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世界遺産からの情景

一生涯の記念碑を創るため今
私はシェムリアップに滞在している。

遊びに来ているわけではない。

過去数百年前に
歴代の王達が
この土地で造った如し。
私も後世に受け継がれる何かを創りたいのだ。

この土地には
そういった
目では見えない特別な力、
創作できる不思議な力が
無限に宿っているかのように感じるときがある。

恵まれた土地に、
いるにもかかわらず
創作できないのであれば、
どこに行っても創れるわけがない。
そうやって自分を奮い立たせているが、
なにも進まないのが現実である。

創作活動はおろか、
単純な仕事すら進んでいない。

いつも朝7時30分に起床し、
うまいコーヒーを飲み
現地の煙草(IZA)を
馬鹿みたいに吸って、
頭が痛くなり、
狭い部屋をウロウロしながら、
水の代わりに酒を浴び、
狼狽してしまう毎日を過ごしている。

私もだらしない駄目な
現地の男のようになってきた。
いや、もうなっている。
何故かこの町の女性はよく働いているが、
だらしない男達をよく見かける。

あの男達は
私の未来が
写る鏡なのかもしれない。

いや、
私は
いつも昇り続けなければいけないのだ。
田舎の母親には散々迷惑をかけてきた。
駄目人間になっている場合ではないのだ。
常に前進しなければいけないのだ。

そう想いながら
誰もいないアンコールワットで
今日も
母親が健康である事と
私が一歩前進できる事を祈願する。
死んだ友人は天国に行けただろうか、、、
今日みる夢の中で彼と再会を願う。

アンコールワットで自分を見つめると
深い闇の中に導かれ、
絶望感と希望が
交錯した不思議な感覚に陥り、
くだらない過去を振り返ったり
聴こえない声が聞こえてきたりする。
悪魔に取り憑かれているのかもしれない、、、

今日、
家の近くで
外食した
豚丼の肉は
毛がたくさんついていて、
さすがに食べることはできなかった。

路上で
肉まんを売る女の子が
強烈なほど美人であった。

サトウキビから
作るジュース(タックオンバウ)を
売る女の子も
美女である。

シェムリアップは古代から移民が住み着いているせいか、ハイブリッド型の人種が多く美女が多い。

錆びれた村で
輝くダイヤモンドを
いくつも発見し、
幼い頃、
憧れていた
世界不思議発見
トレジャーハンターの
気分を微かに味わう。


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