「オクラとパセリ、黄緑色の願い」七色書房の小さな色彩の物語 七色処方①
初めましての方、そしていつもご覧下さってる方、sanaのnoteに足を運んで下さり、ありがとうございます。皆さんが縁あるいつかの星に繋がる時のために、sanaの現場からの何かをころんとお届け出来たら、と思っています。
今回は暮らしの中にある「色彩からの物語」です。古い記事からあらためて手を入れ書きました。さて、シリーズとなるやいなや?
とある森と街の境目にあるという「七色書房」
それは地球という星。広大な宇宙の多くの星々の中にあって、そのひとつの太陽系の中に存在している極めてめずらしい星。これは「感情」というものを体験することの出来る地球のどこか、とある森と街の境目に静かに存在している「七色書房」でのお話。
「いらっしゃいませ。ようこそ。」
「当店では、本はお求めいただけませんが…、あなただけの特別な物語をご案内させていただきます。」
店主は、七(なな)さんとか七色(なないろ)さんと呼ばれていますが、誰も本当の名前を知る人はいません。店主は、この書房を偶然のように訪れる様々な人たちとのひとときの時間を一緒に過ごします。
そこで起きるのは、訪れた人の中にひっそりと沈んでいる過去の記憶と感情と、そして色彩との出会いです。それは時を超えて起きる解放の時間。ほんの少し色彩の力を借りて、本来の自分自身へと繋がっていく。店主の案内によって体験するあなただけの物語との新しい出会い。それが七色書房の七色処方です。
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オクラもパセリもいらない。本当に欲しいのは…
確か彼女はここで店主が出した本日のお茶を飲みながら話をしていたはずでした。少しの間夢を見ていたような気がします。
そしてハッと思い付いて話し始めました。
「いつもになくそう思ったので、それは強烈に感じたことなんかじゃなくて。でも、そう思ったから口に出してみようと思ったんです」
彼女はそう言いながら、その時のことを思い出すように斜め上を見上げながら話し始めました。
「初めての家庭菜園をしたいと思って」
実家で両親がゴーヤなど野菜を育てていたことがあるのを思いだした彼女は、電話して母親にそう伝えたのです。詳しい人に相談した方がいいかだろうと思って、と電話をしたのでした。
数日後、オクラとパセリが植えられたプランターをそんなに遠く離れていない実家の母親から彼女は受け取ります。そんな風に用意されているとは想像していなかった彼女は、受け取った瞬間に「とってもがっかり」している自分に気が付いていました。さらにそのままなぜか気持ちが落ちていって…、そんな自分を発見していました。
翌朝、あっという間にしおれて元気が無くなってしまっているプランターの葉を見て「ああ、またダメだ」と感じ、どうしていいかも思い浮かばないし、急速にやる気もこぼれていくように失せていきました。このまま放置して、どうも枯らすことになる、そう思いました。
何をしてもすぐに失敗して二度と手を出さなくなる、そんなことをたくさん繰り返してきました。と彼女は続けます。
そんな時、ブログで菜園チャレンジしている人の記事を見て、多くの失敗と、何度にも渡る挑戦でうまく育ったというような喜びの体験にハッとさせられたのです。
彼女がしたかったことは「それ」ではありませんでした。気が付いたのです。したかったことは別にありました。
彼女は、ゆっくりと言葉を選んで言いました。
「父や母がよく植物に水をあげているのを見てました。手伝うなんてしませんでした。ただ見ていました。何がわかっていないのかもわからない。だから…本当にゼロから教えて欲しいと思って…」 「今までそうしたいなんて一度も思ったことは無いのに、一緒にどれがいいかねって言いながらホームセンターで苗を見たりプランターや土を一緒に見て歩きながらたくさん話を聞きたいって思ってたんだなって。」
「だから、プランターを持ってきた母にがっかりしたんです…」
「聞いてほしい、私の話…」
「興味を持ってほしい…んだ…… 私、に…」
「これから電話します」
「またダメだ、と勝手に思ってましたた。自分の欲しいものを大きく勘違いしていたことがわかりました」
そう言う彼女には笑顔が戻っていました。
店主はひとつのティーカップを片付けています。
彼女は地球で今しばらく穏やかな眠りの中にいます。朝が来るまで。
end
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色彩とその位置からのヒント
このお話が気になるという時のあなたへ
「黄緑色」を9つの枠の中で、今はこの場所に置きたい、というあなたへ
9の位置での「黄緑色」が気になるあなたへの七色処方
私たちが毎日足元にしているのは、地球という大地です。人間はこの大地力によって大きく守られて日々を生きています。この足元にある大地の土の力に支えられ、天から降り注ぐ太陽の光を浴びて、すくすくと育っていきます。種から発芽して育ち始めたばかりの植物の黄緑の新芽は、やがて育って緑色へと色を濃くしていくでしょう。
その過程には、晴れの日も、雨の日も、風の強い日もあるでしょう。寒い日も暑い日もあるでしょう。その中でより強く根を張り、太陽にに向かってどんどん増えていく葉を伸ばし、ゆっくりと強くたくましく育っていきます。
シンプルでかつ規則的な日常生活を続けることは、生活や身体の基礎的な部分を保護し育ててくれます。今は無理して多くを自分に求めることなく、ほんの小さく規則的な繰り返しの日常の中で、自然と自分の中に力が少しずつ満ちてくるのを待ちましょう。
頑張れない自分はある意味正しい状態です。そういう時には、ゆっくりと時間をかけて、まるでリハビリのようにひとつずつ少しずつを心がけましょう。
例えば、起きる時間が毎日同じであるとか、朝食、掃除や片付け、お散歩に行く、仕事、お買い物の場所、料理と夕ご飯の用意、お風呂、読書、趣味の時間など自分の生活の中にある決まっていることをこだわり過ぎない程度に時間割を作ったりしてみるのもいいでしょう。
その通りにやってもやらなくても、出来ても出来なくてもいいのです。強すぎる太陽の光にもまだ耐性の無い「やわらかな新芽のような私」であることを受け取ってください。
新芽は少しずつ少しずつ、その緑を濃くしていきます。
部屋の中には、観葉植物などを置いて植物の生命力の力を借りましょう。緑色を自分の日常のすぐ近くに置くのも助けになります。日差しが強くなくても育つような、濃すぎない黄緑色寄りの、世話やお手入れが簡単なまずは小さめの植物がいいでしょう。育て方はお花屋さんに聞いて、自分が選んだ植物と少しずつ出会っていきましょう。
あらゆることにおいて焦らずに、心身ともにゆっくりとエネルギー補給を。
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9-9 yellow-green story
色彩×9分割の9の場所。
例えば今回の物語は「黄緑色」×「暮らし・居場所」の意味を持つ9の場所のお話の中での例えばひとつの風景です。実際はもっとたくさんの物語が存在するでしょう。
大人になっても残ったままの子供のころからの欲求と向き合うきっかけが訪れた方の日常のお話。普段から何ごとにおいても挑戦が苦手で億劫だという方が、弱気ながらもほんの少しだけ自分の抱えてきていた感情と共に歩き出してみようとしている、日々の暮らしの中での感情体験とそれに寄り添うような色彩のお話です。
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これは実際のお話そのもではなく、様々な方々の経験を元にして9分割(絵画療法)という理論を基盤に色彩のお話を制作しています。
この9分割理論(LifeSymbol)は占星術、生命の樹、エニアグラムなどの古代哲学、タロット、数字の意味、色彩心理、オーラ視、十牛図、サビアンシンボル、象徴解釈などをベースとしています。ひとつの色にも、3×3の9つのマスの位置によって多数の色彩感情が存在しています。
「七色書房の小さな色彩の物語 七色処方」9-9 yellow-green story
あなただけのこの人生の物語を紐解いて歩きましょう。
昼の地球で、夜の宇宙で、丸ごと一日どうぞよい旅を。
cafeprizm sanaでした。
※9分割(絵画療法)理論は、松村潔氏により研究開発されたものです。