オンライン上の「新しい居場所」│ライブ配信って誰が見てるの?
こんにちは、PRIME代表の阿部伸弘です。
PRIMEはライバーマネジメント事業を軸としたITスタートアップです。
学生時代に起業してから10年、SNS領域でスマホアプリを作り続けてきました。
2017年以降は、ライブ配信者を生み出し育成するライバーマネジメントに特化しています。
ライブ配信についてよく知らない方に向けて業界の情報発信をしています。
そもそもライブ配信とはという方は第1回をご覧ください。
前回はどんな人がライバーになっているのかについて書きました。
本日は、ライブ配信を視聴している人がどんな人かについて書いていきます!
Youtubeやゲーム等のコンテンツ型でなく、Pocochaや17等のコミュニケーション領域のライブ配信を視聴している方に焦点を当てています。
結局、誰がライブ配信見てるの?
「ライバーが増えたのは分かるけど、どんな人が見ているんですか?」
よくいただく質問です。
逆にどんな人が見ていると思いますか?と質問すると、
「アイドルオタクとか、あとは学生とか若い人ですかね?」と言われることがほとんど。
少しライブ配信を覗いたことがある方だと、キャバクラに近いですよね?と言われることも。
こういった質問が多いのは、ライブ配信が限定的なターゲットで自分に縁のないサービスだと考えている方が多いことが理由でしょう。
東京在住のIT界隈の方からすると、周りにライブ配信が好きな方がそこまで多くないため、数字上での市場の盛り上がりを不思議に思うのだと思います。
コミュニケーション型のライブ配信アプリは、20代以降の幅広い年齢層の方が利用しています。
公式のデータは出ていませんが、視聴者に直接話を聞いていると主な年代は40代~60代。
職業は様々、都心よりは地方にお住いで、男性が特に多い傾向にあります。
ライバーの年齢も学生などの若い方がメインだと思われがちですが、視聴者もイメージよりも上の年齢層にまで浸透していることが分かっています。
なぜライブ配信が必要とされるのか
◆日本人は孤独に陥りやすい
第1回の記事で、リスナーが投げ銭をする一番の理由は「孤独感と暇な時間を解消するのに費用対効果が高いこと」だと書きました。
実は日本は”世界一孤独な国民”と言われるほど、中高年の特に男性が孤独に陥りやすいと言われています。
老後の3Kと言われる1つにも孤独が入っており、高齢になればなるほど孤独な状態に陥る可能性があるとされています。
引用:
OECD(経済協力開発機構)の調査によると、友人、同僚、その他コミュニティの人と「ほとんど付き合わない」と答えた日本人は15.3%で、加盟国中でトップだったんですよ。こうしたデータから何が見えてきたのか。日本は孤独という「国民病」を患っているのにもかかわらず、それに気付いていません。
視聴者へインタビューさせていただいた際、40代~60代の方の多くが「普段、誰かとしゃべる機会がない」とおっしゃっていたのが印象的でした。
会話がなくても平気という方もいらっしゃるかと思いますが、寂しさを感じる方が多いと思います。
視聴者の方は、ライバーが自分を認知して日常的に気軽にコミュニケーションが取れる体験により、孤独が解消されているのではと考えています。
またライブ配信は視聴するだけあれば無料。
例えば金銭的にスナックや居酒屋は毎日行けなくても、ライブ配信は24時間いつでも視聴可能なので、自分が使えるお金の範囲で楽しむことができます。
◆応援したい
コミュニケーション領域で活躍するライバーは一般の方がほとんどです。
ゼロから始めることになるので、視聴者の存在が評価のすべて。
最初の配信からずっとこのライバーを応援していますという方もいらっしゃいます。
自分が認知されているライバーが成長して活躍することは、身近な人の成功であり、一緒にがんばってきた達成感であり、またその活躍への貢献できたことによる喜びは一入。
配信を頑張るライバーの日々の努力を理解すると、その頑張りが報われて欲しい、もっと応援したいという気持ちになっていきます。
誰かを応援することでエネルギーが湧いてくることってありますよね。
応援は、幸せホルモンとも呼ばれる「オキシトシン」が分泌され、心が安定したりストレスが緩和されると言われています。
ライブ配信にもその効果があるかもしれません。
◆居場所、コミュニティ
ライバーを応援する気持ちはもちろん、同じ配信の枠内にいる視聴者仲間との時間が楽しいとおっしゃる方が多いです。
配信側と視聴者側双方で、ライブ配信は単なるエンタメでなく、オンライン上での「新しい居場所」になっています。
オンラインで出会ったコミュニティでリアルで会ったかのような信頼関係を築き、継続的に心地よく過ごすことができることに価値があります。
ライバーが配信を続けることでコミュニティが成り立つので、視聴者側の協力が不可欠になっています。
Pocochaのコミュニティマネジメントの例が分かりやすいです。
視聴者(リスナー)側にもどのようにライバーや他のリスナーとコミュニケーションを取ると良い関係性を築くことができるか、事細かに記載があります。
Pococha(ポコチャ)公式 コミュニティハンドブック Ver.0.1
コミュニティハンドブックから引用
・相手の気持ちを考えた思いやりと感謝のあるコミュニケーションをとり、配信枠のみんなとライバーを応援しましょう。
・ライバーとのコミュニケーションを独占しようとせず、配信枠にいるみんなで一緒に盛り上がることを心がけましょう。自分の話ばかりをするのではなく、コメントの流れや雰囲気を読んだり、他のリスナーの話から会話を広げたりすることで、配信枠全体でのコミュニケーションを楽しむことができます。
・ライブ配信は、まずライバーがカメラの前に立ち、配信枠という場所をつくるからこそ成立するものです。日々配信するライバーの努力を知り、言葉で感謝を表現しましょう。
・あなたが楽しいと思える応援をしましょう。ライバーにお願いされたり、他のリスナーがやっていたとしても、過度に長時間の視聴や無理のある応援をすることは、長期的にライバーを支え信頼関係を築くことにつながりません。
ライブ配信はリアルでは出会えなかった新しいコミュニティがつくれるようになりました。
強制的でなくゆるく繋がることができる気軽さと、お互いを認知できる親密性がポイントかと思います。
視聴者はこれからも増える?
引用元:Pococha公式note
私は、今後も視聴者の数は増えていくと考えています。
まずは、スマホの進化。
日本のケータイ所有者のうち、スマートフォン比率は9割を超えています。
今後スマホのスペックが上がって5GやWi-Fi6が当たり前になれば、どの年代でも動画がより身近になります。
配信中のコミュニケーションのラグがなくなるほど、リアルに近い空間になります。
そしてコロナで急激に考えさせられることとなった「おうち時間」。
2020年以降、ライバーはもちろん視聴者の数も爆増し、元々の市場の伸びも相まって成長が急加速しました。
ただでさえ日本は孤独が問題になっている中で、何気ない会話は更に減っています。
参照:ゆこゆこホールディングス 40代以上男女の会員向けに行った「コロナ禍におけるコミュニケーションに関するアンケート」
ライブ配信で孤独が解消されると考える方はまだ少ないはずです。
孤独に悩む方に、ライブ配信が届けばかなりの数の方が救われるのではと考えています。
ライバー同様、視聴者側もまだ必要な人たちに十分に届いていません。
ライブ配信を単なるエンタメに留めることなく、オンライン上の新しい居場所として提供できるようにしたいと考えています。
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次回は、今の事業の成り立ちや経緯について書きたいと思います!
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