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骨盤内在筋について

こんにちは、Leeです。

前回は仙腸関節性疼痛についてお話ししましたが、その他の機能的腰痛の要因にもなる
モーターコントロール障害」につながるのは
やはり「インナーユニットの機能低下」です。

インナーユニットの中でも腹横筋・多裂筋については沢山の情報が得られますが、

今回はあまり詳しくわかっていない(知る機会が少ない)骨盤内在筋について焦点を当ててお伝えします。

私自身、女性のクライアントさんを担当することが多いのですが、
この骨盤内在筋の問題によって腰痛はもちろん、肩こりや膝関節痛を訴える方をよく見ます。

少しマニアックにはなりますが、是非この機会に知見を広げていただけたらと思います。

では、早速いきましょう。


この記事はこんな方にお勧めです。

◆仙腸関節性疼痛に対するアプローチが知りたい
◆インナーユニットについての知識を深めたい
◆女性のクライアントやアスリートに関わることが多い

1. はじめに


まず、「骨盤内在筋」と聞いてあまりピンとこない人もおられるかもしれませんが、一般的には「骨盤底筋群(Pelvic Floor Muscle:PFM)」と呼ばれる筋のことです。

要は起始・停止ともに骨盤にある筋のことですね。

腰筋群や股関節の筋群も骨盤に起始や停止をもつものがありますが、起始・停止のどちらか一方は骨盤ではありません。

そのため、骨盤内在筋は骨盤帯(仙腸関節や恥骨結合)の安定化にとても重要な機能を持っています。

また、インナーユニットでは家でいう「床(Floor)」の役割をしているため、「床」が抜けてしまうといくら壁や天井がしっかりしていても家は安定しません。

骨盤底筋群は以下のような機能を持っています。

◆骨盤内臓器(膀胱・子宮・直腸)を支持し適切な位置に収める
◆排泄(排尿・排便)の制御を行う
◆腹腔内圧を適切に保ち、体幹の動的安定性を維持する
◆仙腸関節の固定性を維持する

このような機能をもつ骨盤底筋ですが、女性では大きなダメージを受けることがあります。

それは「妊娠・出産」です。

通常、骨格筋は筋長の100~150%が最大伸張可能といわれていますが、
自然分娩時の骨盤底筋群には200~300%の伸張度がかかると報告されています。


(余談になりますが、帝王切開では骨盤底機能はほぼ維持されるといわれていますが、腹筋群の損傷や創部の癒着などによりインナーマッスルの機能低下は生じます)

というわけで、出産経験のある女性のクライアントさんを担当する人には必ず骨盤底筋群の評価を行ってもらいたいと思います。

2. 骨盤底筋群の解剖

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