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物理量・工業量・感覚量の話

人は様々な尺度で自然界を分類します。例えば火、水、木、土、金属がありますが、これは中国の哲学が発端です。

某マーベル映画では時間、空間、精神、力、物質、魂で分類しています。

一方、私達の現代社会では物理学がその役目を果たしています。素粒子から宇宙まで、あらゆるスケールの現象を統一的に説明しています。


物理学とは

物理学とは、物質の性質や振る舞い、またそれらを司る普遍的な法則を観察事実にもとづいて探求する学問です。

この物理学において最も重要な工程の一つが、観測された事実の中から記述すべき基本的な要素を抽出する行為です。

こうした行為に物理量は欠かせません。本記事では、この物理量に焦点を当て自然界を構成する7つの基本物理量を解説していきます。


物理量について

まず物理量とは、ある理論体系のもとで次元が定められた、物象の状態の度合いを表すものです。

実在の世界を対象とした物理学では世界の観測が重要です。その際、自然の持つ性質を数値化し、定量的に記述する必要があります。そこで使用される指標が物理量となります。

なお「個数や回数」は単位をもたない量として扱われています。


工業量について

物理量の対比として工業量や感覚量があります。
工業量とは複数の物理的性質に関係する量のことです。工業的な利用価値(有用性・応用性)に重点が置かれています。

例えば硬さや粗さです。しかし「硬さ」と一口に言っても、ブリネル硬さやビッカース硬さ、ロックウェル硬さなど様々あります。


このように工業量よりも物理量の方が、物象をより具体的に表現しており、基本的な構成単位として扱われます。



感覚量について

感覚量も同様に、物理量の対比として扱われます。感覚量とは、人が主観的に感じる感覚の強さです。

当然個人差があり、さらに同一人物あったとしても環境や体調により差が生じます。


このような感覚量の強さを、物理量としての刺激の強さで評価したものとして心理物理量があります。

例えば、視覚関連では「光度、照度、色彩の諸量、光沢」、聴覚関連では「音の大きさ」、味覚では「甘さ、苦さ、酸味」、嗅覚では「臭気濃度、臭気強度」があります。


一方で、皮膚による感覚の痛覚と温感も量的判断の下せる感覚量と言えますが、これらに対応する心理物理量はまだありません。皮膚感覚の触覚は量的に表現されることは希のようです。


単位との違いについて

また物理量は単位とも異なります。
単位は量を数値で表すためのあくまで「基準」で一定の量です。物理量と単位の関係は
「物理量=数値×単位」です。

7つの基本物理量

国際単位系(SI)では「時間、長さ、質量、電流、熱力学温度、物質量、光度」の7つを基本量と定めてます。自然界で定義される量はこれら7つの基本量のいずれかの組み合わせとなります。

ベクトルかスカラーか

全ての物理量は、スカラーかベクトルに分類できるという考えも存在します。
スカラーとは「大きさ」だけの概念を持ち、例えば重さや距離があります。
一方、ベクトルは「大きさと方向」を兼ね備え、速度や重力などが該当します。

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