【読書】天才科学者はこう考える 読むだけで頭がよくなる151の視点

●感想

科学者たちが様々なテーマについての考えを述べている。数は多いが1つ1つは1ページ~数ページ程度なので読みやすい。新しく知ったり、知ってたけど意味をよく分かってなかったワードを調べるきっかけにもなったし、広く浅くの情報ではあるけども、普段考えない視点での話もある。たくさんありすぎて全部を覚えておくのは無理なので、たまに見返すのは必要そうではある。
それにしても確かに人間の進化はまだ続くはずで、遺伝子操作などによりスピードも早くなるし、今のままということは無いんだろうなあと改めて実感。現状だとまずはウィルスに強い遺伝子を持つ人が生き残るということだろうか。

●アクション

まだまだ話が難しいと感じる部分も多いので、読書を継続する。

●気になったポイント

多くの人は人間を進化の頂点に位置すると思っているが、山の中腹にすら達していない。進化の歴史は人間が誕生する前よりも後のほうが長い。遺伝子操作や人工知能などの発達を考えると進化はさらに急激になる。
汎用性の原理。あなたは特別ではない、という原理。人類にとって重要なもの全ては偶然の産物。
地球上に生命が生じたのは誰かの壮大な計画があったからではなく、平衡状態からエントロピーが増大していくなかで生じた副産物にすぎない。
科学的な生活で最も重要なのは自分の考えと矛盾する情報に出会ったとき、その情報に基づいて自分の考えを更新すること。
何か不可解な状況に直面した時、この問題を解決するのにどのような思考実験が役に立つかを考えるのは有意義。
現在の科学理論は全て暫定的なものであり、どれも誤っている可能性がある。
何か気に入らない結果がある時、誰か特定の人を原因だと決めつけやすい。本当は複雑な原因がある。人間な脳はこうした道徳戦争、情け容赦無いゼロサムゲームに適応するように進化している。
人間は自分の信念に合う物事はよく覚えるが合わないものはあまり覚えない。自分とは考えの違う人が何を記憶するのかを想像すると良い。
意思力とは注意のスポットライトを適切なところに向けられる力。
科学者でさえ単に名前をつけただけで何かを説明したような、理解したような気になりやすい。
ヒヨコが卵からかえるとクチバシで地面をつつき始めるのは本能だと思われていた。研究の結果、卵の中にいるときに頭が心臓のすぐ上にあり、その鼓動で上下に動くようになる。本能ではなく、卵の中で練習済み。
「理論」は科学では強固だが、一般的には曖昧。「法則」は逆に科学では曖昧。そのせいで科学者と一般人で誤解が生じる。
失敗が許されている環境では成功の可能性は高まっていく。
「シフティング・ベースライン症候群」環境が悪化してるのに評価基準を無意識に下げてしまうせいで問題を認識できなくなる。
正常だと思い込んでいることが実は正常ではないケースも多い。何をもって正常とみなすのかを繰り返し問いかける必要がある。
昔はゼロサムゲームの状況で常に戦いが続いていた。最近ではみんなで協調し合い市場拡大を促すポジティブサムゲームを良しとするイデオロギーが主流になった。
遺伝子、細菌、動物社会などの誕生は全てポジティブサムゲームの始まりと考えられる。個が全体の一部になっているため、個が全体を犠牲にして利益を得ることを防げる。
意図的にセレンディピティが起こりやすい状態に置くことで創造性が高まる。週に何時間かは自分の仕事に関係ない文献を読むべき。
この世界にはランダムなものがある。
絶対に予測できない出来事がある。
ランダムな出来事は単独では予測不可能だが、多数をまとめると予測が可能になる。
一人だけが思いつくこと、他の誰にも思いつけないことはこの世にない。天才とは他にない独自の発想をする人のことではなく、次々に色々な発想ができる人のこと。
自分の周囲について正しく認識するには、この先受ける感覚情報を的確に予測する必要がある。予測コーディング。世界の認知はボトムアップでなくトップダウン。
視覚系には2つの種類がある。周囲の世界を見せること、行動を制御すること。物体の誤った像が目で見えていても、手はその物体に適切な反応ができる。
嗅覚も2つ。吸気で周りのにおいを感じる。呼気で喉を通ったばかりの食べ物のにおいを感じ取る。期待の快楽と報酬の快楽。
ポテトチップスの湿気てる時の味の違いはほとんど触覚。
どの生物も環境情報のごく一部のみを受け取っている。環世界という。
正常な行動と異常な行動の間に明確な線引きはない。人は大なり小なり異常な部分がいろいろある。
見つけたい情報が無いという事実を検索者に分からせる方法はまだない。
人間の中には約10兆個のヒト細胞と役100兆個の細菌性細胞があるといわれている。体の90%は人では無いもの。天の川銀河の星の数より多い生命体が体の中にいる。


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