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生物なんだから、って思うこと

少し前に、養豚をやっておられた方から聴いたお話がある。

「お前が体調悪くたって、体調がいい時と同じように、
 誰にでも同じように接することが出来るか?」

そんな話をとある大規模スーパーで商品開発をされている方に、
相談をされたらしい。
畜産物の規格化して、画一的なものを出すのにはどうしたらいいか、
と相談した時の答えであった。


養豚に長く携わられ、非常に柔軟性のある考え方で豚を育て、
等外という食肉等級において、異例の最高値をたたき出した方


さすがとしか言いようのない、言葉であった。

養豚という生き物を相手にする中で、厳しい言葉であった。


うちの家では、母から魚は切り身でパックで泳いでいるといわれていた。
(もちろん、冗談である)

だからではないと思うが、海に船で出て、釣りに行って、実際に魚を釣って、などを父と行った。
今では、船の上で魚を三枚におろし、処理をすることさえ出来るようになった。


我が家では、こんな教育方針であったが、混ぜ屋として畜産に関わるまで、
畜産には目を向けてこなかったし、卵だって「安ければいいのさ」で購入していた。

画面の中ではなく、実際の農場ではどんなところにあって、
豚や鶏はどんな環境で、そして肉や卵などを食べられることが、
どれほどありがたいことなのかを知ることが出来た。


そんな中で、いろいろな粉ものを販売しているが、
あくまでも薬ではなく、サプリメントを販売している会社である。

だからこそ、効果や効能といった表現はできないし、
確実に良くなりますとも言えない。
(薬でも”確実”とまで言うことは難しいが…)

それらは、薬機法
正式名称:
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
によって定められてる通り、対応を行わなければならない。

簡単にいうなれば、『薬と思われるような表現はしてはならない』

だからこそ、
薬と同じように、「これを使えば、病気が収まります」
とは言えないわけだ。

それでも、食べるもので体調が変化するのは当然のことだし、
薬食同源という言葉もあるように、
薬と食とは源は同じ、すべての食物には薬と同じような効能ある。
ということで、適切なものを適切なタイミングで食する事は、
とても重要であるともとらえられる。

つまり、鶏、豚、牛などの畜産などにおいて、
サプリメントなどをしっかりと与えることで、
薬を使わない飼養も可能ではあるのだ。


だがしかし、鶏も、豚も、牛も、生き物である以上、
個体差があるし、飼われている環境も様々だ。

だからこそ、1度の試験では、評価できない項目でもあるし、
もしかしたら変化しているのかもしれないが、
それを確認するためにはそれなりの期間とそれなりのコストがかかる。

だからこそ、「1度の試験であきらめないでほしい」
とも思う。


私たち人間と同じく、個体差もあれば、環境や、食べ物などの条件が、
本当に様々だ。

だからこそ、きちんとした添加量で、しっかりと試験をしてほしい。

「サンプルくれたらやるよ」と言っていただけるが、
「半分ずつにしませんか?」とも思う。

全部サンプルにしてしまったら、
試験していることする、忘れてしまうかもしれないし、
豚、鶏、牛の状況を細かく見ないかもしれない。


私たちが相手にしているのは、
工業生産品のように、原因を明確にすることが非常に困難である。

だからこそ、ある程度長い目で見て判断してほしい。


豚は、パックに詰められて、農場にいるわけではないし、
卵も、たまごパックに入ってゲージに入っているわけでもない。


とある海外のメーカー担当者は、
『試験を行ったとしても、結果が良くなるとは限らない』
『試験の環境や設定を近づけることはできるが、同じにはできない』
とも話をされていた。


今後、畜産でも
「同じではない」
ということを合言葉にしなければならないと思う。

全く同じ豚の小間切れがあるわけでもないし、
全く同じたまごのパックが売っているわけではないのだ。



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