見出し画像

PR戦略のはじめ方:「As is/ To be」、「誰にどう思ってもらいたいか」

最初のnoteで「PR=プレスリリースを書いて、メディアに送ること“だけ”ではない」と書き、前回のnoteで“だけ“じゃない部分の大切な”ストーリー作り“について書きました。今回は”だけ“じゃない部分の第2弾です。PR戦略について書いてみます。

1、「As is/ To be」

「PR戦略って何から始めればいい?」と聞かれたら「現状とありたい姿を明確にすることから始めたらいい」とお答えします。事業戦略と同じですね。なのでPR独自の戦略の立て方というよりは、問題解決のフレームワーク「As is/ To be」を使うのをおススメします。

画像1

PRに限らず問題というのは、「現状(As is)」と「未来のありたい姿(To be)」とのギャップ(差)なので、①現状を理解して、②未来のありたい姿を決め、③そのギャップを認識することで、④そのギャップを埋めるアクションを企画・実施することができます。


2、コアTo be 「誰にどう思ってもらいたいか」

さらっと1行で書いてしまいましたが、事業戦略と違ってPR戦略で難しいのは、「未来のありたい姿(To be)」をどう定めるかです。事業戦略の場合は、例えば営業利益を2割アップやマーケットシェア5%獲得といったように、割と明確なTo beが出てくるわけですが、PR戦略の場合はどんなTo beが良いと思いますか。

PRのTo beの一つであり、最も重要なTo beは、「誰にどう思ってもらいたいか」を決めることだと思っています。ターゲットを決めて、そのターゲットに会社や商品やサービスについてどう思ってもらいたいかを決めることです。

例えば、会社のビジョンに「日本の工芸を元気にする」を掲げている中川政七商店という会社は、ありたい姿(To be)を“中川政七商店のお客さんに、日本にあるいいもの(工芸品)に伝え、ものづくりの伝統を残す”にしている(と思われます。「To beは何ですか」と中川政七商店に直接聞いていないので、思われますと書きましたが、講演や取材でそういった話をされています。)

To beはたくさんあってもよいのですが、PR戦略を考える上での、コアとなるTo be、”コアTo be”は「誰にどう思ってもらいたいか」だと思います。例えば「年間記事本数100本」だけがTo beにあると、現状とのギャップを埋めるためにプレスリリース本数を3倍にするといったアクションになるわけですが、「誰にどう思ってもらいたいか」を合わせて考えると、量的なアクションだけでなく、質的な視点も同時に考えることができるようになります。PRの力はパーセプションチェンジだと思っているので、「誰にどう思ってもらいたいか」というコアTo beはPRの本質的なポイントにもつながるものだと思っています。


3、バックキャスティングでアクションを作ろう

ギャップを埋めるアクションの考え方は、As isからよりも、To beから考え始めると良いです。現状(As is)から考えると、現状の改善に留まるリスクがありますが、ありたい姿(To be)から逆算して考えると、ゴールにちゃんと近づけるアクションになります。バックキャスティング(backcasting)と言われるやつですね。その反対がフォーキャスティング(forecasting)です。日本人は、これまでフォーキャスティングで考えがちで、現状から積み上げ式で目標に向かう思考でした。まじめな日本人にはフィットする思考だけど、コツコツ型で、イノベーションが生まれにくい要因と言われています。

PRのアクションはぜひバックキャスティングで作ってほしいです。PRは売上のような明確なKPIがないからこそ、バックキャスティングで作ったアクションを実行して、ありたい姿に向かってばく進してほしいです!

まとめ
PR戦略は「As is/ To be」を考えてみよう
To beのコアは「誰にどう思ってもらいたいか」
アクションはバックキャスティングで


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?