論文とAI
先日、職場におけるAI利用率についてお伝えしました。
一方で、学生の間では、もはやAIを使っていない人はいないのでは? というほどではないでしょうか。
リサーチ、アイデアの提案、翻訳、ドラフトやサマリの作成などAIが助けてくれる場面はさまざまに存在しています。
学校側としてはAIによる作成物をはじめとした、「盗作」や「不正利用」を防止する目的で続々とアプリの導入を進めています。今回は、それらを検知するためのSaaSをご紹介します。
◆世界中の大学で導入されている不正検知のためのSaaS
Turnitin : 盗作の可能性を検知するために世界的に利用されているSaaSプラットフォーム。提出された学生の作品を、学術データベース、出版物、ウェブサイト、過去に提出された学生の論文などの膨大なデータベースと照合。類似点をハイライトしてくれます。
Grammarly : 本来は文法とライティングの校正ツールとして知られていますが、Grammarlyにも盗作検出機能があります。教育者が生徒の作品にオリジナリティがあるかどうかをスクリーニングするための情報を提供してくれます。
Unicheck : Turnitinがベースとなっており、UnicheckではCanvasやGoogle Classroomなど、さまざまな学習管理システム(LMS)とインテグレーションできることが特徴。学生の提出物を膨大なデータと照合して類似点を特定します。
「言い換え」もちゃんと検知されます
これらSaaSの特徴としては、高度なアルゴリズムとAIを使用して、考え得るあらゆる盗作手法に先手を打っていること。
最近では言葉の言い換えや微妙に改変されたテキストであっても、盗作の可能性を示唆してくれるそうです。
◆AIにとって手ごわい論文不正の手段
論文代行は学生の1割以上が利用
ちなみに、盗作を見抜くうえで最も厄介なのは「論文代行」。
最近ではフリーランスのプラットフォームやソーシャルメディア経由で簡単に依頼できるようになってきているため、ケースが増えているようです。
こればかりはAIも苦戦しますよね。
こちらの記事によると1割の学生が利用済み…。
ほとんどの場合、見抜かれないそうで…。
◆論文すべてをAIに書いてもらうという逆の発想
サカナAI・研究~論文作成「AIサイエンティスト」
AIを使って書かれた学生論文の不正を検知しようと努力する一方で、
そもそもAIに研究してもらって論文を書いてもらおう!
という主旨で、サカナAIが開発した
「The AI Scientist(AIサイエンティスト)」というプロダクトがあります。
特筆すべきは「最初の準備以外、一切人間の介入なしで、このシステムが機械学習研究の全ライフサイクルを自律的に実行できるということ」。
LLMをより効率的にトレーニングし、日々進化しているようです。
ソースコードはオープンになっていますので、ご興味のある方はぜひ。