見出し画像

【2023年7~9月】今年上場した「スライド作成のお手本にしたい」スタートアップ5選

みなさんこんにちは。
資料デザインのリサーチや分析に取り組むパワーポイントのスペシャリスト、パワポ研です。

今回は、2023年7~9月に上場したスタートアップ企業に焦点を当て、その中から特にスライド作成の参考にすべきだと考えられる企業を5社紹介いたします。今回ご紹介する資料は2023年7月〜9月に各社が公開している「事業計画及び成長可能性に関する事項」となります。

3ヶ月毎に発表するこちらのシリーズは好評となっておりまして、過去には以下のような記事を執筆しました。

https://note.com/powerpoint_jp/n/n7217c5b9ef8b

https://note.com/powerpoint_jp/n/n5812491de97a

なお、この「事業計画及び成長可能性に関する事項」については、宝の宝庫となる可能性を秘めておりますので、別記事で詳しく解説しております。

https://note.com/powerpoint_jp/n/ne5f9320352b5

それでは早速見ていきましょう。

AeroEdge

AeroEdge(株)は2023年7月4日に上場した、LEAPエンジンの部品であるチタンアルミブレードの量産販売及びその他の部品の加工販売、研究開発を行う会社です。フランスのSafran Aircraft Engines社との間で、日本の中小企業としては初の直接取引契約を締結したことがきっかけで、栃木県足利市で創業80年を超える菊地歯車株式会社から、2015年9月にスピンアウトする形で設立された会社になります。
パワポのデザインに関しては、メインカラーである濃紺への統一と、随所に見られるメーカーならではの精度の高いイラストが特徴であるといえます。フォントの大きさや濃淡、白抜き文字をうまく活用して色数を最小限に抑えることで、スライドの視認性を向上させることに成功しています。後者に関しては、万人が参考にできるポイントではありませんが、実際に現場で使われるような精度の高い図面がパワポのデザインに合わせた形で挿入されており、機器メーカーとしてのアイデンティティがうまく反映されています。こういった現場に近い素材は通常、そのまま画像の形で挿入されることが多いですが、一度アイコン化してメインカラーに統一しているのが素晴らしいですね。

参考URL:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20230703516915/

グリッド

(株)グリッドは2023年7月7日に上場した、人工知能を用いたシステムの開発・販売・コンサルティング・保守・運用サポート業務等を行う会社です。「インフラと社会を、その先へ」をミッションに掲げ、再生エネルギー事業の会社として設立されましたが、2014年にAI開発事業に事業を転換し、2019年より計画最適化に経営資源を集中したことで上場を果たしました。主要株主が三井物産株式会社、伊藤忠商事株式会社、丸紅株式会社となっていることから、その歴史が伺えますね。
パワポのデザインに関しては、AIの会社らしく、その処理工程や顧客への導入過程がアイコンを用いて分かりやすく図式化されているのですが、随所にインフラ関連企業であることを想起させる画像が挿入されていることも特徴となっています。AI関連で上場する企業が増加しているため、その中でもどういったポジショニングでやっているかということをスライド全体で表現できていることは重要なポイントですね。

参考URL:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20230706518641/

ナレルグループ

(株)ナレルグループは2023年7月21日に上場した、建設技術者派遣業及びITエンジニアの育成派遣を行う会社です。持株会社としてナレルグループが存在し、その傘下に施工管理者派遣や土木技術者派遣を行うワールドコーポレーションやIT技術者派遣/SESを行うATJC、職人職業紹介の人材プラットフォームを運営するCONTRAFTが属しているという組織図になっています。また、非連結ながら2013年7月には職人求職者の職業紹介を行うため、一般社団法人全国建設請負業協会を設立しています。
このように、伝統的な建設業界に深く根ざした業務を行うナレルグループですが、スライドに関しては、ベーシックなSaaS企業のような形で、経営上の重要指標が細かく示されています。デザインの面でも単色の濃淡を用いた色使いは参考になりそうですが、ビジネスモデルやKPI、成功事例などのスライドは非常に情報量やパターンが多く、今後本格的な事業計画を作ろうとしている方の強い味方となりそうです。


参考資料:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20230710519925/

JRC

(株)JRCは2023年8月9日に上場した、コンベヤ部品の設計・製造 ・販売及びロボットを活用した自動設備などの設計・製造・販売を行う会社です。1961年に浜口商店として創業した後、1991年に株式会社JRCとして設立されました。ニッチトップ&リカーリング、そしてソリューションで成長・拡大する「コンベヤ部品事業」と製造業としての経験を活かした高成長な「ロボットSI事業」(ブランド名:ALFIS)の2つの事業を両輪で展開しているのが事業上の特徴となります。
スライドに関しては、コンベヤやロボット関連の事業を説明する際に用いられるカラーのイラスト及び画像が特徴的です。上述のAeroEdge社は高精度なイラストをメインカラーに変換し、スライドのデザインに馴染むように工夫していましたが、JRC社はむしろこのイラストを中心にスライド全体を組み立てているようにも見えます。コンベヤやロボットなど大きなくくりではイメージがついても、その分野の具体的な課題に精通していない読者が大半であるようなテーマに関して、このように課題や解決策をできるだけ丁寧に図式化して説明する姿勢は非常に好感が持てますね。

参考URL:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20230808537545/

揚羽

(株)揚羽は2023年9月21日に上場した、Webサイト制作・映像・グラフィックを中心に顧客のリクルーティングやコーポレート領域でのブランド浸透・構築を支援する会社です。祖業の映像制作から徐々に事業領域を拡大し、現在はリクルーティング支援領域やコーポレート支援領域のブランディング支援に強みを持ちます。「一社でも多くの企業のブランディングに伴走し 、日本のビジネスシーンを熱く楽しくする!」をミッションに掲げ、映像、グラフィック、Webサイトなどの部門で様々な賞を受賞し、高い知名度を誇ります。
パワポのデザインに関しては、本業がブランディング支援だけあって、明らかに専門職が作ったであろうクオリティの高さを随所に感じられます。例えば、メインカラーに関してはロゴで使われている赤とオレンジの2色を採用しているのですが、その組み合わせ方やグラデーションの出し方が独特で、なかなか簡単に真似できるような技術ではありません。スライド全体のレイアウトに関しては、余白が比較的大きくスッキリした印象を受けますが、各スライドで何を強調したいのかが一目で分かるようなデザインとなっており、こちらはすぐにでも参考にできそうなポイントです。他のパワポと比較してフォントサイズがかなり小さい印象を受けますが、大画面でプレゼンをせず、資料として渡すことを想定しているのであれば、このサイズ感でも全く問題ないでしょう。

参考URL:https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/20230920556063/

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回紹介した5社のみならず、近年上場する企業はパワポのレベルがどんどん向上しているためめ、参考になる素材の宝庫です。「事業計画及び成長可能性に関する事項」に関する情報は、Twitter等で随時紹介しておりますので、パワポ研をフォローいただき、ご覧ください!

パワポ研オリジナルテンプレート

パワポ研では「ビジネスシーンで使える」パワーポイントテンプレートを公開しております。デザインを整えるのみならず、ロジックやストーリーを整理するのにも役立つパッケージになっておりますので、関心のある方は下記ページも併せてご覧ください!

パワポ研からのお知らせ

上記の記事のように、noteではフォローしているだけでビジネスにおける「資料作成のコツ」と「デザインのセンス」が身に付くアカウントを目指して情報配信を行っています。

今後もコンスタントに記事を配信していく予定なので、関心のある方は是非アカウントのフォローをお願いします!

Template販売
https://powerpointjp.stores.jp/
書籍
https://www.amazon.co.jp/dp/4046060476
note(マガジン)
https://note.com/powerpoint_jp/m/mc291407396da
Twitter
https://twitter.com/powerpoint_jp
お問い合わせはこちら
https://power-point.jp/contact

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?