見出し画像

125.【映画感想】BLUE GIANT【JAZZ】

 石塚真一先生がビッグコミックにて連載している漫画『BLUE GIANT』を原作としたアニメ映画。

「オレは世界一のジャズプレイヤーになる。」

ジャズに魅了され、テナーサックスを始めた仙台の高校生・宮本大(ミヤモトダイ)。
雨の日も風の日も、毎日たったひとりで何年も、河原でテナーサックスを吹き続けてきた。

卒業を機にジャズのため、上京。高校の同級生・玉田俊二(タマダシュンジ)のアパートに転がり込んだ大は、ある日訪れたライブハウスで同世代の凄腕ピアニスト・沢辺雪祈(サワベユキノリ)と出会う。

「組もう。」

大は雪祈をバンドに誘う。はじめは本気で取り合わない雪祈だったが、聴く者を圧倒する大のサックスに胸を打たれ、二人はバンドを組むことに。そこへ大の熱さに感化されドラムを始めた玉田が加わり、三人は“JASS”を結成する。

楽譜も読めず、ジャズの知識もなかったが、ひたすらに、全力で吹いてきた大。幼い頃からジャズに全てを捧げてきた雪祈。初心者の玉田。

トリオの目標は、日本最高のジャズクラブ「So Blue」に出演し、日本のジャズシーンを変えること。 無謀と思われる目標に、必死に挑みながら成長していく “JASS”は、次第に注目を集めるようになる。「So Blue」でのライブ出演にも可能性が見え始め、目まぐるしい躍進がこのまま続いていくかに思えたが、ある思いもよらない出来事が起こり……

情熱の限りを音楽に注いだ青春。その果てに見える景色とは―。

映画『BLUE GINAT』公式サイト - https://bluegiant-movie.jp/story.html

漫画としてのジャズ

 私は原作を読んでジャズに魅了されたひとりでした。
 もともと幼少期にピアノを習っていたこともありクラシックやジャズを聴くこともありましたが、それこそ触る程度。音の先を意識させてくれたのはこの作品の影響でしょう。
 音がないからこそ、動きが無いからこそ、音以外の部分が際立つ。
 音にのせる想い、情熱、音をきいてからの変化、人ひとりのミクロな視点から。
 チームや地域、文化はたまた歴史まで、これまでのマクロの視点まで。 

 漫画を読むことである種、外堀を埋めたよう。
 ”ジャズ”とはなんたるか。(寝転がりながら漫画を読んだ程度で何をおこがましい発言)
 でもいいのです。これを機に本当の音に触れる、音楽ってのは日常にありつつも突然出会うものだと思います。

映像としてのジャズ

 音以外の”周り”まで込みで”ジャズ”!
 まとう雰囲気、全身の動き、指の走り、そして顔に伝う汗まで、どれを取っても見ていて飽きない、音以外でもこんなにも感情をのせられるのか、と感嘆しました。音楽は音だけじゃない。

 なにより私的なグッとくるポイントは指のセクシーさ
 サックス、ピアノ、ドラムどれも指が重要な楽器(まあ、大体そうですが)なので指の表現がピカイチというか。
 冒頭でもピアニストの雪祈が主人公・大の指のタコを見てサックス奏者だと見抜きます。シーンを追うごとにドラムスの玉田の指のケガ・テーピングが増えていき、語らずとも並々ならぬ練習を日々こなしている事が伺い知れ、その後の展開にも説得力がでます。
 そして!ご覧になればわかるのですが、指一本一本に線が描かれていて、存在感を増しています。「見ろよ!」とは言われていませんが、ひと手間かかった想いが載せられていると感じました。

音としてのジャズ

 っぱ、音ですわ!!
 上記を感じてからの音を聞くとより一層音からも想いが見える、そんな気がします。ジャズはスタンダードなナンバーしか聞いていませんが、それでも音から”JASS”の情熱や想いが感じる、ジャズの魅力を存分に受けられました。

 ジャズは即興でその時の想いを音にのせます。(作中でも言及があるので是非ご覧になってください!)即興すなわち一期一会の音が、出会えます。それだけで何か特別な想いになるのです。
 この映画はもちろん何度でも見返せますが、想いを感じるにはちょうどいい。ジャズを好きになるのにはうってつけだと思います。

みなさんも日常にジャズはいかが?

 映画『BLUE GINAT』は作中歌はSpotifyでも聞けちゃいます。
 あまりメジャーなジャンルとは言えない状況にもあるジャズですが絶対に好きな音、好きなプレイヤーがいます。

 せっかく検索したらなんでも出る時代。
 今まで挑戦できなかった事に軽く触れるのも良いのではないでしょうか。
 挑戦こそが人間の魅力のひとつだと思うのです。

この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?