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乳化は重要でない、素材を生かす

日本に広まっているイタリア料理の中で、有名な食材。唐辛子、鷹の爪。

ご存じのように、"ペペロンチーノ”とイタリア語では言います。

あの、スパゲティー界のレジェンド
スパゲッティー アル アーリオ、オーリオ、エ、ペペロンチーノのペペロンチーノ。

ペペロンチーノは、唐辛子のことです。

ニンニクのスパゲッティーのことではありません。

この名前の長いスパゲッティー料理は、呼ぶのに大変なので省略して、最後の部分のペペロンチーノと称したのだと思います。

呼ぶ名が長いからと言うよりは、ライターが正式名を書くのがたいへんだから、端折ったのがペペロンチーノ認識の始まりだと思います。

鷹の爪はイタリア国内でも、普通に、イタリア食材として出回っていますが、元々は中南米が原産でヨーロッパに伝えられたのは、1500年くらいと聞いています。また、トマトも同じ時期らしいです。

スパゲッティー ペペロンチーノですが、文字列の最後がクローズアップされていますが、主役級の食材が、たくさんある料理です。

スパゲッティー アル アーリオ オーリオ エ ペペロンチーノ


作り方は、いたって簡単なのですが、仕上がりにむらができやすく非常に難しい料理になります。

ただ、普通においしいくらいのものだったら、簡単です。
最高においしい!!と言うレベルは、プロでもできないでしょう。
解釈の個人差があり、好みも、言い訳もあるかと思いますが、
理解していない、ただ、材料を入れている作り方の人が殆どです。
これでは、レトルトパックのものと変わらないので、お店で食べるには高い料理になってしまいます。

因みに、パスタメーカーにもよりますが、そばも、うどんも、ソーメンも、麺自体の価格に、それほど大差はありません。

故に、お店の販売価格は、そば、うどん、ラーメン、パスタ。一緒です。
立ち食いスタイルのカジュアル店から、高級店まで。

安くて300円位から食べることができます。
材料を吟味すれば、ペペロンチーノも300円で提供することも論外ではありません。

では、どのように作ると最高においしいペペロンチーノになるかをお伝えいたします。


今からこの料理を分解していきたいと思います。

材料

①スパゲッティー
②塩
③お湯
④ニンニク
⑤鷹の爪
⑥イタリアンパセリ
⑦オリーブオイル

①~③はパスタ料理として必須材料です。

④~⑦が所謂ぺペロンチノの材料です。

今回は、美味しいがテーマです。失敗しない作り方ではありません。

行きます。

➀お湯を沸かし、塩を入れます。ここは重要。
ここでパスタ料理の90%は味が決まってしまいます。
塩分量は、スパゲッティーのボイル時間に対しての塩分量になります。
目安として、1%と覚えておくとよいと思います。

カペッリーニなどの早いゆであがりの麺は塩分強め、ペンネのように10分以上ゆでる場合は塩は少なめでゆでると良いでしょう。

又、合わせるソースによって、塩分を調節しますので、絶えず一定の塩加減ではありません。

②お湯が沸いて塩が解けたら、スパゲッティーをゆでます。
パスタは、ブロンズ、テフロンと加工の違いがありますが、お好みのパスタをご使用ください。さほど、重要ではありません。

③スパゲッティーをゆでながら、フライパンに、オリーブオイルを入れます。(ここでのオリーブオイルは、バージン、一番絞りでなくても大丈夫です。)ニンニクを入れ弱火にしてじっくりオリーブオイルに香りを付けます。そして、鷹の爪を入れます。

※ニンニク、鷹の爪のサイズは、お好みでみじん切り、丸ごと、スライスと、ご自分のスタイルでよいです。

③では、じっくりと、ニンニクの香り、鷹の爪の香りをオリーブオイルにつけて、ニンニクの表面を軽くフリットし温度を90度くらいに持っていきます。
パスタとソースは同じ温度で和えます。

さて、ここからが息もできないくらいに集中したいところです。

集中力が持たない方、失敗したくない方は、このフライパンにパスタのお湯を入れましょう。

利点としては、ニンニクが焦げすぎなく、フライパンの中でソースができるわけなので、あとはパスタを絡める状態にセットができます。

お湯をフライパンに入れた瞬間が1番香りが良いはずです。さらに、お湯を入れることでせっかく炒めたニンニク、鷹の爪が香りがなくなり、タダのニンニクと、辛みの鷹の爪になってしまいます。

フライパンにパスタのお湯を入れて、沸かして詰めているのかぐるぐる回していますが、意味がありません。仕事やってる感はあります。

④いよいよパスタがゆであがります。
パスタがゆであがる時には、フライパンの中は、ニンニクが沸々としていて、温度は90度。ソースは作り始めたら温度を下げることなくフィニッシュまで持っていきます。そこへ、みじん切りのパセリを入れます。「パチパチ」と音がするはずです。そして、パセリと、ニンニク、唐辛子、オリーブオイルの香りのカルテットが広がります。

パセリが焦げない間に、パスタを湯から上げて、一気にフライパンに入れてソースと混ぜます。フライパンは、振らなくてもソースとパスタを手早く5秒以内に混ぜます。最後に、エクストラ バージン オリーブオイルを入れて完成です。

素材の特徴を最大限に生かすことが、重要です。
今回の食材の持ち味は、香りですから、絶対につぶしてはなりません。
この、香りこそが、最高においしいと言える理由です。
そして必要最低限の水分と最後に入れるオリーブオイルとのバランス。
色つやも、あでやかに仕上がります。

目の前に運ばれた瞬間から美味しい。食べる前から美味しいのです。

※、パスタの水分は、お湯から引き揚げた時にパスタにからんでいる水分で充分です。ゆであがりのパスタは、お湯上りのお肌と同じで非常に乾燥しやすく水分がすぐに蒸発してしまいます。よって、水分をはじめから多めにフライパンに入れたやり方が、安定した作り方になります。

紹介した、作り方では、乳化と言う作業がありませんが、パスタとソースは絡めるだけです。

最後に、バージンオイルを入れるのですが、入れてから、乳化のために、フライパンを振ってしまったら、バージンの香りがすべて飛んでしまいます。
乳化と言う作業のおかげで、食材だ台無しです。ただ脂っこい、酸化した油になってしまいます。

・お湯をはじめから入れる事。
・フライパンを、一生懸命振ること。

以上2点の事項は必要ありません。

どの食材がかけてもいけない、全ての食材が生き生きとした、きちんと役割と存在感を果たした料理が、素材を生かした料理と言えるでしょう。





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