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"アイスクリームを食べると地球にも良いんだよ" を目指して八百屋「青果ミコト屋」が手掛ける「KIKI NETURAL ICECREAM」

食に強い株式会社ppcの毛塚です。
 
弊社では昨年より「フードロス削減プロジェクト」を行っています。
プロジェクトの一環として、フードロスに関する新商品、新サービスについて弊社が独自に取材した情報をお届けします。
 
今回は、神奈川県青葉台にお店を構える八百屋「青果ミコト屋」が手掛けるアイスクリームブランド「KIKI NATURAL ICECREAM」について、立ち上げの経緯や今後の展望を、青果ミコト屋代表の鈴木鉄平さんにお伺いしました。

「KIKI NATURAL ICECREAM」について

「KIKI NATURAL ICECREAM」は「青果ミコト屋」が手がけるクラフトアイスクリームブランドです。僕たちはこれまで、八百屋としての活動を通じて畑と生産者を巡る旅を重ねてきました。日々、植物と向き合う農家さんに会い、自然の循環に倣った畑の上に立っていると、 植物の神秘や野菜の多様性、作り手の美学など、これまで知らなかった魅力に出会い心をうたれるのです。そんな旅の体験や気づきを、もっとカジュアルに、もっと楽しく、もっとたくさんの人へ届けたい。そんな想いのもと「KIKI NATURAL ICECREAM」は生まれました。

店頭で販売される、個性豊かなアイスクリーム

毎日のように届くフレッシュな野菜やフルーツ。僕たちが日本中の産地を旅して巡り合ってきた確かな食材たち。風土やつくり手を色濃く映し出すその食材たちの個性や特徴を生かすためには、画一的な大量生産よりも、少量ずつでも手作業でフレキシブルに作るスモールバッチの方が相性がいい。少し食べづらくても安定剤や乳化剤は使わず、素材のおいしさをシンプルに引き出す。そこに僕たちらしいエッセンスとストーリーを添えて、オリジナルのアイスクリームに仕立てています。

アイスを通じて柔らかに伝えたい、地球を取り巻く課題

僕たちはアイスという存在に、とてもポジティブな力を感じています。食べればなぜか元気になる、アイスクリーム。僕たちが伝えていきたいのは、自然栽培のことや種採り、フードロスのことだったり、世界を揺るがす気候変動や美しい地球が根底から危機にあることだったり。でもそれを野菜を通じて伝えると、ちょっと堅苦しく説教じみて聞こえることもあると思うんです。それがアイスを食べることの延長線上にあることで、美味しく、カジュアルに、気負うことなく、伝えられるのではと考えています。

アイスクリームを食べることで「フードロス削減」に

八百屋の宿命である野菜や果物の売れ残り、形や色がいびつだという理由で規格外とされ、出荷もされず畑に放置される野菜など、そのままではロスとなってしまう素材たちも積極的に生かせるよう心がけています。
摘果した柑橘や間引いた人参、潰れたベリー、糖度が低く発酵してしまう蜂蜜、ワインを搾る際に出る搾りかす、パンの耳、そしてバターの副産物であるスキムミルクなど…。規格外、B級品、副産物、イレギュラー。そんな一見ネガティブな印象の言葉や理由を、アイスクリームのチカラでポジティブに変換する。むしろそんな素材たちだからこそ表現できる味わいやおいしさを「KIKI NATURAL ICECREAM」は大切にしています。

野菜をロスするということ = 費やされた時間や想いを丸ごとロスするということ

実店舗の八百屋には野菜や果物のロスはつきもの。野菜をロスするということは、畑からから手元に届くまでに費やされた、労力、時間、コスト、そして想いを丸ごとロスするということです。加えて、日本の厳しい出荷規格は、出荷もされない野菜たちをたくさん生み出してしまいます。畑の隅に放置されるもの、収穫さえされずに朽ちていくもの。形が悪い、色が悪い、重さが足りない……そんな理由で廃棄される「規格外」の野菜の量は、年間150万トンとも200万トンともいわれています。
 
アイスクリームはそんなイレギュラーたちの受け皿になることができます。
アイスクリームには賞味期限がありません。 もちろん保存状況や時間の経過とともに品質の劣化も当然ありますが、あらゆる食品の中でも限りなくロスになりづらいものだと思っています。ロスから生まれたアイスやオーガニック素材のアイスを食べることで、フードロスの問題や土壌汚染、気候変動の問題に少なからず良い影響を生み出せるとしたら。それは本当に心地よい消費と呼べるのではと考えています。

「アイスクリームを食べると地球にも良いんだよ」 を目指して

目指すところは、アイスクリームはカラダにも地球にもいいんだって、お母さんたちが子供に食べさせたくなるような、そんなイメージに変えていくこと。食べることで社会の課題やネガティブな問題をちょっと溶かすことができたら、まさにアイスのように、クール&スイートだと思っています。

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鈴木鉄平 Teppei Suzuki

鈴木鉄平 Teppei Suzuki

青果ミコト屋 代表1979年生まれ。3歳までをロシアで過ごし、帰国後横浜で育つ。幼少期より頭の中は食べることばかりで、学生時代は一日5食。根っからの旅好きで、高校卒業後アメリカ西南部を一年かけて放浪し、ネイティブアメリカンの精神性を体感。
2007年 ヒマラヤで触れたグルン族のプリミティブな暮らしの豊かさに惹かれ、農のフィールドへ。
2008年 千葉の自然栽培農家である高橋博氏、寺井三郎氏に師事し畑仕事を学び、2009年 Brown’sFieldの田んぼと畑スタッフとして一年間自給的な暮らしを経験。2010年 高校の同級生、山代徹と共に旅する八百屋「青果ミコト屋」を立ち上げる。

【青果ミコト屋】

https://www.instagram.com/micotoya/

【KIKI NATURAL ICECREAM】

本件に関して取材をご希望の場合は、
株式会社ppc 毛塚(kezuka@ppc-inc.co.jp )までご連絡ください。
 
また弊社ではフードロスやフードバンクに関するニュースをまとめた記事を「note」にアップしています。よろしければ、こちらもあわせてご覧ください。

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