Lee

理学療法士/臨床10年教育5年/誰にでも分かりやすく基礎から学べることを心がけて書いて…

Lee

理学療法士/臨床10年教育5年/誰にでも分かりやすく基礎から学べることを心がけて書いていきます(๑˃̵ᴗ˂̵)

最近の記事

骨盤内在筋について

こんにちは、Leeです。 前回は仙腸関節性疼痛についてお話ししましたが、その他の機能的腰痛の要因にもなる 「モーターコントロール障害」につながるのは やはり「インナーユニットの機能低下」です。 インナーユニットの中でも腹横筋・多裂筋については沢山の情報が得られますが、 今回はあまり詳しくわかっていない(知る機会が少ない)骨盤内在筋について焦点を当ててお伝えします。 私自身、女性のクライアントさんを担当することが多いのですが、 この骨盤内在筋の問題によって腰痛はもちろん

    • 仙腸関節障害による腰痛

      こんにちは、Leeです。 今回はこれまでのおさらいに加えて、 仙腸関節障害について 私が実際にみた症例から学んだことをお伝えしていきたいと思います。 仙腸関節障害は診断基準があいまいで、 画像診断などが困難な機能的障害と言われています。 そのため、非特異的腰痛としてまとめられ、 見過ごされることも多いですが、 以下のような報告もあります。 救急搬送された急性腰痛症のうち仙腸関節障害が13%を占め、胸腰椎圧迫骨折や腰椎破裂骨折などの外傷を除くともっとも多く、腰椎椎間板ヘ

      • 腰痛にまつわる腰方形筋の話

        こんにちは、Leeです。 腰痛マガジンも1周年が経ち、沢山の方に読んで頂けて嬉しいです(๑˃̵ᴗ˂̵) 今回は、これまでの記事の内容にも触れながら、 腰痛にまつわる腰方形筋の話をしたいと思います。 クライアントの評価をする中で腰方形筋に圧痛があったり、 腰方形筋に対してアプローチをして改善がみられたという経験はないでしょうか? その理由について 腰方形筋の機能や腰方形筋が関与する腰痛のメカニズムをおさらいしていきましょう。 この記事はこんな方におすすめです。 ◆イ

        • ドローインとブレーシング

          こんにちは、Leeです。 これまで、腰痛マガジンで骨盤帯の基礎や股関節が腰椎へ与える影響についてお伝えしてきました。 それは「腰痛の要因が腰以外にもある」という視点をみなさんに持ってもらいたいという思いからです。 腰痛の病態を把握するためには、 広い視野と細やかな観察力の両方が必要です。 さて、腰痛マガジンももうすぐ1年を迎えるということで、基礎の基礎に戻ってみたいと思います。 今回のテーマはインナーユニットのトレーニングとしてよく使用される 「ドローイン(draw

        骨盤内在筋について

          加齢と腰痛(アプローチ編)

          こんにちは、Leeです。 前回の記事では、加齢に伴う脊柱の変性や腰痛のメカニズムについてお伝えしました。 今回は「アプローチ編」です。 加齢による腰痛のアプローチには、対象となる部分が一つだけという場合はかなり低いと思います。 高齢者の姿勢アライメントには、脊椎の変性を代償するように他の部分のアライメントも変化させている事が多く、自由度の少ない決まった運動パターンが見られます。 パターン化された動作を繰り返すうちに、 機械的なストレスが脊柱にかかりアライメント不良を

          加齢と腰痛(アプローチ編)

          加齢と腰痛(病態理解編)

          こんにちは、Leeです。 前々回・前回と 骨盤帯が腰椎より上位の脊柱アライメントに与える影響について 「Hip-Spine Syndrome」をお伝えしました。 THA後の腰痛に対しては、 術前の骨盤アライメントや脊柱の可撓性の影響を考慮する必要があるということでしたね。 そもそも、可撓性があるかどうかをどのように評価すればよいのでしょうか? 骨盤後傾位で円背の強い高齢のクライアントに対して、 姿勢アライメントの修正を行うことは腰痛へのアプローチに有効なのでしょうか?

          加齢と腰痛(病態理解編)

          THA後の腰痛に対する運動療法

          はじめに こんにちは、Leeです。 前回は骨盤のアライメントが 腰椎より上位の脊椎に与える影響について 「Hip-spine Syndrome」の概念を説明しました。 今回はその具体的な例として 「THA(人工股関節全置換術)後の腰痛に対する運動療法」 についてお話していきます。 みなさんは臨床でクライアントさんに 「術後股関節は痛くなくなったのに、腰が痛い」と訴えられることありませんか? 「THAをすることによって股関節痛も腰痛もどちらも改善した」という報告1)が

          THA後の腰痛に対する運動療法

          Hip-spine syndrome~骨盤帯から脊柱アライメントを考える~

          【はじめに】こんにちは、Leeです。 これまで骨盤帯を中心にマルアライメントや運動療法のお話をしてきました。 今回から骨盤帯が腰椎より上位の脊柱アライメントに与える影響についてお伝えしていきます。 今回のテーマは「Hip-Spine Syndrome」です。 「Hip-spine syndrome」 1983年にOffierskiらによって報告された症候群概念 ①脊椎疾患由来の疼痛が股関節に影響を及ぼす"spine to hip" ②股関節疾患由来の疼痛が脊椎に影響

          Hip-spine syndrome~骨盤帯から脊柱アライメントを考える~

          マッスルインバランスに対する徒手的アプローチ(実践編)

          はじめにこんにちは、Leeです。 前々回から骨盤帯のマルアライメントの原因となるマッスルインバランスについてお話をしてきました。 前回はそのマッスルインバランスに対する徒手的なアプローチとして、 マッスルエナジーテクニック「Muscle Energy Technique(以下MET)」 の理論をお伝えしました。 こじろうさんの前回の記事でも紹介していただきましたね。 前回の理論編がまだの方は、こちらから読まれることをおすすめします。 さて、今回は実践編です。 骨盤

          マッスルインバランスに対する徒手的アプローチ(実践編)

          マッスルインバランスに対する徒手的アプローチ(理論編)

          こんにちは、Leeです。 今回からは徒手的にマッスルインバランスを 改善する方法についてお伝えしていきます。 今回はその基礎となる「理論編」です。 マッスルインバランスについては 前回の記事で説明しているので、 詳しくはこちらをご覧ください。 簡単に復習すると、 交差性症候群(Crossed syndrome)に代表される典型的なインバランスには 短縮しやすい緊張筋と弱化しやすい相動筋がありました。 みなさんはクライアントの問題点として インバランスがみられたら、

          マッスルインバランスに対する徒手的アプローチ(理論編)

          骨盤マルアライメントとマッスルインバランス

          こんにちは、Leeです。 前回は1週間の無料公開ということで、 たくさんの方にご覧いただき たくさんの「いいね♡」を ありがとうございました。 これまでに、腰痛マガジンでは 骨盤帯の基礎についてお伝えしてきましたが、 今回は「骨盤帯のマルアライメントと マッスルインバランス」をテーマに 実際の症例も交えて紹介したいと思います。 臨床でよく見かけるCrossed syndrome(クロスシンドローム:交差性症候群)ですが、マッスルインバランスが理解できれば対応することがで

          骨盤マルアライメントとマッスルインバランス

          インナーコアユニットの運動療法

          はじめにこんにちは、Leeです。 これまで、骨盤帯を理解するために基礎となる 解剖や運動、骨盤帯の安定化機構について 詳しくお話してきました。 なぜ、腰痛治療において骨盤帯が重要かというと ①腰痛ガイドラインにおいて「腰痛の部位」は 「触知可能な最下端の肋骨の臀溝の領域の間に位置する」と定義されているため、 骨盤帯自体もクライアントの訴えになっていることがある ②下からの運動連鎖でいくと 骨盤帯が力学的に伝達する機能を持っているため、 骨盤帯から腰部の問題が生じている

          インナーコアユニットの運動療法

          骨盤の安定化機構と評価②

          こんにちは、Leeです。 腰痛マガジンで、マニアックに骨盤帯について発信し続けております‼︎ 第1回めは腰部の基礎(土台)である 骨盤帯の基礎について、 解剖や運動、マルアライメントの説明をしました。 前回は腰部〜骨盤帯にかけて生じる痛みを理解するための基礎となる、 骨盤が安定するメカニズムについてお話ししました。 そして、骨盤帯の評価として有効とされる ASLRテスト(Active Straight Leg Raise Test)について説明しました。 ※妊娠中ある

          骨盤の安定化機構と評価②

          骨盤帯の安定化機構と評価①

          はじめに こんにちはLeeです。 前回は骨盤帯の理解の基礎となる解剖や運動、マルアライメントについてお伝えしました。 今回は骨盤帯が安定性を確保するメカニズムについて説明し、Active Straight Leg Raise Test(以下、ASLRテスト)という骨盤帯とその周囲の疼痛との関連性や有用性が検証されている評価の1つをご紹介します。 このテストは数値で表せるので、経時的な変化を追う事もできますし、検査される人の自動運動で行うので侵襲の少ない検査となります。

          骨盤帯の安定化機構と評価①

          基礎から学ぶ骨盤帯

          こんにちは、Leeです(๑˃̵ᴗ˂̵) 腰痛マガジンの初回投稿なのに 「骨盤帯かい!」と突っ込まれそうですが、 あえてこのテーマにしました。 なぜなら、前回の岡さんの記事でも ありましたよね。 定義が大事!!! ということで、おさらいです。 腰痛の部位は 一般的には触知可能な最下端の肋骨と臀溝の領域の間に位置する (腰痛ガイドライン2012) えっ!殿溝ってどこ??? ここです↓↓↓ (※引用文献は下のリンクから) これって殿部がはいってる… つまり骨盤帯で

          基礎から学ぶ骨盤帯