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【A4、1枚にまとめる】PRプランの立て方7つの要素【考え方編】

「PRの企画書って何を書けばいいの?」
「PR戦略って言われても、何を書けばいいかわからない」
こんな疑問を持っている、PRパーソンも多いと思います。

PRのプランニングと言いつつ、担当者は記者発表会やプレスリリースといった手法論を検討しがちです。そして、上司は「KPI、KPI」と言いがちです。

この記事では広報経験約15年の私が、広報の本や実務を通して体験的に作り出した、PR企画書に必要な要素について説明していきます。PRの企画書を作る際のヒントにしてください。

与件の整理

企画を立てる際の出発点になります。
「Aという新商品発売に関するPR」というお題があったとします。
外部環境と内部環境に分けて整理しましょう。もう一段、ブレイクダウンすると、3C、つまり、市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company) に分けて現状を整理するとよいでしょう。市場の中には、世の中の状況という俯瞰した、少し抽象度の高いものも含めるのも今の空気をざっくりつかむには大切です。
もしかすると、この調査に一番時間がかかるかもしれません。ただ、ここで「正しい」現状認識を持つことで、ゴール設定や戦略、キーメッセージ、戦術の選択を自信をもって行うことができます。
カッコつきの「正しい」と書いたのは、100%正しいことはなく、状況も常に変化していきます。重要なのは、ゴール以降の判断をするに「十分な」現状認識を持つことです。(どこまでいってもカッコつきです。)

ゴール

どういう状態になったら成功かを1行で書きます。
以前の記事で、
最も重要なTo beは、「誰にどう思ってもらいたいか」を決めることだと思っています。ターゲットを決めて、そのターゲットに会社や商品やサービスについてどう思ってもらいたいかを決めることです。
と書きました。
PR戦略のはじめ方:「As is/ To be」、「誰にどう思ってもらいたいか」 - PR note 
「誰にどう思ってもらいたいか」を決めることがゴールです。
KPI(=数字)では表しにくい、「成功した状態」でOKです。
KPIとは別にゴールを作る理由は、「理想の状態」を具体的にイメージしてそれに向かってメンバーと共通認識を持つためです。
「理想の数字」をゴールにしてしまうと、その数字を達成するための施策になりがちです。KPIはあくまで、ゴールに向かう過程を数字でチェックするために使うほうが良いと思います。

ターゲット

ターゲットはより具体的に決めましょう。ペルソナを緻密に設定すればするほど、キーメッセージや戦術を考えやすくなります。
ターゲットがたくさんいるという場合も、コアターゲットを決めましょう。ターゲットの中の優先順位を明確にすることで、キーメッセージや戦術の選定をする際に、優先順位の高いコアターゲットに向けたものを選びやすくなります。
加えて、ターゲットメディアも決めましょう。SNSやオウンドメディアなどを通じて直接ターゲットに届けることもありますが、多くの場合はメディアを介して届けることになると思います。その場合のコアメディアがどこなのかを決めましょう。日経なのか、ハフポストなのかでキーメッセージも変わってきます。

戦略

PR戦略とは方針です。
コアアイディアと言ってもいいかもしれません。
ゴールに向かうために、ターゲットに対して、何を伝えるか(=What)を決めることです。
Whatは、商品性能、商品便益、商品によって得られる状態などさまざまです。
と言っても、商品性能よりは、ゴール設定した「理想の状態」や「ターゲットに思ってもらいたい状況」のほうが良いと思います。
ユーザーや社会が抱えている課題に対する解決策と言い換えることができるかもしれません。解決された理想の状態を言語化しましょう。
戦略を分解すると、
理想の状態:ターゲットに思ってもらいたいパーセプション
着目した課題:課題とその解決策
ストーリー:共感しやすい物語性を帯びたストーリーライン
の3つになります。
以前の記事で、「ストーリーを作ろう」と書きましたが、「理想の状態」や「ターゲットに思ってもらいたい状況」というのは、ターゲットが共感して語りたくなるコトだと良いです。
ちなみに、戦略は、PRの手法(=戦術、howに伝えるか)ではありません。
広告を使おうとか、メディアアプローチをしようとか、特設サイトを作ろうというのは、戦術です。あくまで、理想の状態や解決の仕方、ストーリーをここには書きましょう。

キーメッセージ

伝えたいメッセージは何か、一言で書きましょう。
できるだけ短く、10文字前後が理想です。
キーメッセージは、キーワード数個でできたフレーズだと良いです。
読むよりも見るくらいの長さのキーメッセージを作りましょう。
キーメッセージは対外的に訴求していくものになりますので、シンプルなものがベストです。
合わせて、ターゲットメディアでの想定見出しを考えてみるのもよいです。

戦術

基本的には、統合型コミュニケーションになります。PESO(Paid media、Earned media、Shared media、Owned media)のすべてを活用して重層的にターゲットに情報とメッセージを届けます。
コチラの記事で、PESOについて説明しています。
PRを分解してみた:PR企画のプランニングをする時に必要な2つのチェックポイント - PR note
PESO以外の考え方として、以前紹介した、「マス向けorファン向け」と「オンラインorオフライン」の4象限で施策を考えるのもアリです。むしろ、ファン向けという視点とオフライン=リアルという視点が含まれている、この4象限で考えるほうが手法の幅が広がると思います。

KPI

最後にKPIです。
KPIは戦術の1つ1つに対して測定可能なものを決めましょう。
活動自体のKPIとしてのアクション指標が最もベーシックです。リリースを●本出す、記者へのフォローアップの電話を●回する、取材を●回設定するなどです。具体的な活動に関係する指標なので、動きやすくなります
その次に、上記の活動によるメディア露出数をアウトプット指標として決めると、活動が適切だったのかを振り返りやすくなります。PDCAにつながるところです。
さらにその先のアウトカム指標は参考程度にしましょう。アウトカム指標というのは、例えば、広報的アクションによって、記事が出て、その後問い合わせ件数や資料請求の件数が増えた場合、問い合わせ件数や資料請求のことを指します。ただ、問い合わせ件数をKPIにして広報施策を組み立てるのは至難の業なので、アウトカム指標は参考程度にするのが良いと思います。

まとめ
PRプランを立てるときには、この7つの要素を入れましょう。そうすると、毎回、80点以上のPRプランが出来上がります。ぜひ試してみてください!
1,与件の整理
2,ゴール
3,ターゲット
4,戦略
5,キーメッセージ
6,戦術
7,KPI


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