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独立起業して思うこと(2)

独立起業後の思いの変化

今回は独立してみて初めて気がついたこと、思いの変化について書きたいと思います。スモールビジネス前提の、独立ビギナーの話です。

自分の仕事の価値って?
自分の仕事での価値を考える時、以前は他者の指標によるポジション、経験値、給与額等にウェイトが置かれがちでした。でも今は、これらのどれもあまり意識する必要が無くなり、自分の仕事で何を生み出せるのか、何の役に立っているのか、ということが自分の価値になってきました。
他者の基準で決められがちだった自分の価値が、自分主体で決められるようになったのです。
そうなると、自分の価値を高めるために事業をどうしていきたいかの探究も限りなく続きますし、手探りでも行動に起こす必要がでてきます。この価値への問いは、ますます仕事とプライベートの境目がなくなる要因なのだと思います。

投資と利益
投資コストと利益について、以前は自分の所属する部門単位では把握していましたが、それは会社のビジネスのごく一部に過ぎず、かといって会社単位の数値は大き過ぎて実感として把握するのが難しかったのが正直なところです。
今は事業主体は自分ですしスモールビジネスですので、投資と利益の全体像が分かります。
その投資と利益の好循環のサイクルを生み出すことに苦心するわけですが、バランスシートとP/Lを「知っている」のと「実際に運用する」ことには大きな乖離があり、たとえスモールビジネスでもその匙加減を考えることには大変さと楽しさが入り混じります。生活者としての感覚では抑える支出も、事業者としては踏み込むことも多々あり、自分の長年固まっていた枠がいとも簡単に拡がった気がします。

看板
社会的に認知されている会社の看板が無い状態に置かれた時に、これまで関わってくれた方々との関係がどのように変化するのか、また、これから新たに関わる方々はどうか、やはり心配なところでした。
しかし私が主に属しているライフサイエンス業界の方々は、皆さん変わらずお付き合い頂ける方ばかりで杞憂にすぎませんでした。これは本当に大きかったですし、非常に感謝しております。
価値観が多様化し、スモールビジネスでも受け入れられやすい時代になっていることを身をもって実感しました。
今後の信用は自分の行動や対応にかかっていますし、自分としての看板を作っていくことへの試行錯誤は続きます。。。

仕事仲間
独立してとても面白かったことの一つに、他の方と自由にコラボレーションできること(法人・個人に関わらず)があります。
同僚ではないですが、プロジェクト仲間という感覚です。
基本的には一緒に仕事したい人と仕事するのと、新しい仕事での出会いを探しにいくのがまた面白いところ。最近の例では、偶然にフランスの化粧品輸入の仕事を進めることになり、初めて関わる化粧品業界の人と繋がり、そこからさらに新たな出会いに派生して、事業の可能性が広がってきました。新しい挑戦も意外にできるもので、こうしたトライアンドエラーが(エラーも多数あります)今後の展開の期待感につながるのだと思います。

想定外
独立するにあたって事前に準備していた二つのビジネスの予定は、ちょうど独立のタイミングで頓挫してしまいました。どちらもやむを得ない理由ではあったのですが、どちらかがコケてもいいように二つ用意していたはずが、予期せず両方とも頓挫しまったのです。
その後紆余曲折を経てなんとか新たなビジネスを始めることができましたが、今振り返ると、その後もビジネスを立ち上げる大変さ、ビジネスが失速してしまう可能性との葛藤など、結局ずっと大変な状況は続いています。ただ独立当初との大きな違いは、「事前に想像できないことを楽しめるようになったこと」です。「何かが起きて対応する、何かが起きないように準備する」ことに加えて「何かが起きることを期待して行動する」の比重が大きくなったことが要因なのでしょう。想定外も受け止め方次第で捨てたものではないですね。

多様な働き方ができるようになってきましたので、法人・個人事業主はもちろん、副業の方とも機会があれば一緒に仕事をしてみたいと考えています。大企業では扱われないような小規模でニッチなスモールビジネスでも、それを必要としている人がいる限りそこには意味があり、多様な社会にもつながると思います。それについては、また後日書きたいと思います。

小さな勇気を持て。あなたが思うことができることはあなたができることだということ。

内村鑑三

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