黒板vsスライド
学校現場では様々な授業スタイルがありますが、現代の教育現場における二大巨頭は「黒板」と「スライド」だと思います。
校種や教科、シチュエーションによって大きく変わってくると思いますので、あくまで一般的な視点で黒板とスライドのメリット・デメリットを考察していきたいと思います!!!(個人的な見解であり、そこはご理解ください。)
□そもそも黒板とスライドの構造上の違い
そもそも、黒板とスライドはそのメディアとしての構造からして視覚的な強みが違うことが挙げられます。
黒板は”大きなキャンパス”・スライドは、”デジタル紙芝居”です。
この点を踏まえてメリット・デメリットを考えていきたいと思います。
□黒板のメリット・デメリット
メリット
・その場で内容を付け加えられる。即興性が高い
・字がきれいだと、それだけで威厳が出る
・記憶に残りやすい
・目に優しい
デジタルに慣れている現代においては、手書きの字の方が記憶に残りやすいという点もあると思われます。チョークの音によって聴覚も刺激されますしね。
デメリット
・板書に時間を要してしまう
・文字が読めない場合がある
・文字ばかりになりがち
・チョークの音が苦手な人がいる
・粉が飛ぶ
黒板が長年デフォルトだったわけなので、こちらのメリット・デメリットはさらっと。
黒板の方が授業に熱が入るから、板書スタイルを貫いているとおっしゃっている先生もいました。
□スライドのメリット・デメリット
メリット
・画像や動画をカンタンに見せることができる
・アニメーションを設定できる
・板書の時間を短縮できる(内容説明・生徒の観察に時間を割ける)
・一度作成すれば、繰り返し利用できる
・字が汚いことや誤字(変換ミス除く)がない
・スライドをClassroom(オンラインサービス)などで共有しやすい(※1)
こうしてみると黒板ではできないスライドの良さというものがたくさんありますね!
板書の時間が短縮できることで、生徒の様子をよく見えるようになるのは大きなメリットだと思います。ただ、板書の際には、すべての情報が一気に出てくるわけじゃないので、先生が書くのに合わせて、生徒も考えながらノートをとるのに対して(この文章の流れからすると、次は”だから”じゃなくて”しかし”かな....など)、スライドでは単に書き取りになってしまうという欠点もありますね。(=生徒の思考を排除してしまう可能性が高い)
デメリット
・準備に時間がかかる
・全体を俯瞰できない
・(映りが悪いと)生徒の目に負担をかけている
・(映りが悪いと)前方端の人や後方から見えずらい
個人的にスライドを使用する際の最大の欠点が、
「全体を俯瞰できないこと」
だと思っています。
次のスライドに行ってしまうと前の情報が見えなくなったり、どこまでがひとつの流れなのかがわかりづらかったり、という点があります。
プレゼンにおけるスライドは”今”・”ここに”集中してもらうのが理想なのでスライドの良さが最大限生きると思うのですが、学習は系統立てて学ぶ必要があるため、全体像を常に俯瞰できる状態にするのが理想だと思っています。
個人的にこの問題点を意識してスライドを作成しないと、黒板で授業をするよりもはるかに劣った授業になってしまうという可能性があると考えています。
ただ、授業で教える内容を単にスライドに載せただけでは、授業の中でどこが重要でどのような流れだったのかがわかりにくい授業になってしまっているかもしれません。(もちろんこれは黒板で授業をするときも意識する必要はあります。)
どうすれば、全体の構造が伝わりやすいスライドを作成できるのかについては自分も研究しつつ、発信していきたいと思います。
黒板のメリットに戻ってしまうのですが、黒板のあの大きさというのは非常に魅力的です。
もし、黒板がスライドのサイズだったとしたら、そうとう授業しずらいですよね。スライドは文字を書いたり消したりする必要がないですから、なんとかカバーできていますが、黒板ほどの大きな画面で全体像を見せることは非常に教育的効果が高いと思います。
そうした意味で株式会社サカワ様のワイードは非常に画期的かつ個人的に理想のプロジェクターです。
(来週はワイードのレビュー記事を書きたいと思います。)
□最後に
最後に、板書計画の指導書とかはたくさんあって、現役の先生にお聞きしてもたくさんテクニックとか意識していることととかを知ることができるのですが、「授業スライドの作り方」って教わらないですよね。
いずれ、教員向けのパワポ作成のコツ&時短術をまとめた本を出版したいなーとか考えてます。(どうすれば本を出せるのでしょう...)
今回は単にメリット・デメリットをまとめた記事になりましたが、今後はじゃあどうすれば魅力的な授業スライドが作成できるのか!ということも発信していきたいと思います!
それでは、また来週の記事もお楽しみに!
(記事作成に当たり、Twitter等で協力をしてくださった方々ありがとうございます。)
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PowerPointにちょっと一工夫するだけで、ぐっと魅力的になりますよね!