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レビー小体型認知症って何?

レビー小体型認知症という認知症をご存知でしょうか?

介護の現場で働いていたら一度は耳にする認知症の名前だと思います。

アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症とはまた少し違う特徴的な症状を有しています。

認知症を一括りにせず、どういった認知症なのかを考えながら、ケア内容や評価の目線を考えることでより質の高いケアやリハビリに展開できると思います。

それでは簡単に説明していきます。

レビー小体って何?

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引用

http://dlbsn.org/wp-content/uploads/2014/12/lewy.jpg

レビー小体は、異常なタンパク質です。
ドイツのフレデリック・レビーさんが見つけたそうです。

このレビー小体はα-シヌクレインというタンパク質からできており、パーキンソン病とも関与しています。

そしてこのレビー小体、発生機序は未だ不明なのですが、ドーパミン、ノルアドレナリン、セロトニン、アセチルコリンを分泌する神経細胞に後発します。


レビー小体認知症とパーキンソン病

レビー小体型認知症とパーキンソン病は密接な関係があります。

パーキンソン病は、中脳黒質のドーパミン細胞の変性により、線条体のドーパミンが欠乏し、レビー小体と呼ばれる病理変化が特徴です。

つまり、レビー小体認知症と同じタンパク質がわるさをしているわけです。

レビー小体型認知症のパーキンソニズムは、認知症 を伴うパーキンソン病と比較して静止時振戦や左右差が少ないです。

しかし、遂行機能(物事を実効する能力)、注意機能、認知機能障害はレビー小体型認知症の方がパーキンソン病と比較して強いです。

しかし、黒質の神経細胞脱落はレビー小体型認知症よりパーキンソン病の方が高度です。

レビー小体型認知症は、病理学的に、パーキンソン病でも確認されるレビー小体が大脳や脳幹に認められることも特徴の一つです。

これはアルツハイマー型認知症のような病理変化をするケースも多いです。

レビー小体型認知症の症状

レビー小体型認知症の症状はいくつかあります。

1.幻視

実際いない動物や人、虫が見えてしまいます。

「風呂に知らない人が入っている」、「部屋で子供が遊んでいて寝れない」と東野本人は困っています。

被害妄想的な発言も見られますが、これは幻覚による二次的な妄想です。

2.レム睡眠行動異常

夜間睡眠時に大声や悪夢で目が覚め、大声で暴れるような体の動きが見られることがあります。

そしてこれは認知機能障害が生じる前に出てくることがあります。

3.パーキンソンニズム

パーキンソニズムとは、パーキンソン病とは別の原因により生じるパーキンソン病の症状(緩慢な動作や振戦など)のことです。 パーキンソニズムは、脳の病気、脳損傷、または特定の薬剤や毒素によって引き起こされます。

レビー小体型認知症では、パーキンソンニズムは30%の症例で認められないそうです。

そして、レビー招待型認知症で認められるパーキンソンニズムは寡動と筋強豪が主体です。

4.認知の変動

ボーッとした状態やはっきりした状態を繰り返します。

一日のうちで別人のように人が変わってしまうことを言います。


個人的な見解

レビー小体型認知症の厄介な面は、良い時と悪い時の差があることだと思っています。

アルツハイマー型認知症のように徐々に悪くなるのではなく、日によって良い時と悪い時があるので、しばしばうつ病と間違えられることもあります。

また、上記の症状以外にも自律神経症状をきたすので、体の様々な部位に不調も生じてしまいます。

また幻視や睡眠時の異常行動もあるため、睡眠不足もありますので、支える家族もかなりのストレスを呈します。

普段と変わり無い時があっても上記のような症状が見られたら病院へ受診し、適切な治療をすることをお勧めします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


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