本では、弁護士向けのそういったものはなくて、一部で聞いたことあるものだと、ボイトレに通っている人がいるというのは聞いたことがあります。

糸楊枝:弁護士のことではなくてちょっと会社の事になっちゃうんですけど、企業だと人との接し方を教えてもらうということは結構多いかなって思いますね。アンガーマネジメントだとかのソーシャルスキルトレーニングをすることは結構多いと思います。

コウノ:確かに企業向けにアンガーマネージメントなどのソーシャルスキルトレーニングなどの研修をすることは聞いたことありますね。

親方:皆さんありがとうございます。依頼者対応の方法を弁護士が教えてもらうといったことが可能で、それが実際にどのような形でやるのかというのがなんとなくイメージがつきました。糸楊枝さんが言った通りで、弁護士向けというのがないだけで社会には既にあるサービスなんだなということはポイントかなと思いました。

2.事務所で相談しづらいことはどうすればよいか?

親方:次に、事務所内での対応についてなんですけど、若手の弁護士がなかなか他の弁護士に相談できないといった悩みを抱えているということがあります。相談できない理由の一つに相談しちゃいけないんじゃないかという考え方があるのかなと思っています。なので、まずは他の弁護士に相談してもいいんだよという考え方を身につけるトレーニングとかできないかなと思うんですけど、こういうのって可能ですか?

夜山:うーん。。。これはセルフケアの文脈での対応かなと思うんですけど、相談してもいいんだよという考え方をいきなり身に付けるっていうのはなんか難しいのかなと思います。私たちも「相談してくださいね」ということはよくいいますが、相談をするって一つの才能みたいな面もあるんじゃないかなと思うんですよ。もちろん、最終的に、相談してもいいんだよという考え方を身につけるということはあるかなと思うんですけど、最初から相談してもいいという考え方を身につけるというのは実は難しいのかなと思います。

親方:なるほど。

夜山:最初は、相談するきっかけがないと、なかなか相談をしないんじゃないかなと思います。 相談するきっかけがあって、そこで「あ、相談してもいいのかも」っていう実感が来るのかなと。相談するきっかけというのが色々あると思うんですけど、相談したほうがいいと言うメリットを提示することもあると思いますし、反対に相談しないとまずいことになるという恐怖を与えるという方法もあるかなと思います。ただ、メリット・デメリットだけではなかなか動かないことも多いわけで・・。

コウノ:親方の話を聞いているとアプローチの方法としては、ラインケアのアプローチになるんじゃないかなと思います。まず相談できる環境を作るというのが第一歩になるのかなと思って、その場合には、職場の上司にコミュニケーションをしやすくするような雰囲気づくりをすることを求めることになるかなと。

夜山:個人が相談をする意識づけをしていくという自己責任論みたいな話よりも、相談ができる体制をいかに構築していくかという環境の設定がこれからは大事だなと私も思います。

親方:そうなんですね。相談をしやすくすると言うことを実現するためには、相談者の問題を解決するというよりも、事務所の環境を整える方向で努力する方が効果があるということですね。ありがとうございます。

夜山:弁護士事務所でも月1で心理職の訪問相談を導入してみませんか?(笑)実際、そういう弁護士事務所さんもありますよ!

3.パートナーやボス弁との付き合い方って?

親方:ちょっと話が変わりますけど、厳しい上司との付き合い方を教えてもらうということはできるんでしょうか?例えば、めちゃくちゃ細かい上司に当たった場合、どのような対応をすればいいのかを教えてもらうことはできますか?

コウノ:難しい問題ですけど、出来なくはないと思います。例えば、上司と部下との仕事がうまくいかない場面の一つとして、上司と部下が相談をしているけれども、実はその相談についてお互いが理解できているつもりで、理解できていないというのがあります。これはだいたい上司の指示が不明確であることが多いです。なので、本当は上司に指示を明確にするよう求めたいところなんです。けど、他人はコントロールできないので、自分の対応を変えていく必要があります。この場合、上司の指示が不明確ということなら、部下の方が工夫をして聞き直してみるとかそういった対応をせざるを得ないのかなと思います。もちろん、別枠で上司の方にも明確な指示の出し方を学んでもらうことも出来ると、なお良いと思います。これも先述したラインケアの一環になるでしょうし。

親方:そうすると、上司との付き合い方も教えていただけるということになりそうですね。いろいろできることが見えてきた気がします。

4.編集者のストレス発散は横のつながり!

親方:これまで弁護士と心理士とで色々話してきちゃいましたけど、その他の参加者の皆さんで、自分ならこういう風に悩みを解決しているようというのがあれば是非教えていただけないですか。

しおから:編集者の場合は、仕事上、記事の執筆者と関わることが多いんですけど、執筆者さんの中にはむちゃぶりをなさる方もいらっしゃって、これが精神的に負担になることもあるんですよね。

親方:あ、そうなんですね!本の執筆者はやっぱりそういう方が多いんですねwそれで、ストレス溜まった時には何をされるんですか?

しおから:編集者は同業他社との繋がりが非常に強くて、編集者同士で気軽に情報を共有できるんです。なので、編集者同士で飲んだりする機会は多いので、発散方法は充実していると思います。

親方:なるほど。なんでつながりが強いんですか?

しおから:執筆者に依頼するときに、同業他社に紹介してもらうことから、つながりを重視しています。なので、30人とか40人が集まった飲み会を半年に1回とか定期的にするんです。そこで、知り合いが増えて、その知り合いからまた知り合いを紹介してもらったりしてどんどん芋づる式に横のつながりが増えていきます。そういった中で、仕事の悩みを相談する環境が整っていると思います。

親方:あーそうすると、自然に相談できる環境が作れているのがポイントですね。同じ者同士で発散するのがいいですね!

5.おわりに

今回の会議内容はいかがでしたか?
「こんなこと考えてる人がいるんだ」とか「この人何言ってるんだ?笑」とか色々な感想を持っていただけたら、ぜひツイッターでもどこでも大丈夫なのでメッセージを頂けると嬉しいです!!

次回の記事もお楽しみに!!

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