骨盤の安定化機構と評価②
こんにちは、Leeです。
腰痛マガジンで、マニアックに骨盤帯について発信し続けております‼︎
第1回めは腰部の基礎(土台)である
骨盤帯の基礎について、
解剖や運動、マルアライメントの説明をしました。
前回は腰部〜骨盤帯にかけて生じる痛みを理解するための基礎となる、
骨盤が安定するメカニズムについてお話ししました。
そして、骨盤帯の評価として有効とされる
ASLRテスト(Active Straight Leg Raise Test)について説明しました。
※妊娠中あるいは産後3週間以内に生じる疼痛において、感度=0.87 特異度=0.94
感度・特異度については、
前回の岡さんの記事で非常に分かりやすく書かれています。
前回の記事でForm closureとForce closureについて説明しましたが、
端的に言えば
「ASLRテストはフォースクロージャーの働きを見ている」ということになります。
今回はASLRテストについての
文献的考察に加えて、
実際のASLRテストを動画でみていきます。
代償動作を見ることで、
動作観察の力も養いましょう!
また、ASLRテストの有益な点は
補助(アシスト)する場所によって、
機能低下の部位がわかることです。
そのため、アプローチをする部分を
絞り込むことができます。
この記事を読んだ後は、かなり
骨盤帯の安定化機構についての理解が
深まっていることでしょう!
では、参りましょう。
この記事はこんな方にオススメです。
◆ASLRテストの代償動作とその解釈について知りたい
◆アシストASLRテストついて知りたい
◆動作観察の視点を養いたい
1.ASLRのMotor controlに関する研究
これまでの先行研究では筋電図やエコーを用いた健常者と骨盤帯痛のある人との違いが報告されています。
【参考文献】をまとめると以下の通りです。
<健常者のASLRの運動パターン>
◆下肢を拳上した側の外腹斜筋と内腹斜筋の活動が高くなる
◆腹腔内圧や胸腔内圧は一定に保たれるか、
増加してもその変化量は少ない
◆安静時に比較して骨盤底が移動したり、
挙上していない下肢の下方(床)への圧力が増えることがない
<骨盤帯痛をもつ人のASLRの運動パターン>
◆両側の外腹斜筋と内腹斜筋の過活動が生じる
◆息を止める、呼吸数が増加する、胸式呼吸となり横隔膜の動きが低下するなどの
呼吸パターンの変化が生じる
◆挙上していない側の下肢の
下方(床)への圧力が増加する
◆骨盤底はベースラインより下降する※
※ここで骨盤底が下降することについて説明します。
骨盤底が下がるとは?
骨盤底筋の働きは前回の記事でお話しましたが、
横隔膜や腹横筋と連動して腹圧をコントロールし、骨盤帯を安定させます。
正常な運動パターンにおいては、
呼気で横隔膜が拳上するのに合わせて腹横筋と骨盤底筋が収縮(拳上)します(図の真ん中)。
息を止めた状態や横隔膜が動いていない状態で腹斜筋群が過活動を起こすと
腹圧が上昇し骨盤底筋は下へ押し下げられる形になります(図の右側)。
このような現象はASLRテストに限らず
モノを持ち上げたり、起き上がりや立ち上がりなどの動作でもみられます。
常に動作中の呼吸を観察することは重要です。
逆に言えば、これは動作指導の時のポイントにもなります。
骨盤帯の不安定性があり腰痛がある人へ動作指導をする場合には、
呼気と共に骨盤底筋の収縮をした状態で物を持ち上げることも合わせて指導しましょう。
ここまでが無料で読める内容となります。
以下では「実際のASLRテストの動画」を見ながら代償動作と補助動作について詳しく解説していきます。
詳しく知りたい方はぜひ"実践!ゼロから学べるLow Back Pain"マガジンの購読をお願いします!
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