2017年ドラマ『奥様は、取り扱い注意』感想
2017年ドラマ『奥様は、取り扱い注意』（原案、脚本/金城一紀）観賞。
先に映画を観てしまっていたので、そうか、こうしてふたりは始まり、不器用に愛を育んで行ったのだな、と判るのがドラマ版だった。
幼い頃に捨てられ、スパイとして生きてきたため、今までできずにいた「普通の妻」になるため戸籍も何もかも変えて普通の会社受付になる菜美（綾瀬はるかさん）は、一目ぼれで出会った伊佐山勇輝（西島さん）と結婚し、良い妻になろうと努力をする。ご近所仲間（広末涼子さん、本田翼さん）と料理教室や着付けなどを習いに行くが、そこでは数々の主婦たちの秘めた問題があり、遂に菜美は不甲斐ない近所の夫たちに制裁を加え始める。そんな彼女をひたすら知らない振りをして見守って来た勇輝だったが、彼の正体はスパイだった菜美を監視する公安側の人間だった……。
綾瀬さん演じる妻、菜美がひたすら気持ち良くバタバタと敵を倒すのが爽快だった。もちろん、勇輝の正体がバレてからは展開が変化していくけれど、それまでの彼女の妻としての可愛い努力や夜のお誘い（若干ズレているのがまたいい）などに怖気づく勇輝もまたいい。最終回は疑問を残したまま終わるが、そのまま劇場版に繋がっていた。先にも書いたが劇場版を先に観てしまい、二人が紡いで来た物語を知らなかった。その後こうしてドラマを鑑賞して何てもったいないことをしてしまったのだろう、と後悔。できれば映画に続くまでの二人の出会いからの物語を知っていれば、と思ってしまうほど一から観たかった極上のコメディーでした。
ブラピとアンジーの映画『Mr.&Mrs. スミス』と似通っていると言われているけれど、設定の類似だけなら問題ないと思う。どちらも夫側が少々妻に怯むシーンがあるのが面白い。綾瀬さんのアクションシーンはひたすら見惚れ、最後の最後に出て来る公安としての西島さんの「受け止めるタイプ」のアクションもまた良かった。
西島さんという人は端正な容姿をしていてイケボなのに真面目な顔で菜美に投げつけられそうになる小物類を丁寧に棚に置いて、苛立った菜美に「壊れたっていいでしょ！」と言われても「全部気に入ってんだよ！」と切迫したシーンで笑いを起こしてしまうのが震えるほど好きだ（笑）良かったなあ。お似合いのカップルで観ていて心地良かったドラマでした。その分、本当は結ばれてはいけないカップルであるのが判るとやるせない気持ちになります。
二人の出会いのシーン、とても好きです。
合コンに誘われた菜美がどの男にも弱さを見出し帰ろうと思った時、不意に入り込んで来た長身のハンサムな勇輝に心臓が強く打つ。これは互いに一目ぼれだったのだから運命なのだろう。どんな間柄でも。
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