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保護猫を迎え入れるまで②

単身者は子猫の募集に応募できないとわかって、しばらくネットを見るのをやめた。落ち着こう。条件が厳しすぎるわけじゃない。単身者でも子猫じゃなければ応募できる子はたくさんいたし。そもそも、ぜったい子猫がいいと思っていたわけじゃないはずでしょ(自分に言い聞かせる)。


子猫がいい理由

でも、実際に探してみて、乳飲み子はたしかに難しいと思うけど、できれば1年未満の子がいいなぁと自分が思っていることに気がついた。その理由を当時はよくわからなかったけど、今思えば『成長に立ち会いたい』からだと思う。そらと暮らしていた時、ミルクから離乳食、離乳食からカリカリが食べれるようになって、乳歯が抜けたり、去勢手術をしたり。そういう一つ一つに立ち会えることが嬉しかったし、この上ない感動だった。そういう経験を、次に出会う子ともできたらいいなと思った。
自分に子どもがいないから有り余る母性の行き場がないだけかも……と自虐的なことも思うけど、まぁそれでもいい。

昔わたしが保護した子猫。手のひらに乗るくらい。

保護猫カフェ、シェルターへ

ネットで見ているだけだと鬱々とするので、とりあえず会いに行ってみよう、と、保護猫カフェ、シェルターへ。このころのわたしの印象は、いわゆる「猫カフェ」(猫を愛でるだけのカフェ)にははっきりとした嫌悪感があってこれまで一度も足を踏みいれようと思ったことはないけど、保護猫カフェはベースに保護猫活動があるので理解できる、これまで必要がなかったので行ったことがなかった、といった感じ。シェルターに関してはその存在を今回始めて知ったというレベル。

今回行ってみたのはカフェとシェルター1軒ずつで2軒。カフェは、お店のサイトやブログを読んでオーナーさんの考えや運営の仕方に共感できそうなところを選んで行ってみた。

保護猫カフェにて
シェルターで出会った子猫。人懐っこくて可愛かった。


結果、猫はみんな可愛い。実際に会えば子猫か成猫かなんてどうでもよくなり、本当にどの子も可愛いと思った。たぶん信頼できる誰かに「この子を連れて帰って」って言われればそうしたような気がする。でも、ぜったいこの子を連れて帰りたい、と思える子と出会えたわけではなかった。結局「みんな可愛いけど、決め手に欠ける」という気持ちであとにした。

この頃、猫と暮らしたい、という気持ちと、自分でいっしょに暮らす猫を選ぶ、ということの間に、ギャップを感じるようになっていた。自分がどうしたいのかわからなくなってきていた。
ちょっと迷走してるな、と自分で感じながらも、次は「譲渡会」へ。

不安な気持ちのまま「譲渡会」へ

コロナ禍の譲渡会。やっとタイミングが合って、家から徒歩圏内の、普段は保護猫カフェをやっているところで開催された譲渡会に参加できた。
「譲渡の条件」にすっかり引け目を感じていたわたしは、せっかく行っても門前払いなら意味がないので、参加する前にメールで問い合わせをした。「単身者でも譲渡を受けることはできますか」団体や個人、譲渡する側にもいろんな考えや規約を設けていることがわかっていた。個人的にやりとりして、信頼を得られればその限りではないことも。今回の返事は、「単身者でも大丈夫な場合もあります」と、まぁ、応募が被った場合は優先順位は低いですが、と読み取れる内容だった。

それだけ下準備をして参加したはじめての譲渡会。規模も小さく猫の数も少なかったせいか、印象に残るような子には出会えなかった。サイトでも紹介されていた人気のある子猫はすでにファミリーっぽい方が交渉に入っていて、それを見ただけで「わたしじゃ応募してもダメだろうな」と必要以上に卑屈な気持ちになった。

③へつづく


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