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PRを分解してみた:PR企画のプランニングをする時に必要な2つのチェックポイント


「PR戦略のはじめ方」に、「As is/ To be」と「誰にどう思ってもらいたいか」が大事です、と書きました。その2つが決まったら、今度はPR戦術を考える番です。今回は、PR戦術の考え方について書いてみます。


1、PESOから3つ以上をつなげて使おう

PRを“手法”という観点で分解すると、PESO(ペソ)になります。
Paid media、Earned media、Shared media、Owned mediaのことです。
ざっくり言うと

Paid media  =広告    =お金かかるけど、拡散できる
Earned media=記事    =コントロールできないけど、信頼性高い
Shared media=SNS    =炎上リスクもあるけど、共感生む
Owned media=自社HP =地味だけど、理解が深まる

それぞれ得意不得意があって、全く違うわけです。なので、違いを理解して、うまく使いましょう、だとネット上にあるいろんなサイトに書かれていることと一緒ですよね。

PESOについて書かれているサイトをみると、大体こんなイメージ図が出ています。画像1

「4つありますよ」というのはわかりますが、それだけですよね。実際PRをやっていて感じるのは、成功したと言える案件には、かならずPESOの起点があって、連携の流れが見えます。

例えばこんな感じです。画像2

Owned media起点のコンテンツをテレビCMにまでつなげているのがトヨタです。広報部のメンバーが取材に行って記事を作っているトヨタイムズというOwned mediaがあります。その同じコンテンツをYoutubeでも流し、テレビCMにも使っています。俳優の香川照之さんが編集長として出ているやつです。1コンテンツをO⇒S⇒Pで使い倒して、一石三鳥なわけです。

さきほどのO⇒S⇒E(基本形)をさらに分解すると、こんな流れとしても説明できます。
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Oの代わりに、リアルなコンテンツ(例えば、お台場にあった巨大ガンダムやYoutuberの動画、環境活動家のグレタさん)が起点になったりします。

PR/広報だからといって、Eファースト=メディアファーストでなくてもよいのです。E(=メディアに記事にしてもらう)がなくてもPRができる時代になっているということです。記事優位の時代から、コンテンツ優位の時代になり、文字以外に写真や動画がコンテンツになるようになり、Eに頼らなくても自分・自社で情報発信ができるようになったわけです。

いろんなPRの成功事例を見ると、PESOのどこかが起点となって、3つ以上の連携が見つかるはずです。その視点で事例を分解できるとヒントが見つかります。プランニングするときには、起点と連携の流れを意識すると情報設計がしやすくなります。PESOの組み合わせは無数ですが、最低3つは連携させようという意識をすると成功の確率が上がります。自分・自社の勝ちパターンを見つけましょう!


2、「マス向けorファン向け」と「オンラインorオフライン」の4象限で整理しよう!

PRをターゲットと手法という観点で分解すると、「マス向けorファン向け」と「オンラインorオフライン」の4象限が作れます。
それぞれ、ざっくり言うと、

・マス        =メディア   =多くの人に伝えられる
・ファン    =個人の集まり、コミュニティ=熱量の高い人たちが共感しあう
・オンライン=ネット上   =ずっとつながっていられる
・オフライン=リアルな場     =顔の見える接点、写真が撮れる場

その4つを図で表すと、こんな感じになります。

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新しい商品が出たときに、
Offline for Massとしてメディア向けの発表会をやるとします。その時、合わせて、
Offline for Fans:例えば、インフルエンサー向けの体験イベント
Online for Mass:例えば、ペイド記事をデジタル広告
Online for Fans:例えば、インスタでファン向けアカウントを開始
といった風に4象限それぞれの施策を考えるのが大切です。4象限のそれぞれで最低1つは何かしようという意識を持ちましょう。PRのプランニングをしたときに、この4象限に考えた施策をプロットして、どこが足りないのか、あるいは偏りすぎてないかといったことをチェックするとよいと思います。

PRするファクトがある時に、それをどうニュースにするか(=プレスリリースに書いて、記事にしてもらうか)も広報担当者の大事な仕事ですが、ファクトが強ければあまり味付けはいりません。ニュースにならないファクトの時に、あきらめずに、どうスパイスをまぶしてファンが食いつきそうなストーリー・コンテンツにするかが広報担当者の腕の見せ所なわけです。

そういう時に、できるだけ要素を分解して、PESOのどれに一番フィットするのか、4象限のどこを使うのかといったチェックに使ってもらえると嬉しいです。

まとめ
1、PESOから3つ以上をつなげて使いましょう。起点と流れが見えれば、成功に近づきます。
2、「マスorファン向け」と「オンラインorオフライン」の4象限で整理しよう。4象限のそれぞれで最低1つは何かしよう!


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