見出し画像

【ライターの仕事】陰の世界から陽のステージを見つめながら「相手に輝いてもらう」


私の持論ですが。
ライターをやっている人は「ある程度の根暗気質」があると思っています。

一人で買い物に行ける。
一人でカフェに行ける。
友達と一緒に出かけているのに、気がつくと一人(はぐれる)。
毎日友達と会う約束を入れると正直しんどい(たまにならいい)。
休日、一人で過ごすのが苦にならない。

それなのに、「ちょっと気になる場所にはいち早く行きたい」とか、「新しいものを試してみたい」とか、アグレッシブな側面も持っている。
そして頭の中ではずっと何かを考えていて、人のことをよく観察している。

陽なの?
陰なの?
どっち?

みたいな感じ。

でもベースは陰かな?

取材の後に一人で黙々を資料と睨めっこしながら、長文を書く。この作業は一人時間が好きなタイプの方が得意なのでは? と思うからです。

ただ、心の中ではおしゃべりというか、「頭の中は忙しい」系かと。
人に対しては寡黙なんだけれど、ずっと何かを考えている感じ?


もともとは、相手が喋っている時間に安堵していた

私は生粋の陰タイプなので。
当初は人と喋ることが大変でした。

インタビューでは「いかに長時間、相手に喋ってもらうか」が重大な要素。

取材中に無音になると心臓がバクバクしてきて、
次の質問を考なければと焦り、
変なこと聞いちゃったらどうしようとアワアワして、
ドキドキしながら質問を重ねていたのです。
※それが嫌だからホームページと資料を読み込んで質問リストを先に作ることも多い。

ただ、場数を重ねると「困ったら目についた情報をぽろっと口に出してみる」などの必殺技を身につけ始めて。それが相手の懐に入れば、新しい情報がどんどこ出てくる場面にも遭遇し。

「きっかけさえ作れば、多角的にボールを投げることで相手が答えを返してくれる。私は情報をできるだけかき集めて、どう組み立てるかは後で考えればいい」と思うようになりました。

つまり、次第に「慣れる」という境地に至ったのです。
※でもまだまだ不安は拭えないので、事前準備をめちゃくちゃやります。ホームページは全部読んでおく、相手の企業名や名前を検索して新しい記事を探すなど。

陰キャも次第におばちゃんになる

こうして、社会人になってから、何十人、何百人、何千人?(数えていないからわからない)という人と対面し、インタビューを重ねてきた結果。

私もおばちゃんというワンランク上の生命体になったのです。

どういうこと?

つまり、
①本来の陰気質
②陰の人は「心の中ではおしゃべり」
③恥を感じるラインが下がるおばちゃん化

①から③の合わせ技により、「脳内おしゃべり気質」が少しずつ表に出始めました。

「喋りたい」
「私の意見も言いたい」

取材中に、「ぽろっと自分の意見を言ってしまう」場面がたまーに見られるようになったのです。


改めて知るのは「私の意見は必要ない」ということ

しかし。

自分の意見を言っても、相手は怪訝な顔をします。
だってその人をインタビューする時間なので。
私の意見を聞きにきたわけじゃないよね。

「まあ、そういう意見もありますね」
「それに似ているかもしれませんね」

みたいな回答は得られていても、それが新しい意見を引き出すことはあまりない。

それよりは、

「へえ、すごい視点ですね」
「知りませんでした(知らんふりしてる方がいいこともある)」
「詳しく教えてもらえませんか?」
と、相手に興味がある姿勢を見せて、リアクションを重ねる方がいい。

つまり、
「生粋の陰時代のアワアワした心持ちで、自分の意見など言う余裕はなく、とにかく返事しろ私という姿勢でインタビューに臨む。ずっと相手に喋らせる」のが大正解だったということに気がついたのです。

陰の世界はわりと楽しい

陰の世界というか。

スクールカーストで行くと「わりと底辺。むしろ僻地」みたいな場所で生きてきた気がするのですが(離れ小島?)。

その分、ものすごく人を観察してしまうのです。
普段いざこざに巻き込まれないし、向こうの島で起こっている事件をドラマを見るように見つめるというか。

誰かと誰かが急に仲良くなったとか。
髪型変わったなとか。
体調悪そうとか。

そういうのを観察し、脳内で情報を整理し、結論を出す作業はわりと楽しい。

ライターという仕事を通して、陽の世界の人と対話をするようになり、「その人の変化、特徴を察知して、すごいとか珍しいとか形容詞をつけながら感嘆すると、めちゃくちゃ喜んでもらえる」ということを知りました。

なので、ライターは陰気質を持っている方が向いてるかなーと思います。自分が目立ちたい、自分の意見を言いたい、が勝ってしまうと、インタビューはやりにくいかもしれません。

相手が輝けばいいのです。
「とりあえず褒めろ」は今も鉄則です。

↓↓↓ライターの仕事に関する記事はこちら↓↓↓
地方の出版社を経てフリーの編集ライターとして活動しています。
○地方でライターの仕事を続けるには
○単価アップを叶えるには
○そもそもライターってどんな仕事?
○編集の視点とライターの視点の違い
などについて、自分なりの解釈をしていきたいと思っています。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?