メタフィクションとは?
Facebookが社名を変更して「Meta」になりました。
最近よく目にする、この「Meta(メタ)」について、関連するキーワードを調べてみました。
そもそもメタとは、ギリシア語の「meta」を由来とする言葉で、「高次の」とか「超える」といった意味を持っています。
ネットスラングの「メタ」は、「メタフィクション」の略称になります。
「高次の」とか「超える」といった意味に加わり、「作り話」や「創作」を意味する「fiction」が組み合わさったのが、「メタフィクション」です。
フィクションは元々虚構の世界であることが前提で、現実世界の私たちが虚構の世界を楽しむために存在します。
そんなフィクションの中で、「これはフィクションである」ということを意図的に描写することを、「メタフィクション」というのです。
「メタフィクション」の例を挙げると、「映画の中で、登場人物が視聴者に向かって話しかけている描写」や、「登場人物が、その作品の説明を行う描写」などがあります。
つまり、それが作り話であることを意図的に読者に気付かせることで、虚構と現実の関係について問題を提示しています。多くの場合、アイロニーを伴い、自己言及的です。
表象主義演劇と対比すれば、表象主義演劇が観客に劇を見ているという事実を意識させるのに対し、メタフィクションは読者にフィクションを読んでいるという事実を意識させるというもの。
例えば、『劇場版エヴァンゲリオン』では、アニメなのに実写が突然本編に登場します。この映画の完成作を上映する前に、不完全版の上映会をやり、その時の観客の姿が撮影されます。そのシーンを完全版に編集して組み込んで、公開したのです。そしてこの映画には、登場人物の声を演じた声優さんたちそのものまで登場するのです。更に、TV版のエヴァの終わり方に激怒した人間たちから、庵野監督におくられた脅迫文まで、映し出されます。
海外の作品だと、『カイロの紫のバラ』では、スクリーンから登場人物が出てくるというシーンが印象的ですし、『カメレオンマン』ではドキュメンタリー風のウソ話で観客を魅了します。
『オーシャンズ12』では、ジュリア・ロバーツ本人に、ジュリア・ロバーツのそっくりさんという役どころの女性を演じさせてみたりと、メタフィクションは、作品のスパイスになっています。
メタフィクションは、現実とフィクションの世界をどうやって壊して見せてくれるかという楽しみがあります。
でも、使い方によっては、フィクションのままどっぷり浸かりたいという層の期待を裏切るかも知れない諸刃の剣。
けっこう昔から使われている手法で、意識・無意識問わず、過去振り返ってみたときに、個人的には好きな作品に多い傾向があります。
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