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フードロスを通じて地域共生社会の構築を目指す「フードバンクおりなす江戸川」

こんにちは。食に強いPR会社、株式会社ppcの高橋です。

弊社では今年から「フードロス削減プロジェクト」をスタートしました。
フードロス関連ニュースのまとめや、実際に社員がフードバンクへボランティアとして参加し、そこで体験したことを発信していきます。
この記事を見た方が、フードロスやフードバンクなどに少しでも興味をもっていただければ嬉しく思います。
 
今回は、2022年9月、東京都江戸川区に新しく開設されたフードバンク「フードバンクおりなす江戸川」の代表・棚橋幹夫さんに「フードバンクおりなす江戸川」の活動、今後の展望、課題などを伺いました。

○「フードバンクおりなす江戸川」基本情報

フードバンクおりなす江戸川」は、区内の6か所に配布拠点を設けています。仕事・家事・子育てなどで忙しいひとり親家庭の方など、食糧支援を必要としている人たちに身近で時間をかけずに利用して頂きたいと考えたからです。月に1回利用が可能ですが、配布日は月に2回設けどちらか都合の良い日に利用できるようなっています。配布日などは今後の状況に合わせて変更も検討しています。 

○行政との連携と協働でニーズを掘り起こしたい

利用の対象となるのは、ひとり親家庭で児童扶養手当を受給されている方、児童扶養手当を申請中の方、生活に困っている方です。
児童扶養手当を受給されている方は「フードバンクおりなす江戸川」のサイトから申し込みができ、手当申請中の方は区の「ひとり親相談室すずらん」で相談し紹介状の発行を受けることができます。
それ以外の生活に困っている方は、区の「くらしごと相談室」に相談していただきます。支援が必要な方には紹介状が発行され、フードバンクが利用できる仕組みになっています。
 
「フードバンクおりなす江戸川」では、利用に訪れた方に対応はできるものの、自分たちから支援が必要な人たちを探すことが困難です。地域にはいろいろな事情で区の相談室に行くことができない方も多いのではないかと思われます。こうした場面では、そういった方を探す、つまり「アウトリーチ」できる団体との協働が必要です。
そこで、地域共生社会構築の拠点として区が運営し、地域の人たちの状況を把握しやすい、区内9か所にある「なごみの家」等と連携することでそうした課題を解決し、なるべく多くの方に食品を届けたいと考えています。

○配布拠点との連携でフードバンク活動に拡がりを

6か所の配布拠点は、区内の企業・団体・個人の協力を得て運営しています。協力を得るための話し合いの中で、いろいろなお話を伺うことができました。
ある拠点では、自社で開催する介護職員初任者講習を利用者に無償で受講してもらい、介護職のキャリアにつなげることも出来るのではないかというお話を伺うことができました。
またある拠点では、地域の方向けにチラシを配布したところ、予想以上に食品を集めることができました。
子育て支援の専門家のいる拠点では、子育て支援をしたい利用者の方の相談に繋がりました。様々な企業や団体と連携することによって、食品を配布するにとどまらない活動の拡がりを生み出せるのではないかと考えています。

○フードドライブは常設が大事

フードバンク活動をしていると、地域の人たちが「家で余っているから」と食品を届けてくださることがよくあります。コロナ禍で「困っている人を助けたい」と思っている人が増えていると思います。
一方で「どこに持っていけばいいのかわからない」との声も多く聞かれます。また、持っていきたいけどフードドライブの開催日に行けないということもあります。その点を考えると「わかりやすい身近な場所でフードドライブが常設されている」ことが大切だと思います。 
「フードバンクおりなす江戸川」は常に開けていることが難しいので、「なごみの家」等でフードドライブが実施されれば、地域の人たちの温かい気持ちを受け止められるのではないかと期待しています。同時に、こうした活動にどのように協力するのかが課題になっています。

○地域共生社会の構築にフードロスを活用したい

私たちの活動はロス食品と食べ物に困っている人を仲介し両者減らすことが目的ですが、それと同時に、この活動を通じて地域の人や団体とつながり協働することによって、住民同士が助け合い支え合う、誰もが安心して暮らせる地域社会づくりに寄与することも目指しています。
フードドライブで集めた食品を地域の子ども食堂やミニデイなどで活用すれば、地域の食品を提供する人と使う人が繋がるきっかけにもなるのではないかと思います。「フードロスによる地産地消」です。こうした活動が「地域共生社会」の土台作りとなることを願っています。

○今の課題は、活動を知ってもらうこと、協力者を募ること

活動を始めたばかりなので、利用を必要としている人に私たちの活動をどう周知するかが課題のひとつです。ホームページが開設でき会の名前を入力すると検索できるようになったので、さらに検索しやすいような工夫を加えたり、パンフレットなども活用してこれからの周知に力を入れていきたいと考えています。
また、人手不足も課題です。コアメンバーが少なく「最初は少ない拠点で始めよう」という声もありましたが、身近で時間をかけずに利用して頂くために多少の無理は覚悟して、各拠点ギリギリの人数で運営しています。たくさんの協力者が必要です。会員・ボランティアで活動してくださる方を募集中です。どうぞよろしくお願いします。

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フードバンクおりなす江戸川
代表:棚橋幹夫
TEL:080-1027-9235
Mail:fborinasu@gmail.com

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