見出し画像

採用担当になったら押さえておきたいルール

こんにちは。ぷらいむ です。

採用担当だった頃、どうやって母集団を形成し、会社が求める人材を採用するか?というのも勉強になりましたが、各プロセスで色んなルールがあることも勉強になりました。

今回のnote では、押さえておきたいルールについて書いてみたいと思います。
各法律のすべてを知るのは大変かと思いますので、関係する部分については押さえておきたいところです。


労働条件関係のルール

どういう人材をどういう労働条件で雇用するか?を考えるのは現場のケースはありますが、採用担当者は出てきた労働条件が適法なものかチェックし、応募者に説明する役割があります。

労働基準法

労働時間や休日、残業や裁量労働に関する労働条件については労働基準法に定めがあります。
採用に関わらず人事担当者がおさえておく法律です。

雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法

パート・アルバイトなどのフルタイム以外で雇用する時は、週の労働時間等により社会保険に加入するかどうか関わってきます。
社会保険の加入は応募者の方にとって関心の高い話題になりますし、入社手続きでは家族の状況により提出書類が変わってきますので、実務的な理解が必要となります。

最低賃金法(都道府県別最低賃金)

ここ近年、最低賃金(都道府県別)は毎年、時給ベースで30円近く上がっています。
設定する賃金が月収でも時給に換算した時に最低賃金を下回ってしまうと法違反状態となりますので、把握しておきたいところです。

また、東京のオフィスを本拠地として雇用している人が、地方で在宅勤務している場合、東京の最低賃金が適用されます。
そういったルールも押さえておきましょう。

募集・選考関係のルール

募集や選考については、誰もが選考を受ける機会を持てること、本人の経験やスキルで採用を判断する「公正採用」が求められ、ルール化されています。

職業安定法

特に関わりがあるのは、募集時に労働条件を明示すること(第42条「募集内容の的確な表示等」)
現在でも労働条件を明示するルールとなっていますが、今後、より具体的な対応が求められそうです。

日経新聞「勤務地や職務、全社員に明示「ジョブ型」へ法改正検討」(2022年8月31日)

なお、職業安定法は有料職業紹介やハローワーク等の無料職業紹介の根拠になる法律でもあります。
この10月にも法律が改正され、有料職業紹介事業者の登録が拡大されます。コンプライアンス遵守の視点から適法な事業者を使うというのも採用担当者としての役割になります。

男女雇用機会均等法

男女雇用機会均等法は、セクハラやマタハラの防止の方が取り上げられますが、募集・採用について差別の禁止という規定があります。(第5条「性別を理由とする差別の禁止」)

原則として募集に男女で差別することが禁止されていますが、募集する職種の女性比率が4割を下回る場合は4割を超えるまではポジティブアクションとして女性を限定して採用活動を行うことができます。(第8条「女性労働者に係る措置に関する特例」)
※ただし、求人に「ポジティブアクションを理由とする」旨の明記が必要です。

労働施策総合推進法

労働施策総合推進法も、パワハラへの措置が注目されたため通称で「パワハラ防止法」と言われていますが、採用にも関わりのある法律です。

採用で関わる部分は大きく3点

まず、募集や採用時に厚生労働省令に定める以外は年齢制限してはいけないこと(第9条「募集及び採用における年齢にかかわりない均等な機会の確保」

次に、外国籍の人を雇用したら厚生労働大臣(窓口:ハローワーク)に届け出ること(第28条「外国人雇用状況の届出等」)

そして、300人を超える会社は中途採用者の比率を公開すること(第27条の2)です。

公正採用

法律ではないですが、厚生労働省から「公正な採用選考の基本」というルールが出ています。
エントリーシートや面接時に以下の例のように応募者の適性や能力と関係ないことを訪ねて就職差別をしないようにすることが目的です。

<a.本人に責任のない事項の把握>
・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること

<b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

<c.採用選考の方法>
・身元調査などの実施 (注:「現住所の略図」は生活環境などを把握したり身元調査につながる可能性があります)
・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施

厚生労働省HP「公正な採用選考の基本」より

最近、応募者のバックグラウンド調査のサービスが出てきましたが、「身元調査」に該当する例も出ています。
トラブル時にはハローワークから指導、時に外部団体からの抗議が入りますので、応募者の前職の情報を知りたい場合は本人を通して行うことを前提にした方が良いです。

内定・入社関係のルール

内定は、会社が応募者に対して「採用したい」と意思表示をし、応募者も会社に対して「入社したい」と意思表示をした状態のため、労働契約が成立しているとみられます。(入社がまだなので「始期付解約権留保付き労働契約が成立する」という状態。)

労働契約法

労働契約法は、労働基準法と同じく人事担当者はおさえておきたい法律です。
採用に関しては、第6条「労働契約の成立」という部分が関係します。
条文はシンプルですが判例が色々あるので、セットでみておくと理解が深まります。

労働安全衛生法

労働安全衛生法は、働く人の安全や健康を守るための法律です。

入社時には「雇入れ健康診断」の実施が義務付けられているので、内定者に受診してもらいます。
あくまでも目的は「配置」。先の就職差別にあったように、健診結果で採否を決めるのはルール違反となってしまいます。

さいごに

このほかにも、障がい者を採用する時には「障害者雇用促進法」、外国籍社員を採用する時には「入管法」など、関りのある法律が出てきます。

ルールを押さえた上で採用活動を行うと仕事の質も上がりますし、応募者にとってもコンプライアンスがしっかりしている会社として安心感をもってもらえます。

ぜひとも、仕事のご参考になさってください。

ブログ村
 ↑ ブログ村のブログランキングに参加しています。
  よろしければ応援のクリックをお願いしますm( _ _ )m


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?