見出し画像

管理職に必要なこと③ 自組織のみならず、全体最適、全社視点をもっている。

今回の話をまとめると

.日本の多くの企業には文化として歴史として「自組織最適」が根強いので本当の意味での「全体最適」は本当にむつかしい。

 ・社外や社会の視点をもつことはもちろん大切だが、まずは自分の社内で管理職が率先して他組織のために時間を使おう!

 です。

今管理職やチームのリーダーを任されている人も、またこれからそういう役割が与えられようとしている人も、自組織のことだけを考えて仕事をしている人はそう多くはないと思う。そもそも全体最適や全社視点を自分はもっている!と思っていると思う人もいるし、実際にそうだと思う。

 一方で管理職やチームのリーダーになるとメンバーのことを思うからこそ、メンバー1人ひとりのためについ自組織視点になってしまうこともある。

こうしたトレードオフがある中で、自分自身が本当の意味での全体最適、全社視点をもって決断や行動ができるかということを常に考えることが管理職やリーダーにはとても重要なのだと思う。

 一昔前、上司の仕事は部下を昇格させることだった。いや、今も絶対にまだ結構な数のこういう上司がいると思う。この上司は「より多くの管理職やリーダーを自分の部下から産み出すことこそが役割」と考えているし、なんなら「産み出したからこそ今の役割にいる」場合も多い。私はこの歴史を決して悪いと思っていないし、ピラミッド組織においては必要なこともあったと思う。実際こういう経緯で管理職やリーダーになった方で今も活躍されている方もいる。でもこの上司の行動こそがやっぱり自組織視点が強いと感じざるをえない。 歴史という言葉をつかったが、きっと日本のの企業においては、まだまだ「ピラミッド型組織」の流れが文化として根付いているのだと感じる。かくいう私もその1人。正直、社長になるまで、「口では全体最適、全社視点」といいながら、自組織のために動いてきたし、完全に自組織を守る行動をとってきた行動も数多い。なんなら自組織だけよければいいと思って動いた実績もある。 

今、ESG経営が言われる中、急激に、この自組織、自社視点では世の中でどんどん通用しなくなっているのを肌で感じている。世界、地球の環境、社会のことを考えることこそが会社のリーダーである社長の仕事なのだと痛感する。自社においても1人でも多くこの全体最適、全社視点をもったリーダーの育成が急務なのである。 では、この長年ピラミッド型組織で、またなんなら日本という国で管理職を中心としたリーダーに本当の意味の全体最適、全社視点をもつためにはどうすればいいのか。

まずは自分の会社でできることを考えてるべきなのだ。組織の管掌をになうような役員には、自分の仕事の約30%は自組織のために、しかし残りの70%は他組織のために働いている時間にすることを心が得ければいいし、同じく管理職であれば、約70%を自組織のために、残りの30%は他組織のために働いている時間にすることができれいればいいと思う。 

画像1

日本の企業でも業務時間のうち〇〇%は仕事以外のことに使うこと推奨している企業も多い。数年前までは一部外資系企業では主流だったが、少しずつ浸透していると思う。この取り組みもきっと「自組織・自社意識」が強いと感じている企業が多いということだと思うし、社外から学ぶことは本当に多い。

半ば強制的にでもそうした時間をもたないとやらないのがここ日本の文化なんだと思う。 こういう思考が身についていない人にいきなり「社会課題や環境課題」を推進する役割をあたえるのはまちがっているし「社会課題や環境課題」だけを取り組んでいる時点で既にどこか全体最適や全社視点をおきざりにしているように感じる。 日本のリーダーカンパニーの中にも昔から会社に「経営戦略」や「サステナビリティを推進」する「組織」を置かない組織の思考はそこにあるのだ思う。 でも実際は、管理職だとどうしても時間の95%は自組織のためにつかっている会社はまだまだ多いと感じる。

この思考の改革は自分自身の体験からもなかなか時間がかかりそうだと感じるし、何かよりよい方法がないものか、自分自身まだまだ模索している。 そしてこれが実現できたときに、本当の意味で、全社的なESG経営が実践できていると実感できるのだと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?