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高尾歳時記 2024年1月8日(月・祝)

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天気:晴れ
気温:7.5℃(高尾山山頂 11:00)
人出:混雑
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今日は成人の日の祝日です。

一昨日1月6日は二十四節気の小寒で、立春までの向こう一ヶ月は寒の入り。年間で最も寒い時期とされます。

本日の日本列島は典型的な西高東低、冬型の気圧配置となりました。こんな日、南関東には列島の中央部の山地から乾いた空気が吹き下ろし、乾燥した晴れの天気になります。

ただし、吹き下ろす大陸の寒気由来の空気は冷たく、また夜間の放射冷却により冷え込みは厳しさを増します。観測によれば、本日未明の高尾山山頂の気温は零下5℃。早朝出発時点の高尾山口駅前の気温は零下1℃でした。

厳しい寒さですが、こんな日は高尾の冬の名物であるシモバシラの氷華が期待できます。この三連休は奥さんが久しぶりに参加してくれることになったのですが、どうしても氷華にガイドしたくて、週末前から天気予報と予想天気図を読み解いて、気温が上がると考えた土曜日と日曜日は見送り、あえて今日を選びました。

厳しい冷え込みになることはわかっていたので、準備はバッチリ。凍てつく空気の中、駅前で準備運動して出発。期待通り、いつもの観察スポットで、あちこちにその可憐な姿を見つけることができました。

シモバシラはシソ科の多年草で、秋に小さな白い小花が鈴なりに並んだ可憐な花を咲かせます。そのあと、冬になると地上部分は枯れて朽ちてしまうのですが根は生きていて、地中から水分を吸い上げ続けます。すると、吸い上げられた水分が地上の枯れた茎から徐々に滲み出て、それが冬の冷え込みが厳しい夜間に凍りつき、さらに吸い上げられた水分により徐々に押し出されて成長し、氷の花になります。

この過程で、地上の枯れた茎は氷結による膨張と解氷による収縮を繰り返すことでボロボロに朽ちていき、氷の花を咲かせる力も衰えていきます。今年は年末の冷え込みが厳しかったことから朽ちるのも早めのようです。既述の観察スポットにおいては、年末には10cm以上に成長した立派な個体があちこちにあったのですが、本日見かけたのは3〜4cmほど。

この冬、次いつ見頃の天候になるかわかりませんが、徐々に小さくなるのでぜひ機会をお見逃しなく。

シモバシラの氷華も含め、冬の高尾の明媚なスポットを巡ってきました。

早朝の高尾山口駅を出発。めちゃくちゃ寒いですが、わかっていたので準備はバッチリ。
空は抜けるような青空。これは好天が期待できそう。楽しみです。
冬の東京は降雨が少なく、この時期、小仏川が枯れている姿をよく目にします。
裏高尾は高尾山の北斜面に面していて、この時期日照時間が短く特に冷え込みます。
ですが、この厳しい冷え込みは、街中では見ることのできない奥深い季節感を足元に生み出します。
夜露がそのまま凍ったのでしょうか。自然が作為なく作り出すアート。
このクサイチゴの葉は深く紅葉したところで、砂糖菓子のような霜に覆われています。他の季節と比べると生命感に乏しい冬の高尾ですが、路傍をよく観察するとそこには確実に自然の営みがあります。
これはジャノヒゲの実。ラピスラズリのような美しいブルー。
山はすっかり冬景色ですが、名残の紅葉があちこちに。
モミジイチゴの葉が美しいグラデーションをまとっていました。
飴色に色づいたテリハノイバラの葉。
陽光に輝く相模湾。遠景には遠く房総半島まで見渡せます。今日空は霞なくクリスタルクリア。素晴らしい眺望です。
同じ位置からズームして、江ノ島のシルエットを捉えました。今持っているレンズではこれが限界。
(小仏)城山山頂から、富士山。今日はいつにも増して素晴らしいクリアな眺望。
同じく城山から都心方面の遠景。こちらも霞なくクリスタルクリア。この冬一番のコンディションです。
同じ場所からズームアップ。東京スカイツリーもくっきりと見えます。
一丁平の展望台より。ここからも素晴らしい富士山の遠景を望むことができました。
今日はシモバシラの氷華が期待できると思いましたが、バッチリ!
年末の寒気到来の時と比べると小ぶりですが、優美な姿です。
なにより出会えることが嬉しいです。今日来てよかった!
シモバシラの花(9月下旬撮影)
今日は一日中素晴らしい晴天でした。
高尾山山頂に到着。引き続き空は霞なくクリスタルクリア。
同じく高尾山山頂から。今日は本当に素晴らしい!
奥に見えるのは冠雪した南アルプス農鳥岳と塩見岳。これが見えるのは空が最高のコンディションである証です。
あまりにも素晴らしいので、高尾山山頂からのパノラマビューを山座同定。まずは南西方面(向かって右)。
そして、南から南東方面(向かって左)。


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