【2019年】読了ツイートまとめ

前回に引き続き、2019年のTwitter(X)での読書記録をまとめてみた。

何年か前の文章なので、なんかいろいろ変なことを言っていたりするかもしれないが、温かい目で見守ってほしい。

ネタバレもあるかもしれないので閲覧は自己責任でお願いします。

2019/01/12
『あなたはここで、息ができるの?』竹宮ゆゆこ #読了

ラノベ出身の著者初の単行本。帯曰く「絶対、最強の恋愛小説」。
竹宮さんは『ゴールデンタイム』あたりから「時間」や「瞬間」にこだわって作品を描くようになった気がします。
薄めの本ですが構成が特徴的。ちょっとゲームブックに似ているような?

2019/01/18
『狼と香辛料』支倉凍砂 #読了

ラノベとしては異色の経済(史)要素のある作品。
ファンタジーと経済、狼と人間、自然と文明、信仰と科学がいい塩梅に混ざってます。
あとヒロインが色っぽ可愛い。
ところでwikiによると舞台は中世ヨーロッパ風の架空世界らしいのですが、これ中世ではなく近世では……?

※いろいろ調べたところによると、ファンタジー小説は「中世風」と言われていてもほとんどが近世に近い描かれ方をしているのだそう。

2019/01/26
『ユリゴコロ』沼田まほかる #読了

ミステリーとしても面白かったですし(私は単純なのでトリックにコロッと引っかかりました)、家族モノとしてもジーンとくるお話でした。
『人間失格』やそれをモチーフにした『”文学少女”と死にたがりの道化』のような雰囲気があり楽しめました。

2019/02/03
『ナイトメアはもう見ない』水守糸子 #読了

異能力探偵or刑事モノの作品はたくさんありますが、似たような設定のものに埋もれず最後まで新鮮な気持ちで読めました。

2019/02/13
『残穢』小野不由美 #読了

怖いと評判なので読んでみました。
「自分の身にも起こるかもしれない」「最後まで明確に解明されない怪異/謎」という、怖いと感じさせる要素の合わせ技がとてもよかったです。
面白かったのでホラー耐性のある方、そして歴史や民俗学系が好きな方は是非読んでみてください。

2019/02/16
『ほんとうの花を見せにきた』桜庭一樹 #読了

吸血鬼と人間の話。本の趣味がとても合う友人は微妙だったそうですが、私は好きでした。桜庭作品にしては珍しく男性キャラの密度が高め。
生きるとは何か?系の切口の作品になります。幻想的なお話が好きな方は是非。

2019/03/05
『製鉄天使』桜庭一樹 #読了

80年代のレディース(暴走族)の話。鉄を操る少女が格好よく大暴れします。「子供のフィクションの世界での寿命は19歳」で、20歳の青年が老賢人として登場する世界観が好きでした。
私が長編耐性のある人によく勧める『赤朽葉家の伝説』のスピンオフ的な作品です。

2019/03/09
『はてしない物語』ミヒャエル・エンデ #読了

子ども向けだけど社会風刺が効いていたり、主人公の闇落ち等の展開があったりしておもしろかったです。
物語の構造や著者の創作に対する態度等にも深読みできるところがたくさんあって、専門家の人たちがいろいろ考察しているのも納得のお話でした。

2019/03/13
『空白を満たしなさい』平野啓一郎 #読了

自殺から生き返り、また死んでいってしまう男の話。
主人公がなぜ自殺してしまったのかを探っていく場面はミステリーやサスペンスっぽくて面白かったですが、それだけが話の核というわけではなく、幸せとは何か?を考えさせられる小説でした。読後感が良い。

2019/03/21
『きいろいゾウ』西加奈子 #読了

田舎暮らしの夫婦のほのぼの恋愛小説。
ドラマチックではないけど、まったりしててちょっと切なくて、ほっこりするお話です。
全体の雰囲気は『ミーナの行進』(小川洋子)や、ジェンダー感の薄い『きらきらひかる』(江國香織)のような感じでした。

2019/04/07
『希土類少女』青柳碧人 #読了

身体からレアメタルが出る病気の少女達が、国のために隔離され使役されている話。
設定は面白いのですが、少女/女性の価値は男性を慰めることと資源(レアメタルや子供など)を産むこと、と強調されているような気がしてあまり楽しく読めなかったです……。

2019/04/22
『楽園のカンヴァス』『暗幕のゲルニカ』原田マハ #読了

2冊ともジャンルはミステリー。話も面白く、読んでるとハイソなアート通になったような気分が味わえます。
『暗幕のゲルニカ』のほうは終盤もドラマチックでおもしろかったです。

2019/05/02
『サロメ』原田マハ #読了

原田さんの芸術モチーフシリーズ3冊目。
終始退廃的な雰囲気の話で、サロメという戯曲を巡る複雑で毒々しいキャラクターたちの人間関係が好きでした。
芸術モチーフの前2作が爽やかな読後感だったので、ラストにびっくりしました。個人的には好きな終わり方です。

2019/05/05
『異邦人』原田マハ #読了

芸術シリーズ4冊目。京都が舞台の和風な作品。どんなに好きなものがあっても結局女の幸せは家庭と子供に違いない、という考え方が芸術一家に悲劇をもたらします。
多分BAD ENDだと思うのですが、我の強い奥さんに肩入れして読んでいた私としては「勝った!」と思っちゃいました。

2019/05/13
『モモ』ミヒャエル・エンデ #読了

「時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語」という副題が話の大筋になっています。
時間と労働と心の豊かさ関する名言がたっぷり詰まっていて、児童書ですが大人にこそ読んでほしい一冊。
働きたくなくなります。笑

2019/05/19
『翼をください』原田マハ #読了

強くてチャーミングな飛行士のヒロインが、第二次世界大戦直前の不穏な空を飛び世界一周を果たします。
彼女を取り巻く飛行士たちのヒューマンドラマに目頭が熱くなりました。
原田さんの作品の根底に流れる世界平和のメッセージがとても好きです。

2019/08/15
『魔法使いハウルと火の悪魔』ダイアナ・ウィン・ジョーンズ #読了

ジブリ映画版とは展開もキャラも違って新鮮でした。映画で大好きなシーン(サリマンにハウルのことを語りながらソフィーが若返っていくシーン)が原作になくて残念…。
でも恋するソフィーの心理描写が直接読めてよかった!

2019/08/18
『四畳半神話体系』森見登美彦 #読了

しょーもない大学生活をよく喋る森見節の主人公が面白おかしく語ってくれます。語り方一つでこんなに面白いからすごいなと思いました。
アニメも観ましたが監督の原作愛を感じました。アニメの尺に合わせて構成を変えてあるのですが原作の雰囲気は壊さない、ファン満足の映像版です。

2019/08/24
『アルジャーノンに花束を』ダニエル・キイス #読了

白痴の青年が手術を受けて天才になっていく様が日記調で綴られます。
人よりも劣っていること、人よりも賢いこと両方の孤独が真に迫ります。賢くなった彼が誰よりも早く自分の悲しい未来に気づいてしまうシーンが切ない…。
評判通りの名作でした!

2019/08/31
『秋葉原オーダーメイド漫画ラボ』隙名こと #読了

一瞬だけ夢を叶えた失業漫画家がJK社長に拾われて新しく会社員人生を始めます。
夢の形は変わっていくものという言葉が素敵でした。主人公の未来に幸あれ!

2019/09/01
『映画ドラえもん のび太の月面探査記』辻村深月 #読了

辻村作品というより完全にドラえもん。ここまでドラえもん節に寄せられるのは作者が本当にドラえもん好きだからなんだろうなと思いました。
小説版では映画では明言されていないエスパルやディアボロのモノローグが読めたのがよかったです。彼らのモノローグは辻村さんっぽかった。

2019/09/05
『インディペンデンス・デイ』原田マハ #読了

女性たちのそれぞれの独立を描いた短編集。どの話も爽やかで読んだあとに晴れやかな気分になりました。
甘いものを食べてほっと一息したいときにおすすめ。読むことでそういう気分を味わえる一冊です。
連作短編集なので普通に物語としても楽しめました。

2019/09/10
『なめらかな世界と、その敵』伴名練 #読了

一部で話題の(?)SF短編集。最近SF集的な本をよく見る気がします。
どの話も面白かったですが「美亜羽に贈る拳銃」と「ひかりより速く、ゆるやかに」が好きでした。伊藤計劃が聖書になってる「美亜羽〜」の世界観はSF好きの妄想という感じでよかったです。

2019/09/15
『忙しいサラリーマンでも、無理せず「年間100冊の本を読む方法」』てかてん #読了

本を読む習慣はないけど本を読むことで何かを学びたいと思ってる人向けの本。著者が実際にやっている読書時間捻出方法(語弊)はかなり参考になると思います。
面白いのは、同じく年間100冊読む私とメソッドが結構違うこと。

2019/09/17
『読書好きならきっと共感できる「読書あるある50」』てかてん #読了

「わかる〜」と思うものもあれば、「自分は違うかな」というのもあって面白かったです。誰かと「あなたはどう?」とお喋りしながら読みたい本。

2019/09/19
『クローズド・ノート』雫井脩介 #読了

前の住人が置き忘れていった日記を読む女子大生の話。小説に夢中になるがごとく他人の日記にのめり込んでいきます。
一部実話を基にしたお話だそう。ほのぼのしててたまに切なくて、面白いは面白かったんですがかなり早い段階で展開が読めてしまいました。

2019/09/20
『新本格魔法少女りすか1〜3』西尾維新 #読了

ダークな魔法少女モノといえばまどマギが有名ですが、こちらはそれ以前に刊行されたダークファンタジー魔法少女小説。
クトゥルフ要素と、独自のルール上で展開される新本格ミステリーが探索ゲームっぽくておもしろかったです。
未完なのが残念。

2019/09/24
『赤毛のアン』モンゴメリ #読了

みんなアンにデレデレですごい!笑
無口な養父、ツンデレ養母、近所の女の子、厳格なその母親…と次々落としていく様はまるで逆ハーヒロインのよう。
アンの見る世界はこんなにも美しく、驚きに溢れているのかと感動しました。それが楽しくもあり羨ましくもある小説。

2019/09/26
『アンの青春』モンゴメリ #読了

アン2冊目。教師になって母校に戻ってきた16歳のアンが周囲への影響力を開花させます。1作目に比べるとアンがだいぶ大人になっててちょっと寂しいような気も。
前作は雲行きの怪しい終わり方でしたが今回は明るめのラスト。次巻は恋愛回のようなので楽しみです。

2019/09/28
『緋色の研究』コナン・ドイル #読了

シャーロック・ホームズシリーズの第1作目。時代を超えて作られたメディアミックス二次創作と合わせて4度目の鑑賞でした。
キャラもの×ご都合主義展開の親しみやすい構成。普通に面白いので訳さえ読みやすいのを選べばかなり広い層にウケそうだと思いました。さすが名作。

2019/10/01
『アンの婚約』モンゴメリ #読了

アン3冊目。夢見がちな少女が現実の薄汚れたロマンスに幻滅し、性愛が人生に介入してくることを頑なに拒むところが最高に少女小説。男性目線の処女信仰は大嫌いですが、女性目線の処女信仰や性嫌悪は大好きなのです。

2019/10/06
『始まりの魔法使い1 名前の時代』石之宮カント #読了

敬遠していた異世界転生モノですが普通に面白かったです。
竜に転生した主人公の長命で強い生き物独特の価値観が興味深かったです。

2019/10/12
『あなたは、誰かの大切な人』原田マハ #読了

心洗われる短編集。原田さんの光の部分が詰まった一冊。
原田さんの小説は恋愛、友情、年齢の垣根なくいろんな形の愛があることを教えてくれます。「愛」のグラデーションをつけるのがうまい。

2019/10/28
『キネマの神様』原田マハ #読了

父の映画への愛が奇跡を起こすおじさんシンデレラストーリー。
映画批評のライバルが登場するあたりから胸熱展開が続きます。少年漫画を読んでいるようなわくわく感。
好きという気持ち、何かに夢中になる気持ちは素晴らしいと思わせる作品です。

以上!
記録に残っている限りでは2019年は79冊の本を読んだらしい。

次回は2020年版を更新予定です〜。

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