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風と水の大地株式会社/鳥谷恵生さん

2023年12月1日&8日放送

 今回のお客様は、四万十市で有機農業と加工品製造・販売を行っている「風と水の大地株式会社」代表取締役・鳥谷恵生さんです!

■ 鳥谷恵生(とりや・けいせい)さん
四万十市出身。子どもの頃から祖父母が米作りをする姿を見て育ち、大学卒業後は会社員を経て高知へUターン!高知市土佐山の「とさやま開発公社」で有機農業を学びます。その後、四万十市の農地を受け継ぎ、有機の稲作や野菜の栽培、加工品製造・販売を行う「風と水の大地 株式会社」を設立!そのほかに有機農産物などを取り扱う「有限会社高生連」の事業にも取り組み、2022年からは四万十市議会議員も務めています。

〔 番組収録風景 〕

▶ 自然を守る仕事をしたい!

 特撮戦隊ヒーローに憧れていた小学校1年生の頃、川に落ちていたゴミを拾って家に持ち帰ったところ、母親から「地球を守ったね」と言われて「将来は自然を守る仕事をしたい!」と思うようになった鳥谷少年。翌日からは妹2人を連れて毎日ゴミ拾いに出かけたそうです。単純だけど、正義感にあふれた少年時代を過ごしたんですね。

 その後、高知工科大学の物質・環境システム工学科に進学して、自然エネルギーや国際協力について学び、新しいエネルギーを開発したいと考えるようになります。また国際協力の授業で「干ばつに苦しむ地域では井戸を一つ掘るだけで多くの命が救われる」と聞き、アフリカに行って井戸を掘ることを計画。千葉県上総地方に伝わる「上総掘り(かずさぼり)」の技術を応用して実際に現地で井戸を掘っているNPOを頼り、キリマンジャロの麓にあるマサイ族の村で井戸を掘ってきたそうです。抜群の行動力ですね♪


 大学卒業後は名古屋市にある投資関係の会社に就職しますが、自分が本当にやりたい仕事は農業だと気づいて高知へUターン!有機農業を学ぼうと、高知市土佐山「夢産地とさやま開発公社」の研修生として2年間働きます。

 「とさやま開発公社」では、有機農業はもちろん、四方竹やユズの栽培、生姜を使った加工品製造、堆肥の作り方など様々なことを学んだ鳥谷さん。当時の経験が今の活動の礎になっているんですね。

〔 元気な新ショウガ! 〕


 一方で自然エネルギーへの関心も持ち続け、四万十市に200平方メートルの土地を借りてソーラーファーム事業にも取り組みます。畑の上にソーラーパネルをつけて太陽光で電力を生み出すというこの事業は全てDIYで作ったというから驚きです。

 好奇心と行動力が旺盛で、それと同時に物事をやり遂げる粘り強さも持った鳥谷さん。当時は農作業用の軽トラの中でTVドラマ『WATER BOYS 2』のテーマソングを繰り返し聞き、将来、自分が胸に抱いている夢を成し遂げる姿をイメージしていたそうですよ。


▶ 風と水の大地株式会社を設立!

 「夢産地とさやま開発公社」での2年間の研修を終えたあと、四万十市の農地を受け継いで有機農業に取り組み始めた鳥谷さん。
・自然と共生する社会を実現する
・自然と人に優しい技術と商品を普及させる
という2つの理念を掲げて「風と水の大地株式会社」を立ち上げました。

〔 緑にあふれた四万十市の環境 〕

 現在は、無農薬の米やナバナなどを中心に栽培しています。米は普通に食べる「飯米」のほか、最近は「米粉用米」の作付けにも力を入れています。

 米の有機栽培において最も苦労するのが除草。昔は田んぼに十数人が入り一列に並んで草とりをしていたそうですが、最近ではアイガモ農法やジャンボタニシ農法などいろいろな農法が登場しています。環境にやさしく、且つ農家の収益アップにもつながる農法が広く普及するといいですね。

▶ 通販ショップもあります!

 「風と水の大地株式会社」ホームページには、米や加工品を販売する通販ショップがあります。現在、今年の新米を販売中!赤トンボ舞う田んぼで育った美味しい「しまんと自然米」をぜひお召し上がりください。

 加工品でいちばん人気があるのは「無添加ジンジャーシロップ」

〔 無添加ジンジャーシロップ 辛口・甘口セット 〕

 四万十川流域で育てた農薬・化学肥料不使用の生姜を100%使用し、調味料として使っているレモン果汁や砂糖も有機JAS認証のオーガニック商品、唐辛子も栽培期間中、農薬・化学肥料不使用です。

 ガツンとくる生姜感にこだわって、すりおろし生姜を入れた【辛口】と、生姜の風味をマイルドに楽しみたい方向けの【甘口】。
梅酒に入れて「梅酒ジンジャー」、ウイスキー+炭酸+ジンジャーシロップで「ジンジャーハイボール」、ビールで割って「シャンディガフ」など、お好みの飲み方でお楽しみください。


 また「究極のゆず胡椒」も好評です。

 無農薬の青ゆずに、高知県産の青唐辛子、そして黒潮町産の天日塩を使用した無添加のゆず胡椒です。爽やかなゆずの香りと、角の取れた旨みのある辛さで、料理の味を底上げしてくれる仕事ぶりはまさに究極。 肉や魚はもちろん、鍋・和え物など様々なお料理にお使いください。


 そのほかにも「無添加しまんと菜の花&人参の生ドレッシングセット」や「からだに優しい無添加ジャムセット」「しまんと生姜パウダー」などが人気。お求めは「風と水の大地オンラインショップ」からどうぞ!

〔 四万十市の美しい風景 〕

▶ 高生連でも活動中!

 鳥谷さんは「有限会社高生連」の青果担当としても活躍しています。
「有限会社高生連」は1989年創業。主に高知県の有機農産物の県外出荷に取り組んでいます。具体的には、関東・関西といった大きな消費地のニーズを聞き、それを高知の生産者に伝え、ニーズに合った農産物を栽培してもらうことで、生産過多を防ぐことを目的としています。

 そんな活動をする中で、高知県の農家さんと交流することも多く、20~80歳代の幅広い年齢層の生産者さんにお世話になっているそうです。たくさんの農家さんと交流する中で感じるのは「高知には個性的な生産者が多い」ということ。高知には海に近い温暖な場所から山間部の冷涼な場所まで様々な地形があり、栽培されている作物も多種多様。それに合わせて、生産者さんもユニークな方が多く、「高生連」のホームページでは、そんな個性的な生産者さんをたくさんご紹介しています。

 いろんなこだわりを持ったユニークな生産者さんが「野菜王国・高知」を支えてくださっているんですね。

▶ 高知県の農業が抱える課題は?

 鳥谷さんは、2022年の四万十市議会議員選挙に立候補して当選し、現在一期目を務めています。(産業建設委員会に所属しています)

 市議会議員として活動する中で感じるのは「高知県の農業には様々な課題があるが、行政として出来ることがまだまだある」ということ。

 例えば、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻や、コロナ禍における物価高騰、また円安の影響などで、農業生産に必要となる肥料などの価格が高騰しています。それは農家さんの経営を圧迫しており、いま安価で高品質な肥料が求められています。そんな中、現在焼却処分されている有機物、例えば馬糞などを良質な堆肥に変えることができれば、農業生産の大きな助けになるだけでなく、処分にかかる費用が不要になるというメリットがあり、この取り組みはいま大きな注目を集めています。

 他にも、物流の問題や後継者不足の問題など、高知県の農業が抱える課題は様々ありますが、現場の声を丁寧に拾い上げ、対策に向けた議論を深めることで、きっとより良いアイデアが生まれるはずです。そんな行政の底力にも期待したいですね。

〔 処分される有機物を良質な堆肥へ! 〕

▶ 今後の夢は?

 以前は自分の足りないところばかりを数えてしまうような性格だったという鳥谷さん。ある方から「幸せだから感謝するのではなく、感謝するから幸せになれる」という言葉を教えていただき、自分がいま持っているものに目を向けるようになったそうです。

 また最初の一歩を踏み出す勇気を持つこと、そして出来るまでやること、そんな気持ちを大切にして目の前のことに立ち向かっていると話してくれましたよ。鳥谷さんが言うと説得力がありますね。


 最後に鳥谷さんの今後の夢を伺いました。

■ 未利用有機物を良質堆肥に変え、農家の生産を後押し!
■ 米粉工場の建設
■ 環境に優しく農家の収益もアップできる農法の普及促進


 以前は国の食糧管理制度により30キロあたり1万円で買い上げていたお米が、今では半値の5千円ほどになっています。この間、肥料・農薬・機械代は上がっているにも関わらず、売値が半額になっていることで米農家さんは大変苦労しています。そんな中、米粉の支援策は少しずつ充実しつつあるので、今後は米粉を作ることで米農家さんの所得を上げて、米粉を使った加工品づくりにも取り組みたいと語ってくれました。

〔 しまんと米粉「あきつっ粉」 〕


 故郷・四万十市、高知県を良くしたいという熱い想いと、抜群の行動力、そしていろんな方々の声をよく聞く耳を持った鳥谷さん。今後の活躍にも期待しています!

【 放送プレイバック 】📻✨
★ 12月1日(金)放送 ⇒ 
コチラ から!
★ 12月8日(金)放送 ⇒ 
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