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高尾歳時記 2024年1月31日

昨日日本列島は高気圧に覆われて全国的に好天となりましたが、本日1月31日は高気圧が次第に東へ移動し、西から前線を伴った低気圧が近づいてくる予報。

1月31日午前9時の天気図(注1)

午前中、南関東はまだ高気圧の圏内で好天予報でしたが、西から湿った空気が近づいてきたことで、富士山には笠雲がかかりました。

笠雲は富士山のような独立峰に発生する雲で、湿度が高く湿った空気が強い風により山にぶつかり、山頂方向に吹き上げるような気象条件の時に生じます。観測によると、31日の富士山山頂の風速は20m/sを超えたそうで、さらに西から近づいてきた低気圧が作用して、笠雲を発生させたようです。教科書通りですね。

この笠雲、遠くから見ている限りは微動だにせず安定的に傘を山頂にかけているように見えますが、実際は、風が絶えず流れ湿度を供給し続け、雲は高速で新陳代謝を繰り返しているのだそうです。冬の富士山山頂の風はすごいらしく、雲ひとつない関東の冬の快晴の日でも、富士山の山頂付近では強風に巻き上げられた雪が雪煙となって流れていく(西からの風、いわゆる偏西風がぶつかるのので東側方向、高尾山から見ると左の方向に流れる)様子を、肉眼でも観察することができます。

激しそうな富士山とはうらはらに、今日の高尾は気温高めで風もなく、ポカポカ陽気でした。お花の季節はまだまだ先ですが、梅の開花が進み、一部は見頃になっています。今年は全般的に暖冬傾向で、高尾の梅の開花も例年より早めです。

この季節に例年見頃を迎えるロウバイは咲き揃い、ピークに近づきつつあります。向こう一二週間ぐらいで見頃のピークを迎えそうです。咲き揃ってくると、蜂蜜を練り込んだ石鹸のような甘い爽やかな芳香があたりを漂います。

天気は下り坂の予報でしたので、午前中に下山できるように計画。森を中心に巡ってきました。

高尾では梅の開花が進んでいます。小仏川の河原でも開花が始まっています。
高尾では紅色の花が先に開花する傾向がありますが、白い花の開花も始まっています。
小仏関所跡の公園の梅は徐々に紅白に染まってきています。
小仏関所跡のサンシュユの木。蕾はパンパンに膨らんでいて、開花は秒読みですね。山吹色のかわいい花が咲きます。
ロウバイの花は見頃のピークに近づきつつあります。あたりには甘くて爽やかな芳香が漂います。
ずっと降雨がなく乾燥していましたが、先週末に雨が降り、川の水量は若干ですが回復しています。
ご来光!
真冬ですが、ここは南に面して比較的太陽の光があたりやすい雑木林。常緑紅葉樹が緑の景色を保っています。
杉檜の植林の森で、上を見上げてパチリ。
お花に乏しい季節なので、コウヤボウキのピンクの綿毛は目立ちます。
これはイノシシが地面を掘り返して食べ物を探した跡。食料に乏しい冬は、このようなイノシシの捕食の跡をあちこちで見かけます。
(小仏)城山の山頂に到着。行きの電車の中から見たとき、笠雲はしっかり形を保っていましたが、若干崩れていますね。
城山山頂から都心方面。天気はいいのですが、湿度高めで霞が濃く、遠景は限定的でした。
爽やかな森。森林浴を楽しみます。
一丁平の桜の木。お花見の季節が待ち遠しいです。
一丁平の展望台に到着。
雲が風情を添えて、これはこれでいい眺めです。
高尾山山頂に到着。笠雲は徐々に流れていきました。
同じく高尾山山頂から、丹沢主脈方面。霞は強いのですが、稜線の景色は良好でした。



参考資料
「今朝は富士山に大きな笠雲が出現 前線接近で天気崩れる前兆」、ウェザーニュース、weathernews.jp、2024-01-31(参照:2024-01-31)

(注1)
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出典:気象庁HP 各種データ・資料 過去の天気図

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