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なぜ今データが役に立つのか〜ビジネスを伸ばす、顧客視点とPLG

PLG(Product Led Growth)、ここ数年流行っているので皆さん聞いたことがあるかもしれません。直訳すると「プロダクト(製品)主導の成長」ですが、なぜ注目されているのでしょうか。

個人的には、日本では特にコロナがこの必要性を加速したように思います。

・これまでSales Lead Growth(セールスレッドグロース)として営業主体で行ってきたビジネスの成長に限界が来ていること。お客さんにも以前ほど直接会えない、こちらからのアプローチがしづらい。
・物が、情報が溢れ、ユーザには色んな選択肢が与えられている。売り込まれるより自分で探して選びたい。
・営業主導、マーケティング主導で成長を続けていくにはかなりの金銭的・人的リソースがかかる上に効率が悪い。

ではPLGはどういうアプローチなのかというと、企業→ユーザへのプッシュではなく、ユーザを中心に据えた戦略で、プロダクト自体が営業の代替となり「コンバージョン獲得、リテンション、拡大のため主要なチャネル」となるという考え方です。

この戦略では、エンドユーザに徹底フォーカスしてプロダクトを作っていきます。ユーザにとって使い続けたい、他の人にも共有したり紹介したくなるほど素晴らしいカスタマー体験を作り上げることに重点を置いてビジネスを構成していきます。
つまり、作りたい機能、使って欲しい機能、売れそうな機能だけをとりあえず企業側からプッシュしていってもダメです。顧客が何を求めていて何を重宝しているのか、自分たちのプロダクトの価値を徹底的に理解して、そこにフォーカスしてより良い体験のためにリソースを投資することが鍵となります。

自分たちのプロダクトの価値を理解できれば、素敵なことが起こります。
・行き当たりばったりに新機能を考え出す必要がなくなる
・より構造的で考え抜かれたプロダクト作りができるようになる
結果、ユーザーにとって必要でない部分に、時間とリソースを費やすことを避けられる=限られたリソースを有効活用し、ビジネスを伸ばす可能性があることのみに集中できる。
これがPLGです!

なんだか簡単なような難しいような、とにかく抽象的に聞こえるかもしれませんが、まだPLG戦略に取り組んでいない方々に、具体的な始め方を以下にご紹介します。

MixpanelのProduct tipsより

プロダクトに関する基本的なことには見えますが、皆さんは理解されていまうすか?理解していると言い切る自信がない場合、どう見つけていけば良いでしょうか?
レビューやユーザインタビューだけではわからない、これらの答えは、実は既に皆さんがお持ちのデータにあります。一万人にユーザインタビューすることは困難ですが、皆さんのプロダクトにやってきた、一万人の行動データから学びを得ることは確実に可能です。

先日USで会ったZoomのプロダクトマネージャーの一人が言っていました。「俺、昔はハードウェアのプロダクトマネージャーだったんだけど、ユーザがどういう使い方してるかって理解するの、インタビューやら何やら駆使して大変だったんだ。今は(デジタルプロダクトだし)データ一つでわかるんだから、ありがたい時代だよ!」と。確かに。

デジタル時代だからこそ作るのが難しいユーザへのアプローチ。けれど、デジタルだからこそ改善もしやすく違う手段で繋がれるユーザとの接点や体験。うまく利用して、「顧客が使い続けたい、他にも共有したくなる」ほど素敵なプロダクト体験を一緒に作っていきましょう!