ビジネス頻出の漢字集5


前回の続きです


拝察(はいさつ)

推察することをくりくだっていう言葉。
・皆様の胸中拝察申し上げます。
・旦那様の悲しみはいかばかりかと拝察いたします。


寄稿(きこう)
原稿を新聞や雑誌に載せるように送ること。またその原稿。
・新聞に追悼文を寄稿する。
・論文を学術誌に寄稿した


時節(じせつ)
季節。時期。自然の移り変わりによって感じられる時分。
・花だよりの届く時節だ。
・時節柄くれぐれもご自愛ください。
・時節外れの霜で野菜が被害を受けた。


論旨(ろんし)
議論、論文のの趣旨。筋道。
・論旨が不明瞭なため分かりにくい文章。
・論旨明快であることが大事だ。


余勢(よせい)
有り余った勢い。道溢れた気力
・余勢を駆る(はずみのついた勢いに乗る)
・前の試合に勝った余勢を駆って、次の試合でたたみかけてくる


示威(じい)
威力や気勢を外に示すこと
・戦争反対を掲げて示威行進をした。
・太鼓を鳴らして示威しながら進軍した


配意(はいい)
心を配ること。気を使うこと。
・気持ちに十分配意する。
・遺族の心情に配意した適切な対応をとる。
・一層の配意が求められる。


必定(ひつじょう)
そうなると決まっていること。予測した通りの結果になること
・怒りが爆発するのは必定だ。


婉然(えんぜん)
しとやかで美しい様
・婉然とひとさし舞う。
・婉然たる笑みを見せる。


落成(らくせい)
土木建築の工事ができあがること
・新しい工場が先日落成しました。
・新社屋の落成式


訓戒(くんかい)
物事の善悪、理非を教え、戒めること
・部下に訓戒を与える。
・訓戒処分を受ける。


廃案(はいあん)
議決、採用されないで廃止となった議案
・その法案は廃案になった。


余波(よは)
あることの影響が外に及んだ名残
・円安の余波
・台風の余波


憂目(うきめ)
辛いこと苦しい体験
・倒産の憂目にあう
・憂き目を見る(つらい経験をする)


気骨(きこつ)
自分の信念を守ってどんな障害にも屈服しない強い意気
・気骨のある人
・気骨に欠ける若者


謁見(えっけん)
目上の人にお目にかかること
・ローマ法王への謁見
・謁見の間(目上の人と会う部屋)


遠因(えんいん)
ある結果を導いた原因として直接ではないが、何らかの関わりを持つこと
・虫歯が遠因となって体調不良になる
・今回の事件の遠因



近因(きんいん)
いくつかの原因の中で最も直接的な原因



負託(ふたく)
引き受けさせて任せること
・彼に負託する
・負託に応える(他人を信じまかせる気持ちに添う、報いる)
・国民の負託に自信をもって応える




私感(しかん)
一個人として抱く感想
・裁判官の私感によって判決が下される
・あくまで私感ですが


私見(しけん)
個人的な見解。
「私見」には謙遜の意味がありますが、「私感」にはありません。
・私見を述べますと


排外(はいがい)
外国の思想、文化物、生活様式等を嫌って退けること
・排外主義
・この国は排外的で窮屈だ


軽挙(けいきょ)
軽率な行動をとること
・軽挙をたしなめる。
・軽挙をとがめる。


不詳(ふしょう)
詳しくはわからないこと。ハッキリしないこと
・作者不詳
・身元不詳
・飛行機事故の原因は不詳です。


向学(こうがく)
学問に志すこと。勉学に励もうと思うこと
・向学心に燃える。
・向学の念が強い。
・市民に向学の機会を提供する。


後学(こうがく)
後身の学者、将来自分のためになる知識や学問
・後学たちに模範を示さなければならない。
・後学のためにしっかり取材しておく。


紛糾(ふんきゅう)
意見や主張が対立してもつれること。
・どのコースを通るかで紛糾した。
・時代遅れという意見が出て議会は紛糾した。



如実(にょじつ)
実際の通りであること。現実のままであること
・事件の真相を如実に物語る
・焼失面積の広さが山火事の猛威を如実に示している。



薫陶(くんとう)
優れた人格で人を感化し立派な人間を作ること
・薫陶を受ける(徳のある人の影響を受けてすぐれた人格がつくられる)
・師の薫陶を受ける。
・教授の薫陶の賜物と感謝する。


円熟(えんじゅく)
十分に熟達して豊かな中身を持つに至ること。
・円熟した大人の魅力、人柄
・円熟の境地(充分に熟達して豊かな内容を持つに至ること)


考究(こうきゅう)
深く考えその意味や本質を明らかにすること
・遺跡の謎を考究したい。
・神話を比較考究する。







気丈(きじょう)
心がしっかりしていること。気持ちをしっかりと保つさま
・重なる不運に耐えた気丈な人
・負傷したが気丈にも歩き続けた
・気丈に振る舞う(心がしっかりしているように行動すること)


柔弱(にゅうじゃく)
優しくて弱々しいこと。柔らかくて弱いこと
・柔弱な侍
・柔弱で女性的な雰囲気のある男性


流転(るてん)
移り変わって止むことがないこと
・人生は流転するものだ。


役得(やくとく)
その役目についていることによって得られる特別な利益や特権。
・編集者の役得として、誰よりも早く新作を読むことができる。


不実(ふじつ)
誠実でないこと。誠意や情愛に欠けていること
・不実の申し立てをする。
・不実な恋人は別れなさい。
・総理の不実を暴露する。


邁進(まいしん)
恐れることなく前進すること。
・夢に向かって邁進する。
・仕事に邁進する日々です。


埒外(らちがい)
ある物事の範囲の外。枠の外。⇆埒内
・常識の埒外。
・想像の埒外(想像の範囲外)


薄利(はくり)
利益が少ないこと。
・薄利の商売
・薄利多売(個々の商品の利幅を小さくしながらも、大量に売ることによって、最終的により大きな利益を得ようとする販売戦略)


要諦(ようてい)
物事の最も大切なところ。肝心な要
・商売の要諦は広告や宣伝にある
・自ら考えるチームになる要諦は、トップダウンではなく、主体性を持った日々の練習にある。
・要諦を穿つ(物事の最も大切なところを言い表すこと)


早計(そうけい)
早まった考え。軽率な考え
・不可能と決めつけるのは早計だ。
・早計に結論を出そうとしてはいけない。
・早計に失する(判断が軽率すぎる、考えが早まりすぎ)


満腔(まんこう)
全身。体中。心から
・満腔の怒りで震える
・満腔の謝意を表する(心からの感謝の気持ち)


把持(はじ)
手に持つこと。しっかりつかむこと。そういう態度を維持すること。
・手で足首を把持する
・強い信念を把持していく
・冷静の態度を把持する


能弁(のうべん)
弁舌に巧みなこと。上手な話しぶり
・女性の前では能弁になる。
・能弁に語った。


後顧(こうこ)
後ろ振り返ってみること。後々を気遣うこと。
・後顧の憂い(あとに残る気遣い、後々の心配)
・後顧の憂いを断つ。失くす。




悲喜(ひき)
悲しみと喜び
・悲喜こもごもの思いで退職した。
・占いの結果に悲喜する。
・悲喜こもごも(悲しみと喜びを、代わる代わる味わうこと。また、悲しみと喜びが入り交じっていること)


類推(るいすい)
類似の点を元にして他を推し量ること
・その意味を類推することは難しい。


至誠(しせい)
この上なく誠実なこと。その心。
・私たちの至誠が通じたようだ。
・真剣さや至誠が人の心を動かすものだ。
・至誠を持って取り組んだ。


苦杯(くはい)
辛い経験の例え。苦い経験
・敗戦の苦杯を嘗めた。
・苦杯を喫する(思うように事が運ばず、苦しくつらい経験をする)


考査(こうさ)
いろいろ考えて調べること。特に学校で先生が課する試験の事
・定期考査
・人事考査


場末(ばすえ)
都心の中心から外れた場所。
・場末の飲み屋で一杯やった。
・場末の狭い部屋


猥雑(わいざつ)
下品な感じがすること。ゴタゴタと入り乱れていること
・猥雑な内容の雑誌
・この街は昔から猥雑で犯罪が減らない。


通読(つうどく)
初めから終わりまで一通り読み通すこと。
・台本を通読した
・源氏物語を全巻通読した


忌憚(きたん)
遠慮すること。嫌い嫌がること。
・忌憚のない(遠慮をしない、率直な)
・忌憚のない非難、意見


英明(えいめい)
才知が優れて物事の道理に通じていること。
・英明な君主
・英明な経営者


総括(そうかつ)
個々のものを1つにまとめること。全体を見渡してまとめること。
・各人の意見を総括する。
・試合の内容を総括する。


不朽(ふきゅう)
いつまでも朽ちないで残ること
・不朽の名作。
・不朽の名声を得た


懇情(こんじょう)
親切な心。真心を尽くした心配り
・ご懇情を賜りありがたく存じます。
・ご支援とご懇情に深く感謝を申し上げます。


旗頭(はたがしら)
その集団を率いる者
・旗頭としてチームをけん引した。
・旗頭に抜擢された。


次席(じせき)
2番目の席事。次の地位にある人
・当選作品は百万円、次席が三十万円、三席が十万円もらえます。
・法務大臣から次席検事に任命される。


末席(まっせき)
下位の座席。下座。下位の地位
・末席に連なる(仲間に加わることを謙遜していう語、「恐れ多い」というニュアンスを含む)
・宴会の末席に連なった。
・末席を汚(けが)す(会合に出席したり、仲間に加わったりすることを謙遜していう語)
・委員の末席を汚しております


能筆(のうひつ)
文字を書くことが上手なこと。またその人
・親譲りの能筆だ。
・能文であり能筆だ。


互助(ごじょ)
お互いに助け合うこと
・声掛けをする互助が大切


一助(いちじょ)
わずかばかりの助け。少しの足し
・家計の一助とした。
・我々の取り組みが戦争孤児の一助になる。

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