はじめまして!WATARI TRIPLE C PROJECT メンバーの力石咲です
亘理町内外の皆様、初めまして。美術家の力石咲(ちからいしさき)です。
私は現在、宮城県亘理町の被災エリアから新たなまちづくり、文化の発信を担うWATARI TRIPLE C PROJECTのアーティストメンバーとして亘理町と関わっています。2021年8月からの活動になり、1年3ヶ月経った今のタイミングにはなりますが、この度こちらのnoteを立ち上げ、プロジェクトの活動記録を町内外へ向けて発信していくことにしました。
さて、私の美術家としての活動について簡単に説明させていただきます。私は「編む」という手法を用いて作品を作っています。この技法がもつ多面的な性質に魅了され続けています。編み物を媒体として、自分と他者、自分と場所をつなぐような作品を経て、その場所が有するネットワークを可視化した作品をつくるようになり、今現在は、コロナや戦争、地球環境の悪化などで先行きの見えない世の中、そして科学技術や情報網の発達で宇宙移住計画の現実味や多拠点生活など場所を選ばない生き方の中において、編むという技法のプリミティブな側面に注目し、「どこでもどんな世界でも生きていく」というテーマで制作することに関心があります。
このように、私の制作において「場所」という概念は重要です。その土地でどんな作品を作るのか、その場所でしか成立し得ない作品を作りたいという気持ちが常にありました。また、手先の作業だけであった編み物の作品が次第に巨大化していき、町のあるエリアの景色を編み包むというような規模の作品を作るようになっていきました。そうすると地域住民との協働や行政への許可申請などその地域により踏み込むような活動になります。他にもアートを介した町の活性化的なプロジェクトにも招かれることもあり、まちづくりに少し足を踏み入れているな、という感覚になることもありました。
ですので、このWATARI TRIPLE C PROJECTの始動を知った時に、自分にぴったりのプロジェクトだ!と思いメンバーに応募しました。
以来、海と田んぼと山に抱かれ、季節の移り変わりがはっきりしている亘理での生活を楽しみながら活動に励んでいます。亘理が大好きです!
さて、どんな作品を作ろうか、というところですが、プロジェクトに関わる前にsnsで見た、荒浜での地引き網の様子を空撮した写真が私のファーストインプレッションです。
普段から編みという手法で作品を作っているからか、例えば街中の電線がレースに見えたりという現象が自分にはあります。この写真を見た時も波打ち際の白波が白いレースのように見えたのです。寄せては返し消えていく儚さも、レースの繊細さに通じるところがあります。どこか遠くの場所から波に乗せて様々なものを運んできて、砂浜に置き去っていく。この自然のレースに呼応するような人工のレースを、町の皆さんと作れたら、と考えました。作品は自然の波のようにずっとはなく一時的なものだけれど、一緒に作品を作った人同士、記憶に残してくれるような作品になればいいなという想いです。
次回の投稿では、この作品の内容をもう少し詳細にお届けするとともに、発案から現在に至るまでの進捗状況をまとめてではありますがお伝えする予定です。
実はこの作品に至るまでにもう2つのプランがあったり、プロジェクトを宣伝するための看板制作や「毛糸玉モンスターを作ろう!」ワークショップなど様々な活動をしてきましたが、こちらについてもゆくゆくはお伝えしていければと思います。
最後に、私のサイトやInstagramのリンクです。どんなテーマでどんな作品を作っているのか、過去作品の記録、そしてInstragramのストーリーズではWATARI PROJECTというアーカイブもありますのでぜひぜひ覗きに来てくださいね。unmarkTextString
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