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【#読書感想文】容疑者Xの献身

※ネタバレはありません、ご安心ください。

天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、二人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長編、直木賞受賞作。

この物語を知ったのは、映画がテレビで放送されたのを見たのがきっかけでした。

ふだんなら、「映画を見たからもういいか」と、わざわざ原作を読むことはないのですが、東野圭吾さんの作品は好きなので読んでみました。

感想は…

「映画を観た方も、ぜひ原作を読んでほしい!」です😆

※ちなみに、僕は読み返すのは5回目くらいですね😅


「天才なんて言葉を迂闊には使いたくないけど、彼には相応しかったんじゃないかな。五十年か百年に一人の逸材といった教授もいたそうだ」
「論理的でありさえすれば、どんな冷酷なことでもできる男」

と湯川から評される石神。

石神の狂気とも思える言動と思考。

それは、警察の捜査も誤った方へ導いていく。

「たとえば幾何の問題に見せかけて、じつは関数の問題であるとか」


親友である湯川が謎を解き明かしたときの苦悩と葛藤。

刑事の草薙に伝えるときは、

「君に話しておきたいことがある。ただし、友達に話すのであって、刑事に話すのではない。だから僕から聞いたことは、絶対に誰にもしゃべらないでもらいたい。君の上司にも、仲間にも、家族にもだ。約束できるか」

石神に対峙したときは、

「その頭脳を…その素晴らしい頭脳を、そんなことに使わねばならなかったのは、とても残念だ。非常に悲しい。この世に二人といない、僕の好敵手を永遠に失ったことも」


映像よりも、文字の方が想像が膨らみました。

「愛」と呼ぶにはあまりにも不器用で、

「献身」と呼ぶにはあまりにも一途な石神。

たとえ結末を知っていたとしても、先の展開が気になって一気に読みたい小説でした。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。



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