【2018年】読了ツイートまとめ

「Twitter」から「X」に名前が変わったため、もう「ツイート」とは言わないかもしれないが……。

何年か前からつぶやいてきた読書記録をまとめようと思いつつ、ずっと先延ばしにしてきたのだが、ようやく形にできた。

何年か前の文章なので、なんかいろいろ変なことを言っていたりするかもしれないが、温かい目で見守ってほしい。

ネタバレもあるかもしれないので、閲覧は自己責任でお願いします。

2018/05/01
『つめたいよるに』江國香織 #読了

短編集。不思議で、それでいて日常を切り取ったような話が多かったです。
義務教育時代に触れた話も多いせいか、読後に懐かしさと安心感を覚えます。

2018/05/03
『落下する夕方』江國香織 #読了

一見、男1女2の三角関係恋愛模様……と見せかけて、なんだか母娘のようになってしまっている女性二人の話。
主人公とその元彼が母と父で、そのカップルを破局させたトラブルメーカーの華子が子ども、という三人家族のように見えました。

2018/05/18
『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』江國香織 #読了

江國作品は何気なく描かれる日常が美しいので、「次どうなるの!?」と急いてページをめくることは基本的にはあまりないのですが、この話は続きが気になりました。
登場人物も多く展開も早いので、普段はエンタメ性の高いものを好む人にも向いているかもしれません。

2018/05/18
『真昼なのに昏い部屋』江國香織 #読了

江國さんの小説には外国の街や人がよく出てくるのに、主人公等の重要人物は必ず日本人。それはやはり江國さん自身が日本人だからなのでしょうか?
留学経験もあるようだし、自分のアイデンティティが「日本」にあることを意識している人なのかもしれないと思いました。

2018/05/10
『リズム』『ゴールド・フィッシュ』森絵都 #読了

中学生の女の子がいとこのお兄ちゃんに憧れたり、悩んだり、夢を持ってみたりする話。
どちらも平易な文体でページ数も少なく、あっという間に読めました。
読者対象がわたしの精神年齢にドンピシャでした。(小学生〜中学生前後)

2018/05/16
『アーモンド入りチョコレートのワルツ』森絵都 #読了

人はだいたい、ローティーンの頃にはじめての「終わり」や「変化」を経験するんだと思います。
そんな子どもたちをやわらかいタッチで描いた三つのお話が入った短編集。
甘いお菓子を食べているような気分になります。
タイトルのせいかな?笑

2018/05/20
『プリンセス・トヨトミ』万城目学 #読了

展開のテンポは一般文芸のそれだけど、キャラの立て方や漫才のような会話、ぶっ飛んだ設定等はラノベに近いものがありました。作中の大阪の人たちが守りたかったのは先祖たちが守ってきた対象そのものではなく、「語り継ぐ」いう行為自体なのではないかと思いました。

2018/05/21
『いつかパラソルの下で』森絵都 #読了

タイトルからさわやかな内容かと思いきや、途中下ネタ(語弊)がまあまあ多かったです。
三人の兄妹が死んだ父親のルーツを探る話ですが、子どもたちは真実よりも大切な結末を手にします。

2018/05/27
『海がきこえる』氷室冴子 #読了

1,2巻読みました。1巻は「ロマンチシズム」、2巻は「痛み」という感じで私は2巻の方が好きでした。
「美少女に振り回される平凡な僕」というのは以降の若者向け小説(ライトノベル)に繋がる流れだなあ、と。80年代の少女小説ブームはやっぱりラノベ史的に重要なんですね。

2018/06/03
『ぼくがきみを殺すまで』あさのあつこ #読了 #NetGalleyJP

後味が悪く、強く「戦争は嫌だ」と思わせてくれる作品。
実際の戦争を知らない私達の世代には、代わりにファンタジー世界でのできごとを「リアル」と捉える感性があると思います。
だからこそ今ファンタジーな戦争の物語が必要なのかと思いました。

2018/06/07
『空の中』有川浩 #読了

前作『塩の街』もそうでしたが、未知の生き物の脅威を描くのが本当に上手。
ぶっ飛んだ設定なのに妙にリアルですし、人間じゃない知的生命体の思考回路にもすごく納得できます。
人間性を持った人間でないキャラ(=人間社会においてのマイノリティ)が好きなので、全体的に楽しかったです。

2018/06/08
『ファミリーポートレイト』桜庭一樹 #読了

マコとコマコという母娘の旅の物語。一般家庭育ちの私から見たら絶望的な、コマコから見たら幸福な母との呪いのような日々を、大人になったコマコがゆっくりと克服していきます。が…それが救いなのかどうかは読者の解釈に委ねられると思いました。

2018/06/12
『Another』綾辻行人 #読了

一番大事な仕掛けも話の本筋も実は全て学生時代に授業でネタバレされていたんですが、それでもすごく面白かったです。
メインの仕掛け以外にも細かい謎がたくさん散りばめられていて、それを追いかけているうちに長距離マラソン(700ページ近く)を全力疾走で駆け抜けていたという感じでした。

2018/06/13
『リアルフェイス』知念実希人 #読了

知念さん初読。
医療ミステリって勝手にお堅い印象があったのですが、意外にも軽い文体で、細かいジャンルは違いますがノリは神永学さんの小説に近いような印象を受けました。
別シリーズでいとうのいぢさんが絵を描いているのも納得のライト感。読みやすかったです。
#NetGalleyJP

2018/06/13
『人間に向いてない』黒澤いづみ #読了

現代版カフカの『変身』?と思いきや、描かれているのは現代の家族の歪でありふれた関係。一人息子が虫になってしまった母・美晴を中心に、変異者の母の視点からそれぞれの親子が語られます。
親と子の真実を暴いた現代の残酷なおとぎ話。#NetGalleyJP

2018/06/15
『僕の未来だった君へ』鳥海嶺 #読了 #NetGalleyJP

桜や紫陽花や紅葉や吹雪など、絵的に綺麗なモチーフを使って場面を演出しているところと、ナイーブな少年が語り手となって進んでいくところに、「君の名は。」以前の新海誠監督作品に似た雰囲気を感じました。

2018/06/17
『リトルガールズ』錦見映理子 #読了

コンテンツに含まれる要素をキーワード化したものを勝手に「タグ」と呼んでいるのですが、この小説が描き出したのは短いタグでは表しきれない心や関係の微妙な部分。ゆえに話を簡潔にまとめることが難しく、だからこそ興味深い小説だと思いました。#NetGalleyJP

2018/06/21
『滅びの園』恒川光太郎 #読了 #NetGalleyJP

個人の平和か人類の平和かを迫られ、個人の平和が蹂躙された結果人類に平和が訪れる話。
途中地獄絵図のような世界の混乱が描かれているので、平和になった世界に一応は安堵するのですが、決してハッピーエンドとは言えない読後感がありました(褒めてます)。

2018/06/25
この土日で『告白』『少女』『夜行観覧車』『贖罪』を読みました。
湊かなえさん初読。映像化されそうな作品だなと思いました。
#読了

2018/07/06
『アイネクライネナハトムジーク』伊坂幸太郎 #読了

伊坂さんの話は基本的に、一つの物語に一人(以上)ちょっとクセの強い人が出てきますが、どのキャラもどこか憎めないんですよね。

2018/07/11
『ひそやかな花園』角田光代 #読了

幼い頃に山荘で夏の数日間を過ごした男女数人が、大人になってあの集まりはなんだったのかと美しい記憶の真相を紐解いていくお話。
美しい過去が閉塞的な現実に少しだけ救いをもたらしてくれる、読後感が爽やかな小説。
同著者の『対岸の彼女』が好きな人におすすめです。

2018/07/31
『「私が笑ったら、死にますから」と、水品さんは言ったんだ。』隙名こと #読了

明るく楽しいキャラが活躍する「日常の謎」系ライトミステリー…かと思いきや、実はかなり闇の深い話。
技術の進歩で何を「娯楽」と扱うかが個人の裁量に任されるようになった今、使える技術の進歩に人のモラルや想像力が追いついていないと思うことが多々あります。本作はそこに切り込んだ作品でした。

2018/08/03
『ザ・ランド・オブ・ストーリーズ』クリス・コルファー #読了

元の世界に戻るため、集めると願いを叶えてくれる八つのアイテムを探しに冒険する兄妹のお話。児童書です。
楽しかったのですが、見知った童話のキャラに自分のイメージと違うキャラ付けがされていたりするのがちょっと読みにくかったです。

2018/08/09
『パンク侍、斬られて候』町田康 #読了

映画が(面白かったけど)意味不明だったので原作を購入。でも結局よくわかりませんでした…。
面白いおかしい台詞回しはクドカンかと思っていたけど、町田節だったんですね。
全方位の人を馬鹿にした長い文章はなんとなく銀魂を彷彿とさせました。

2018/08/29
『伊藤くんA to E』柚木麻子 #読了

伊藤くんを取り巻く5人の女達の話。一見恋愛物だが実は誰も彼を好いていないという…。伊藤くんという鏡を覗いて5人の女性達は自己を見つめ直します。
伊藤くんは人の弱さや狡さを擬人化した存在だと思いました。語るべき物語を持たない有象無象の凝縮というか…努力や成長の前に立ちはだかる実態のない壁のような。

2018/08/29
『夏の庭』湯本香樹実 #読了

なんとか夏中(八月)に読了。
200頁程の短い本ですが作中エピソードがどれもすごくいいです。最初の20頁でもうすでに面白い。
ザ・夏休み推薦本という感じですが、いろいろと忘れてしまった大人に是非読んでほしいです。
私の中では『星の王子さま』と同じカテゴリーです。

2018/08/30
『君の膵臓をたべたい』住野よる #読了

実写映画のおかげでスルーしかけましたが原作はとてもよかったです。

2018/09/05
『オーダーメイド殺人クラブ』辻村深月 #読了

いろんな意味で見ていられない作品。
主人公の少女が思い悩む中学の人間関係もしょうもないというか共感性羞恥で死にそうというか…自分の殺人をオーダーメイドするという本筋の部分も中二病真っ只中の絶賛黒歴史製造中という感じで、これはもしかしてシリアス系コメディ…?と思いました。

2018/09/08
『本屋さんのダイアナ』柚木麻子 #読了

『赤毛のアン』を下敷きにしたガール・ミーツ・ガール。現代日本のアンと親友・ダイアナの物語。
だけど、キャラの配置に一工夫されています。ガールズが仲良しで大変良かったです。
『赤毛のアン』の他にも様々な古典少女小説が登場するので読んでみたくなりました。

2018/09/08
『ランチのアッコちゃん』柚木麻子 #読了

いろんな顔を持つかっこいいアッコさんの話(2本)と、別の女性が主人公の話(2本)の短編集。
憧れの対象とそれに手を伸ばす主人公という構図はガール・ミーツ・ガールのセオリーだなあと。
本作の登場人物は皆ガールではありませんが、どの話もその図式に則っていました。

2018/09/10
『リカ』五十嵐貴久 #読了

ストーカー女・リカが牙を剥くサイコホラー小説。刺激強めです。
最後のほうはさすがにドン引きしましたが、出だしが「妻子持ちの男性が出来心で出会い系サイトに登録する」というものだったので、7割くらいは「いいぞリカ、もっとやれ」「後悔させてやれ」と思いながら読みました。

2018/09/11
『青年のための読書クラブ』桜庭一樹 #読了

桜庭さんの本は好きすぎてまとめるのが難しい…。
著者曰く、この作品は少女版『百年の孤独』(ガルシア・マルケス)なのだそうです。
終盤に出てきた重要な場所のモデルが生活圏内にあるようなので、近々聖地巡礼にいきます。

2018/09/15
『火星に住むつもりかい?』伊坂幸太郎 #読了

相互監視のディストピア社会となった仙台での正義/偽善を巡る話。
一度仙台にいったおかげで情景がイメージしやすかったです。同著者の『ゴールデンスランバー』に近い雰囲気で、設定はわりとぶっ飛んでいるけれどそこに突っ込ませない勢いと面白さがありました。

2018/09/16
『青い脂』ウラジーミル・ソローキン/訳:望月哲男、松下隆志 #読了

スーパー読みにくい……と思ったら、「まだ生まれていない新しい言葉で描く」という試みだったようです。
序盤は造語やオリジナルの言い回しが多用されていて、『なんとなく、クリスタル』的な試みなのか…?と思いました。

2018/09/27
『早稲女、女、男』柚木麻子 #読了

「男ウケは悪いけど女子ウケはいい」「いつも何かと戦ってる」第三の性・ワセジョ賛歌の物語。
早大だけでなく東京のいろいろな私大の女子大生が登場するのですが、それぞれの大学の雰囲気がとてもよく出ていました。
受験生の志望校選びの参考にもよさそう。

2018/09/30
『私にふさわしいホテル』柚木麻子 #読了

不遇な新人作家のドタバタコメディかと思いきや、夢を叶えるためになりふり構わず奮闘する貪欲で切実な乙女の物語。
ライバル役の嫌味なジジイ(ミソジニスト)(文壇のトップ)と主人公の関係もよかったです。

2018/10/01
『ナイルパーチの女子会』柚木麻子 #読了

キャリアウーマンの栄利子と主婦ブロガーの翔子の噛み合わない二人の関係を描いた、「友達社会」の不適合者の物語。
多分意識して描かれていると思うのですが、栄利子の空気読めないモンスターっぷりは完全に同性社会の異物でした。

2018/10/06
『BUTTER』柚木麻子 #読了

濃厚すぎてうまく消化できていませんが、とりあえず飯テロ官能小説。夜中に読んではいけない。
母性・父性神話の辺りが刺さりました。

2018/10/17
『斜陽』太宰治 #読了

いい歳の元貴族のお嬢様の話。
時代が違うとは思えないほど「私(貴族)にはリアリズムがない」の辺りが個人的に共感できすぎました。
「母になる性」でないと得難い感性ってあると思うのですが、それを男性の著者がここまでリアルに描けるのが驚きです。

2018/10/23
『私はあなたの瞳の林檎』舞城王太郎 #読了

ティーンエイジャーの恋愛が3本入った短編集。
舞城さん初めて読みましたが、舞城さんの「世界の見方」みたいなものがとてもわかりやすくピュアな恋愛に乗せられていて、しかもそれがすっと入ってきました。
爽やかでクールな知性に目が醒めるような一冊でした。

2018/11/28
『アンドロイドの恋なんて、おとぎ話みたいってあなたは笑う?』青谷真未 #読了

一昔前は完全にSFかファンタジーだったロボットの存在が、AIの台頭によって身近になってきました。
「ロボットに感情は生まれるのか?」「人とロボットの違いは?」みたいな話が大好きなので、こういう物語が増えて嬉しい限りです。

2018/12/03
『コンビニ人間』村田沙耶香 #読了

「普通」が揺らぐと話題のこの本。おもしろかったです。
人によって意見が分かれそうなラストですが、私はハッピーエンドだと思いました。

2018/12/14
『すばらしい新世界』オルダス・ハクスリー著、黒原敏行訳 #読了

大量生産・大量消費が加速した結果、人間も規格化・均質化され(壜で人工的に)大量生産されるようになった未来のディストピア長編小説。
終盤の「不幸になる権利」や宗教の話、あと巻末の解説がおもしろかったです。

以上!
2018年は125冊もの本を読んだらしい。
記憶に残っている限りでは年間最多だったような……。

近々2019年版以降も更新する予定です。
がんばってまとめるぞ!

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